2017年8月6日日曜日
2017年最新版:ヘルシンキでの公共交通機関の乗車券を買う7つの方法
旅行に来られる方も長期滞在者も、知っておくと便利なヘルシンキの公共交通機関の利用方法をまとめてみました。
2017年6月19日に、ヘルシンキでの電車の乗り方が変わりました。これまでは、電車の中に乗車券販売車両が存在し、事前に乗車券を購入していなくてもその車両に乗っていれば車掌が乗車券販売に来るというシステムでした。しかし6月19日からは電車内での乗車券販売が無くなりました。乗車券を事前に購入していない場合、80ユーロの罰金(1ユーロ130円換算で約1万円)の罰金を払わなければいけません。
それでは以下にチケットの買い方をご紹介します。様々な方法はありますが、どの方法でも有効時間内には、(長距離電車を除く)電車、トラム、バス、メトロ、HSL(Helsingin seudun liikenne/ヘルシンキ周辺の公共交通を司る行政機関)運営のスオメンリンナ行きのフェリー、これらどの交通機関をどれだけ乗っても問題ありません。(ただし、後述しますが、地域をまたぐ旅をする際には乗車券が異なるのでご注意ください。)
もくじ:
1.券売機で購入する
2.トラベルカードを買う よくヘルシンキに来る方や、長期滞在者、在住者におすすめ
3.デイ・チケットを買う その日/数日間だけ公共交通機関をたくさん使うという方におすすめ
4.ヘルシンキカードを買う 観光に来ている人にお勧め
5.アプリから購入する 近くに券売機がない時のために
6.乗車時に運転手から購入(*バスとトラムに限る)
・区間をまたぐと料金が変わる
・Matkakortti/トラベルカードの使い方
・なんだか悲しい電車の乗車券販売中止と乗車券確認の現状
1.券売機で購入する
車掌からのチケットの購入はできなくなったものの、券売機は全ての駅には存在しません。ヘルシンキ中央駅やカンッピ・ショッピングセンター(Kamppi)には券売機がありますが、それ以外の場所の券売機設置場所が知りたい場合はHSLのページの地図からピンクの券売機マークをご確認ください。
写真左は中央駅に最近できた青い新しい券売機。写真右は旧型の青い券売機。後述のトラベルカードのチャージもこれでできる。
2.トラベルカードを買う
ヘルシンキのトラベルカードこと「Matkakortti」は、日本で言うとPASMOやICOCA、Suicaのようなプリペイド式の電子カードです。チャージの方法は、チャージ用の機械で行う方法と、キオスクで店員さんにお願いする方法がありますが、どちらも料金は同じで特別に手数料が必要だったりはしません。
トラベルカードの使い方と、ヘルシンキ・ヴァンター空港からの電車の乗り方についてはこちらの動画で日本語で説明していますのでご覧ください。
なお、定期券機能付きカードも存在します。HSLのこのページに記載されている「Multi-user Travel Card」がそれに当たるもので、フィンランド在住では無い方でもキオスクでも購入できるようです。また、こちらに在住のフィンランドのID(henkilökortti)をお持ちの方で、HSLの交通機関をよく使うという方は「Henkilökohtainen kausilippu」という定期券機能のついたカードにした方がお得でしょう。こちらはキオスクでは販売されておらず、ヘルシンキ中央駅の地下などにある「HSLサービスポイント」に言って購入する必要があります。
前者と後者の違いは、前者は旅行者でも購入可能で複数の人が使用可能(だけど値段は高め)、後者はフィンランドのIDが必要で本人しか使えないけれども値段が安い(HSLページから「Henkilökohtainen kausilippu 14-366 vrk 2017」をタップ、開いた部分の「Kauden pituuden~」ではいつからいつまでの定期に幾らかかるか、隣のタブ「Hintarajan mukaan」の「SUMMA EUROINA」に金額を入れると、記入金額で何日分の定期になるのかわかって便利)というところにあります。
ヘルシンキ中央駅の地下にあるHSLサービスポイント
3.デイ・チケットを買う
1~7日間有効なデイ・チケットがチケットはキオスクで購入できるほか、バスやトラムの運転手からも一日有効なチケットが購入可能。ピンクの券売機では大人用の1日有効な物のみ、青い色の券売機では1~7日有効な大人チケットと子供チケットが購入可能です。
詳細はHSLのサイトもご参照ください。
デイ・チケットを紹介するHSLのチラシ。
4.ヘルシンキカードを買う
もしご旅行でヘルシンキを訪れているのであれば、ヘルシンキ・ヴァンター空港で購入できるHelsinki Cardを購入するのもいいでしょう。アテネウム美術館(Ateneum)やキアスマ現代美術館(Kiasma)なども無料になり、一部観光地では割引がきいたりといった、観光には嬉しい得点がついています。最大3日間有効なものがあり、インターネットで購入し郵送してもらうこともできますし、ヘルシンキ・ヴァンター空港などで購入する事もできます。
詳細はHelsinki Cardウェブサイトで。
5.アプリから購入する
「HSL Mobiililippu」という公式スマホアプリからもデジタル乗車券を購入可能です。クレジットカードの情報を入力(もしくはフィンランドで携帯電話の契約をしているひとなら通話料金と共に料金を請求してもらうこともできる)して、公共交通機関に乗り込む前に有効化しなくてはいけません。この方法は少し変わっていて、券売機で購入する通常の乗車券と価格は同じですが、有効時間は「地域内チケット」でも通常の乗車券より長めの80分となっています。有効時間のカウントダウンもしてくれるので便利。バスでは乗車するときに運転手さんにスマホの購入チケット画面を見せます。
6.乗車時に運転手から購入(*バスとトラムに限る)
電車ではもう変えなくなりましたが、バスとトラムでは運転手のいる先頭から乗り込むことで、運転手から直接乗車券を購入することが可能です。値段は他の買い方と比べると高くなり、この記事執筆の2017年8月3日現在では券売機やアプリでの「地域内チケット」購入が2.90ユーロに対し、運転手からの購入では3.20ユーロとなります。
・区間をまたぐと料金が変わる
先に地域をまたぐ際には乗車券が異なると書きましたが、それはこういう仕組みです(上の動画9分あたりからも地図と共に説明していますのでご覧ください)。日本で言うと「首都圏」にあたる「大ヘルシンキ」(Suur-Helsinki)という概念があります。HSLはこの大ヘルシンキの交通機関を運営しているのですが、大ヘルシンキには実際にはヘルシンキ市以外にも空港のあるヴァンター市など複数の市が含まれた、かなり広い範囲となっています。そのため、この大ヘルシンキには複数の区間が定められているのです。
・Matkakortti/トラベルカードの使い方
各区間の内部を異動する際に用いられるのは「地域内チケット」。乗車券購入時には数字で「1」、フィンランド語で「Sisäinen」、スウェーデン語で「Intern resa」、英語では「Internal」と表示されるものです。ヘルシンキ中心での異動や観光の場合はこの「地域内チケット」で事足りるでしょう。
しかし少し注意が必要なのは、ヘルシンキ・ヴァンター空港とヘルシンキ中心を行き来する際です。空港は実際にはヘルシンキ市ではなくヴァンター市と言う地域にあり(成田空港が千葉県にあるのに「東京成田」と呼ばれる事があるのに似ているかもしれません)、空港からヘルシンキ中心に移動する際にはこの二つの市/地域をまたぐため、「地域チケット」を購入する必要があります。これは数字で「2」、フィンランド語で「Seutu」、スウェーデン語/英語で「Region」として表記されています。
動画はHSL HRTより。
この動画では新しい電子チケット読み取り機の使い方が簡単に説明されています。まずはどのチケットを買うのか選択(「地域内チケット」なら「1」)、一人分のチケットを買うならもうあとは「OK」を押して、Matkakortti(トラベルカード)を読み取り箇所にかざせばオッケーです。そうするとビーという音と共に(カード無い残額が10ユーロ以下の場合別の音になるけど)有効期限の時間と、カード内の残高が一瞬表示されます。二人以上のチケットを購入する場合は、購入チケットを選択した後に画面右に表示される「人の絵とプラスマーク」をタッチして購入人数を指定し、最後に「OK」で確定することで、一度に複数の乗客のチケットが購入できます。
・なんだか悲しい電車の乗車券販売中止と乗車券確認の現状
なお、乗車券の確認は乗車券の確認をする人たち(Lipuntarkastaja、大抵青色のシャツの上に紺色のチョッキ/上着を着ている)が来るまでなされません。もしこの人たちが電車/バス/トラム車内に確認に来たとき*に、乗車時に有効な乗車券を持っていたこと**を乗車券やトラベルカードやスマホ画面で証明できなければ乗車券代金と罰金80ユーロを支払わなければいけません。
*メトロに関してはメトロ駅へのエスカレーターを降りたところ
**メトロに関してはメトロ駅に降りた時点で有効である必要がある
電車では最近車掌も同様に乗車券の確認を行うようになっているのですが、おかしなことに、車掌たちには80ユーロの罰金を支払わせる権限が無いようで、彼らにチェックされて有効な乗車券を持っていない場合には電車から降ろすことができるようです。車掌たちはこれまでには緑の素敵な制服を着て社内を巡回し、問題が無いか確認すると共に乗車券の販売をしていたのですが、6月に社内乗車券販売がなくなってからは反射材の入った黄色いチョッキを制服の上に着込み、た車内を歩き回っている感じです。
結局車内を歩き回るのは乗車券販売していたときと同じなので、利用者にとって不便になっただけ(券売機も全ての駅にあるわけではないし)で、罰金を支払わせる権限もない車掌たちからもこの変更は意味がわからないという声が聞こえます。
(abcxyz)
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