2018年1月31日水曜日
旅行者の方ご注意!フィンランド全国で金曜にスト。交通などに影響の恐れ
今週の金曜日はフィンランド全国のほとんどの市内公共交通機関を含む運転系の仕事がストライキする予定です。これにはバス、トラム、メトロなどが含まれますのでご注意ください。電車、飛行機、タクシーはストはなし。しかしその為電車やタクシーは混む可能性もあります。
今回のストの原因は政府が労働組合との合意を破ったことにあります。まず、フィンランド中央労働組合「SAK」というのがあります。これは18の労働組合からなり、中には公務員組合、工業組合、運行組合、サービス業組合、鉄道組合などが含まれ、会員数は100万足らず。
政府はフィンランドの国際競争力を高めるための「Kilpailukykysopimus」競争契約に関連して、公務員の有給休暇金や祝日を減らそうとしました。政府は、これに皆が納得すれば失業支援金には変更を加えない、としたため、組合側はしぶしぶこれに承知。政府は公務員の有給や祝日を減らしました。しかし政府は約束は無視して、討論もままならないまま12月28日に失業者支援金変更案「Aktiivimalli」(アクティブ・モデル)に許可を出し、今年1月より施行しました。
政府が労働組合を裏切った形になったため、中央労働組合がデモを行うことに。これに際し、傘下の組合にストライキに参加要請したために今回のストが行われるというわけです。中には中央労働組合傘下ながらもストライキには参加しないところもあり、例えば鉄道、航空、サービス業の組合などはストに参加していません。
今回施行された失業支援金変更では、新たに失業者は65日以内に以下の3つの条件のいずれかを満たさなければならないということになっています。
・18時間の賃金労働(バイトとか)をしなくてはならない
・自営業で241ユーロを得る
・失業支援事務所の支援アクティビティに5日換算か(自分でコースに通う、インターンなどでもありのよう)
もしどれも満たしていなければ、次の65日間に与えられる支援金は4.65%減らされる、というもの。失業者がより「アクティブ」でないといけないので「Aktiivimalli」(アクティブ・モデル)と呼ばれています。失業支援金は失業している日数で換算されるため、4.65%減は一ヶ月にもらえる失業支援金が一日分減ることと同等のよう。
大したことない変更に思えますが、この変更が一番問題になるのは街ではなく田舎のはず。つまり、そもそも仕事が存在せず、バイトしようにもそんな機会がなく、失業支援所がそもそも何もアクティビティをやっていないような状況の町に住んでいれば、どんなに自分が努力しようとしても支援金が下がってしまう状況に置かれるアンフェアさがあるのです。
YLEのコメントの半数は「ここまでおおきなストライキでないと政府に声を伝えられない。政府は嘘つき。国民や組合は怒っているという事を示すために、そして誰もが自らも失業する可能性を意識しているからこれを行うのだ。」というもの。
しかしもう半数は「政府は民主主義で投票で選ばれたが、組合は違う。組合が民主主義と戦っているようだ。頑張って仕事をしている私たちにとってはストのせいで仕事にいけなかったら無休で休むか有給休暇を使うことになる。なぜ必死で何もしない失業者の1日分のお金を私の1日分のお金で守らねばならないのか。迷惑だ。そもそも失業者にアクティブな活躍が求められるのに何が悪いのか。」という感じのもの。
今年はフィンランド内戦から100年ですが、このタイミングでの大規模ストライキ(内戦前にもゼネストがあった)、今後の政府や労働組合の動きにも注目です。
Source: SAK, YLE
(abcxyz)
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