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2019年3月23日土曜日

フィンランド議会選挙がまたしてもハチャメチャな日本風アニメに!内容も日本語音声の質もパワーアップ!


2019年4月14日に行われるフィンランド議会選挙に向けて、またしても国営放送YLEのSNS動画サービス『Kioski』が日本語音声の日本風アニメを公開!


今回も前回と引き続き低投票率に政治家達が立ち向かうという内容。ですが一応なんとなく続き物なので、2017年の地方選、2018年の大統領選の回も事前に見ておくといいかも。



今回は「ハッハッハ、貧弱なフィンランド人達め!」という台詞と共に国会の前に「低投票率」という怪人が現れ、若者達に自分がどの候補者に投票するのかを忘れさせてしまいます。そこに現れた各政党の党首達が現れ日本アニメ風の鮮やかな戦闘スキルで立ち向かいます。今回は前回でもおなじみ『頭文字D』のパロディーで藤原とうふ店ならぬ「孤独ライダー」だけでなく、『ポケモン』のモンスターボールみたいなのも登場。

今回はKioskiが提供する「投票マッチング」ロボも参戦するも歯が立たず、投票マッチングを進化させることで低投票率をやっつけるという流れ。前回よりも日本語の発音のクオリティーが格段に向上してやる気満々です。


さて、今回のフィンランド議会選挙、一体若者の投票率はどれくらいになるでしょうか?


Images captured from: Kioski via Facebook

Source: Kioski via Facebook

(abcxyz)

2018年1月28日日曜日

フィンランドの大統領選挙が日本風アニメに!(しかも日本語音声!)


今日はフィンランドの大統領選挙日。以前フィンランドの地方選挙をアニメ化していた国営放送YLEのSNS動画サービス『Kioski』が、今度は大統領選挙を日本風アニメ化してます。



やはり前回のもののように「低い投票率」モンスターが現れて、大統領選立候補たちと『ドラゴンボール』風な戦いなどを繰り広げる内容。『北斗の拳』の名台詞「お前はもう死んでいる」、『頭文字D』のパロディーで藤原とうふ店ならぬ「孤独ライダー」(Paavo Väyrynen、ラップランドのケミ出身で元中央党だが、キリスト教民主党から中央党と自分で作った
党であるKansalaispuolue/国民党の両党に所属というよくわからない人物。キリスト教グループのメンバーとしてヘルシンキ議員に立候補し当選、現在無所属として大統領選に立候補の変わり者でよく冗談にされる)が登場したり、巨大ロボットも出てくるなど、日本のアニメへの愛に溢れた内容となっています。最後の方では80年代の映画『フットルース』などでおなじみボニー・タイラーの「ヒーロー」(Holding Out for a Hero)のメロディーが流れています。

一応各候補者の台詞は選挙キャンペーン中に各自がよくしていた発言言が元になっています。最後に候補者たちが最近流行のダンスポーズ「Dabbing」(肘の内側に頭をやるポーズ)をキメる中で現大統領Sauli Niinistöのみが別方向を向いているのは、大統領選ポスターで彼だけが明後日の方向を向いているのもあってのことでしょう。


(写真中央のポスターがNiinistö。他の候補者は皆前を向いて写真に写っている。)

選挙期間を通してSauli Niinistö現職大統領が60%前後の高い支持率を(徐々に下がってきてはいるものの)保ってきましたが、さて誰が大統領になるのか。選挙で50%以上の票を集めるとそれで大統領が決まりますが、50%以下だと、得票率の高い二人の間で再度選挙が行われます。


[via Facebook]

(abcxyz)

2016年8月31日水曜日

カウニステ×Stamp and Diary、フィンランドと日本のファッションブランドコラボのローンチイベントにお邪魔した



2008年にフィンランドの首都ヘルシンキに生まれたテキスタイルブランド「Kauniste」(カウニステ)。そして新しいスタートと日々の日常をテーマに名付けられた日本のブランド「Stamp and Diary」(スタンプ・アンド・ダイアリー)。遠く離れたフィンランドと日本のブランドのコラボレーションが実現しました。




そのローンチイベントが行われたのはヘルシンキ中心地にあるKaunisteのショップ(写真)。この日はTaiteiden Yö*と重なったこともあり、街中に多くの人が繰り出していました。ローンチイベントは午後7時から9時まででしたが、Kaunisteのショップがある通りFredrikinkatuはいつにも増して人通りが多く、窓の外から店内をのぞいたり、足を踏み入れる人も少なくありませんでした。

*Taiteiden Yo:芸術の夜/The Night of the Arts、街中の様々な場所に視覚芸術、舞台芸術、文芸、音楽など様々なアートがあふれだす年一夜限りのイベントで、今年28回目となる。




今回店内に並んでいたコラボレーション作品は、伊勢丹のフィーカ・デリのパッケージイラストなども手掛けるHanna KonolaによるデザインのKaunisteのテキスタイル「Konfetti」(コンフェティ、紙吹雪のようなものを意味する)を使用したStamp and Diaryによるワンピースやスカート。同じKonfetti柄でも、パステルカラーのものと、白黒のものが用意されていました。「フィンランド人はカラフルな服が好きで挑戦してみたいという気持ちを持っているが、多くの人は最終的に無難な白黒のものを選んでしまう」、ととあるヘルシンキのデザインショップオーナーが語っていましたが、それもあってなのかも。




店員さんたちもコラボモデルを着ていました。




店内にはそれ以外にもKonfetti柄の商品があります。




Stamp and Diaryからはコラボモデルではないものの出展もありました。

なお、今回のコラボはKaunisteとStamp and Diary、様々な国を飛び回る両ブランドの創設者が偶然ばったり出会って、そこからコラボまで発展したとのことでした。

フィンランドの女性のファッションは、隣国ロシアのものとは大きく違います。ロシアの女性のファッションは女性らしさを強調し、ウエストや胸を強調したり、ハイヒールを履いたりするようなものが多いですが、対してフィンランドでは着心地や履き心地、実用性を兼ね備えています。かといって洒落っ気がないわけではなく、実用性やシンプルさの中にも可愛らしい形や色、模様などがあしらわれたお洒落さのあるのがフィンランド風。

テキスタイルデザイナーと布生地の匠の合作により美しいテキスタイルを生み出すKaunisteと、着心地にこだわった服を作るStamp and Diaryのコラボもきっとフィンランドの人たちの心にも響くはずです。






トップ画像以外の写真:@petorah
写真掲載は撮影者、お店の許可、共に得ています。

(abcxyz)

2016年4月24日日曜日

フィンランドの面白CM:チャンピオン・マッコネンVS若き日本人挑戦者イチロー・ナガサキ!



目隠しして食材を当てるコンテスト!そのチャンピオンとなったMakkonenは自分の勝利に溺れ、訓練を怠るあまり、日本から迫りくる若き挑戦者の脅威に無関心であった。






挑戦者Ichiro Nagasakiは挑戦状をたたきつける!「I want Makkonen!」そして渡フィンした挑戦者NagasakiはPrisma(フィンランドのスーパーマーケット)に姿を見せる。Makkonenの兄はその姿を目撃。「こいつを甘く見るんじゃない。Prismaで買い物しているところを見たんだぞ…」とMakkonenに警告するものの、Makkonenは聞く耳を持たなかった。

そしてついに訪れた決着の時…





「Makkonen! You can run, but you can't hide!」(Makkonen!逃げたって隠れることはできないぞ!)

「っしゃー!!!チャンピオン!」新チャンピオンとなったNagasakiの前に、愕然とするMakkonen。しかし兄はやさしくこういうのだった「人生が終わったわけじゃない。再試合をしようじゃないか、今度はちゃんと訓練して」・

ちゃんちゃん。フィンランドのSグループ系列の大型スーパー、PrismaのCMでした。「Kaikki makumaailmat löydät meiltä.」「すべての味はここで見つかる。」ということでこんなCMになっているようです。

この対決に至るまでの、感謝されない兄とMakkonenの成功と没落のCMもどうぞ。









image: YouTube

(abcxyz)

2016年3月1日火曜日

フィンランド語辞書に今年新たに加わった言葉の中に日本語が!その言葉とは…

フィンランド国語センター「Kotimaisten kielten keskus」(略してKotus、国の機関)の監修するフィンランド語辞書「Kielitoimiston sanakirja」の2016年版に新たに加わった言葉の中に、日本語から来た単語が含まれていました。

その言葉は「nigiri」、そう「握り」です。

ここに載っていればそれは「フィンランド語」と認められるものです。これにより「握り」もフィンランド語に入ってきた外来語となったわけです。

なお、お寿司屋さんで使われる「maki / 巻き」、「nori / 海苔」などはすでにフィンランド語辞書に入っています。以前より様々なタイプの寿司屋さんが乱立するフィンランドですが、もしかしたらきちんとしたお寿司を出すお寿司屋さんが増えてきているとかかもしれませんね。


(abcxyz)

2015年10月27日火曜日

ジャパンウィークヘルシンキを純粋に楽しめなかった理由 Why I Couldn't Enjoy Japan Week Helsinki





日本語の記述は英語の下にあります。

--- Summary in English ---

Japan Week Helsinki, a series of events that "Promotion of mutual understanding and friendship with host countries" organized by International Friendship Foundation (IFF), was held in Helsinki.

Participants from Japan had to pay 30,000 JPY (approx. 225 EUR) per person for participation fee, plus the cost of visiting and staying Helsinki from Japan had to be paid by themselves. The 30.000 participation fee includes, rents for exhibitions, shipping fees for equipment, "expenses for staff from Japan" and "expenses for interpreters and staff".

But Japan Week was trying to find interpreters and staff in Finland who can work for them as "volunteer". Volunteer interpreters / staffs were offered 7 EUR per hour payment. Which is very low hourly wage in Finnish standard.

I have visited one of their events in Annantalo. Although many Finnish visitors to this event seemed very happy, I couldn't fully enjoy it. Here are reasons and findings from the event:

1. Big company exhibiting, but only "volunteer" interpreters

There was at least one company exhibiting their products. Which is weird especially while those participants from Japan are paying their fees and airfares and end up getting underpaid interpreters, possibly this company is paying for their participation. (Especially one was a "popular" publishing company POPLAR Publishing Co.. Why didn't they exhibit in Kirjamessut anyway?)

2. They also exhibit Japanese culture of disrespecting interpreters and translators

There were several well-skilled interpreters who can interpret between Finnish and Japanese, but others were "volunteer" staff who somewhat speak English or just participants speaking English. Where were promised interpreters? Oh, and some Finnish written posters that supposed to tell people about cultural stuff didn't make sense. Possibly because of underpaid translator/interpreters?

3. "Volunteer" interpreters is necessary to Japan Week, but only the organizers get paid

I have asked a Japan Week staff, who seemed to be involved to the event more than "volunteers" about the issue I mentioned on [2.], and he told me that the participation fee goes for those things I have mentioned on the second English written paragraph. I asked if he also works for this event for 7 EUR per hour, and he said something like

(We) have to prepare a whole year for the events, so (we) get more (money)


And yes, some people involving in Japan Week do get salary and employee benefit, according to their income and expenditure budget infomation.

Some of the "Objectives of Japan Week" mentioned on IFF's website are following:

1. Promotion of mutual understanding and friendship with host countries
2. Promotion of Japanese art and culture, also the introduction of a broad range of subjects relating to Japanese art and culture
3. Development of an international awareness and understanding among the Japanese people

I don't think interpreters, who are the keys to mutual understanding of people and cultures should be treated like this. Especially while some get real payment for what their work, and especially because participants were taught that they are paying for interpreters, not "volunteers", and most of all it was the organizers side who is wanting to have interpreters.




10月21日から26日まで、ヘルシンキで公益財団法人国際親善協会(IFF)による第40回ジャパンウィークというイベントがヘルシンキで開催されました。

先月「通訳の仕事なめすぎ…ヘルシンキ市で開催予定のジャパンウィークが低賃金の謝礼でボラバイト募集中」という記事を書いているので既にご存知の方もおられるかもしれません。

そのイベントの一部ではありますが、実際にAnnantaloで行われたイベントを見に行き、スタッフの方にも少し話をしてきましたのでそれについて書かせていただきます。が、長いのでまずは要約版を。

「フィンランド側の来場者はおおむね満足しているものの、一番の問題は運営側は給料をもらいながらもイベントの実現のために欠かせないはずの通訳をボラバイトで済ましていることにあります。」

この問題を以下の三点を通じてみていきましょう:

1.ボラバイトがいるイベントなのに企業からの出展がある

2.通訳/翻訳業の軽視が世界に広まる日本の文化か

3.必要不可欠な存在はボラバイトでもジャパンウィークのスタッフには給料が出る



まずそれらを詳しく説明する前に、前述の「通訳の仕事なめすぎ…~」の記事ではヘルシンキ大学のアジア研究コースの学生たちに送られてきた通訳スタッフボランティア募集メールを紹介していましたが、それに続報があります。アジア研究コースの学生たちはこのメールに対して「ジャパンウィークは参加者から通訳料を含む料金を預かるのに、フィンランドの清掃員の時給よりも低い謝礼が払われるボランティアで通訳を済まそうとしているが、そのお金は一体何に使われているのかという疑問が生まれざるを得ない」などとメールを送っています。これに対し公益財団法人国際親善協会の事業部のほうからも返事が返ってきており、このようなことが述べられていたそうです。

そこには一人あたり3万円の参加登録料は「ジャパンウィークの運営費用」に充てられており、会場に関わる費用や日本からのコンテナの輸送費、「日本からのスタッフ費用」などに充てられており*、毎年「何とかやりくりして」いる(メールではこの部分にわざわざ下線が引いてあったよう)と述べられています。
*なお日本からジャパンウィークに出展/出演する参加者は3万円の参加料を払ったうえで旅行代は自腹です。

また、このようにも記してあります:

限られた予算内でこの「手作り」のジャパンウィーク運営にて、私共は日本文化を通じて国際交流を図ろうとしている

それを踏まえたうえで、実際のジャパンウィークの様子を見ていきましょう。







私が行ってきたのは、Annantaloという文化施設で行われたジャパンウィークのイベント。この日は日曜日だったこともあり多くの方が足を運んでいました。そこでは、折り紙、書道、着付け、生花、祭りや伝統玩具、伝統工芸や手芸などなど、様々な日本文化が展示されていました。でも私はこれを純粋に楽しめませんでした。その理由は以下のとおり。



1.ボラバイトがいるイベントなのに企業からの出展がある





企業からの出展(例えば出版社であるポプラ社)があったのは意外でした。なぜって、通訳がボラバイトスタッフで賄われている「手作り」のイベントですから、企業がまるで自社の宣伝でもしているかのような展示を行っているのは予想外でした。企業を背負って「手作り」イベントに出展するということは、ジャパンウィークの後援でもしているのでしょうか。それとも企業が広報予算から捻出したお金を使って出展しているのでしょうか。ただ明記しておきたいのは、私が訪れた時点では企業出展ブースにはパッと見では通訳ボラバイトはいないようで、来場者とはブースの係りの人が英語で話をしたということ。

しかしながらもう一つ記さないといけないのは、子供向けの絵本の朗読も別室で行われており、そこには能力のある通訳者(在フィンランド日本大使館も関わっていたMalmitaloでの日本イベントでも働いていた方)が通訳として参加していたということです。これがそもそも(展示内容が絵本であった)ポプラ社による朗読のイベントかはわかりませんし、この通訳者の方がジャパンウィークのボラバイト通訳として働いていたのか、それとも企業側から正当な対価を支払われていたのかどうかは不明です。同時にこの週末には「Kirjamessut」と呼ばれる本の見本市がヘルシンキで行われていますが、ポプラ社はそちらには出展していないよう、どうせなら本の見本市で日本をアピールすればいいのに。変な話です。

なお、物品の販売は禁止されているようですので直接の販売はありませんが、試食が可能なブースなどはありました。中にはNPOや手芸のグループなどで純粋に展示を行っている(つまり展示がどれだけ素晴らしくとも金銭が直接的に絡んでこなさそうな)ようなところもありましたが、その一方で一部には商機をつかむために参加をしているように見えるものもありました。

一部の企業の宣伝的なブースの存在と、「ボランティア」として扱われている手伝いや通訳を任されるスタッフの存在との間にはちぐはぐな違和感が感じられます。



2.通訳/翻訳業の軽視が世界に広まる日本の文化か

まず記しておかないといけないのは、この日は日曜日だったということ。そして、ジャパンウィークでは平日にも通訳ボラバイトを募集していましたが、この依頼が届いた私の身近な人たちは「賃金が低い上に平日にボラバイトは仕事/勉強があって無理」と断っていたことです。つまりこの日に私が確認することのできた通訳者たちは日曜日だったから参加している可能性があるということ。

そして通訳のボラバイトは、ジャパンウィーク開催の前の週でもまだ「たくさん探している」状態だったようで、私にも声がかかっています。一部ジャパンウィークの日程と被って日本の高校から800人のフィンランド視察もあったとのことで、そちらでも通訳が募集されていたため(そしてこちらではちゃんと通訳に賃金が出ていたそう)、特にこの時期に低賃金で働くボラバイト通訳者を見つけるのは難しかったと考えられます。

Annantalo内では2つの階にわたって展示やワークショップが行われていましたが、日本語とフィンランド語のできる通訳者がいたのは一部のブースのみでした。日フィン通訳ボラバイトをされている方の一部は、前述したMalmitaloでの日本イベントで働いていた方(でも前述の人とは違う)や、他の日本語-フィンランド語のしっかりした通訳能力のある方もおられました。ボラバイト通訳を断った知り合いの中には、「所属している団体を通して参加要請があったから義務感があったが仕事があることにして断った」という人もいたので、もしかしたらその義務感から渋々参加している人がいる可能性も否定出来ないでしょうし、もしそうならばそれは「ボランティア精神」には反する参加といえるでしょう。

日フィン通訳が居ない場所では、各展示ブースの日本から来た参加者や、フィンランドで学んでいる学生さんなど(こちらはボラバイトスタッフとのことでした)が、英語で来場者とコミュニケーションをとっていました。





また、各ブースの壁やテーブルにはフィンランド語で説明があったのですが、そのほとんどが意味は通じるものの(フィンランド人いわく)「フィンランド語を学んだ日本人もしくは、まったく翻訳という概念を理解できないフィンランド人によってなされた質の悪い翻訳」とのこと。






「質の悪い翻訳」と評価されたものの、その一方で来日経験のあるフィンランド人は、この会場で見た翻訳は「日本の観光地や美術館の英語での説明よりもまし」とも語っていました。つまりこれは日本では一般的に翻訳や通訳が軽視されており、他国でもその質の低さは知られているということです。

翻訳や通訳を自ら行う身としては、「通訳/翻訳を軽視してお金をケチるから質の悪い翻訳になるんだ、ざまあみろ」と言いたくもありますが、母国日本の文化を紹介するためのイベントがこの有様なのはただ悲しいのが正直なところ。



3.必要不可欠な存在はボラバイトでもジャパンウィークのスタッフには給料が出る

ジャパンウィークの(正規の?)スタッフとして参加しておられる方に、「参加者は通訳人件費を含む用途に使用されるとのことで3万円の参加費を払っているようだが、通訳は7ユーロのボランティアだ。あなたも時給7ユーロで働いているのか」などと尋ねたところ、

参加費用は輸送費や会場使用料、人件費に充てられている。(賃金は)毎年開催するイベントを企画しなければいけないのでもっと貰っている

といったようなことを話されておられました。(ジャパンウィークの会計詳細については職員給与や福利厚生、交通費も記された収支予算書をウェブサイトから見ることができます。)

国を跨いだ大きな規模のイベントの企画なんて誰もができることではありませんから、正当な(かどうかは不明ながらボラバイトスタッフ以上の)対価をもらって当たり前でしょう。でもそれは通訳の仕事だって同じこと。きっと運送会社や会場だって時給7ユーロではなく正当な対価を払ってもらっているはずでしょう。(会場に関してはヘルシンキ市などが手助けをしている可能性はありますが)

ジャパンウィークのボラバイト通訳が関わるイベントの中では、学校訪問もあったようです。いくら学業が世界トップレベルのフィンランドとはいえ、小学校低学年では母語のフィンランド語やスウェーデン語ではなく、英語でコミュニケーションをとることは難しいです。ましてや一部日本からの参加者の話していた片言の英語では「日本文化を通じて国際交流」を図るなんて絵に描いた餅でしょう。ちゃんとした通訳を雇わない限りは。

それに日本からの参加者は日本の文化を伝えるボランティアとして自腹を切ってフィンランドまで渡航しているわけです。それに加えて「ボランティア通訳」ではなく「通訳やスタッフの経費」も含まれている参加費を払っているつもりで。そこにボラバイトで雇われている通訳者が居て成り立っている。そんな中でもっと仕事をしているからと言って給料や福利厚生(羨ましい)を貰っている人がいるわけです。

本来ならば利害を超えて関わることのできるものこそが「ボランティア」であるはず。ボランティア精神で成り立っている建前のこのイベントで、主催側だけ福利厚生や交通費までちゃんと給料をもらっているのであれば、これを「手作り」のイベントだなんて自称するのがおこがましく感じられないでしょうか。







ただ、私は批判だけするつもりはありません。このイベントはこの納得出来ない現状でも文化交流としては意味をなしていないことはありませんし、来場者はもちろんのこと、少なくとも一部のボラバイトは「かなり疲れてはいるが楽しんでいる」と述べていました。





私の友達の間からも、Kamppiショッピングモールで行われたオープニングイベント、Savoy-teatteri(サヴォイ劇場)で行われた琴や舞書、Wanha Satamaで行われていたアート展、などなど、大いにジャパンウィークを楽しんだと感想を教えてくれる声も聞かれます。(もちろんそこには言語を必要としない文化交流の展示や演目も存在しているということは頭においていただきたいですが)

また、フィンランド側でこのイベントに関わっている方は

フィンランドの国の大きさを考えると、これほどの規模の日本文化を紹介するイベントを自国で行うのは難しく、こういうイベントを開催してくれるのはありがたい。

と語っておられました。イベントの趣旨としては悪いとは思いませんし、うまくいっていないことはないのです。でも「失敗してないからいい」とは思いません、特に日本の文化を伝えるという大看板を自ら背負うというイベントなんですから。だからこそきちんとしてもらいたい。



ジャパンウィークは同サイトによれば以下の5つを目標としているようです。

1.開催国との相互理解・友好親善の促進
2.日本の芸術・文化の振興と幅広い紹介
3.国民の国際感覚・国際認識の醸成
4.地域の活性化・国際化の促進
5.郷土芸能等の文化遺産の保存・継承に貢献
6.姉妹・友好都市交流の推進

そんな目標を掲げる中で、よその国へとお邪魔して日本の文化を伝えようというときに、そもそもその国の言語を話せる通訳者の必要性を認識しながらも、イベント主催側と同等の立場にないボラバイト扱いで「相互理解・友好親善」なんて促進できるでしょうか?

また、「芸術・文化の振興と幅広い紹介」ともありますが、今回のイベントで見られたようにその国の言語できちんと紹介できていない場合、もしくは相手が理解するとも限らない英語を用いて、本当に芸術や文化が紹介できるでしょうか?通訳/翻訳というのはただ単純に言葉を額面通りに受け取って対応する言葉を吐き出す仕事ではありません。両方の文化と言語を知ってこそ可能なことであり、その点ではたとえ両国の参加者が日常会話レベルの共通語(例:英語)を持っていたとしても、能力のある通訳を通して会話をするのとは、相互理解、文化交流のレベルが違うのです。

そして何よりも日本の文化を伝えたいと日本からやってきたジャパンウィーク側が、イベントの実現のために欠かせないはずの通訳をボラバイトで済まそうとしたということは失礼にもほどがあります。しかも通訳ボラバイトを日本で探してくるのならまだ面子も保てるかもしれませんが、そうではなく開催国で搔き集めようとしているのです。しかも、日本からの参加者は「通訳費用」を払っているはずなのに。

3番目の目標にある「国民の国際感覚・国際認識」はジャパンウィークをもうすでに40回も様々な国で行っているはずの主催側がまず「醸成」しないといけないでしょう。目標に対する計画、予算配分が甘すぎます。



また、最後になりますが、この投稿はただ自分の価値観に照らし合わして納得がいかないために、それを周知するため、疑問に思ってもらうため、深く考えてもらうために、自らの体験と認識の及ぶ範囲の事柄を記しているものです。

そして、私は一部ジャパンウィーク参加者に対して「手伝えることがあれば言ってほしい」と伝えていましたが、それはもちろん偽りではありません。私は現在ヘルシンキに滞在しており、日本語、英語の通訳経験もあり、フィンランド文化への知識がありフィンランド語も片言ならば話せます。そのうえで、自らの利害を超越して知り合いを手伝うことができれば、という意味で言った言葉です。

私自身もボランティア(今となっては偽善的な響きに聞こえますね)もとい、自主的自発的に利益を求めずに日本とフィンランドの文化交流的な展示を行ったことがあります。その時の参加者たちは皆各自仕事がある中で時間とお金を出し合って行いました。もちろん今回のような大きなイベントでは、このイベントのためだけに働く人も必要でしょう。参加者から参加費をとっていますし、日本政府のブースもありましたし、企業や、フィンランド側からも何らかの支援を受けているとも考えられます。そんな中で本当に目標に掲げるように「相互理解」、「日本の芸術・文化の紹介」が行いたいのであれば、もう一度ジャパンウィークの企画のしかた、お金の使い方、そしてその在り方そのものを根元から変えていくべきでしょう。



追記:ジャパンウィークのウェブサイトは前回の記事の執筆以降様、10月1日に変わりして近代的な形相に。それに伴いFAQページには言語に関する質問と回答がありました。そこでは「言葉(外国語)ができないのですが大丈夫ですか?」という質問に対しこんな答えが記されています。

言葉(外国語)ができなくても大丈夫です。

当財団でボランティア通訳を手配します。プロではありませんが、訪問交流や舞台公演、展示・実演にもスタンバイしています。ご安心ください。料金は参加登録料に含まれます。

これにより、これ以降ジャパンウィークに日本から参加される方には語弊が生じないかもしれません。それでも、ジャパンウィークの開催に不可欠な通訳を現地でろくに給料も払わずに調達していながら、主催側スタッフには給料が支払われているという運営姿勢が今後も変わらないのであれば、それはジャパンウィークが自ら掲げる目標には反していますし、世界に対する日本の印象を悪くすることでしょう。


批判があればコメント欄でどうぞ。


(abcxyz)

2015年1月17日土曜日

日本の抹茶がフィンランド国営放送に健康に良いと取り上げられてる!

コーヒーの消費量が世界一のフィンランドですが、ここ数年、フィンランドでは「お茶」が人気になってきているよう。茶専門店「Chaya」(ヘルシンキ大聖堂やエスプラナーディ通りからも遠くないKluuvi内にある)や、ヘルシンキ市内に2店舗できている「Théhuone」(日本茶、中国茶、韓国茶、台湾茶などが専門)もあります。





(写真はThéhuoneで。左上のはドイツ製の抹茶の葉が入ったチョコ)

そんなお茶のなかでも日本の誇る抹茶が、今回フィンランド国営放送YLEでも取り上げられたようです。

放送ではその健康への良さや、抹茶の点て方(流石に作法まではしていませんが)紹介されています。どうやら健康にいいから流行っているとのことで、抗酸化作用なども紹介されています。

その様子はYLEのサイトで見ることができますのでどうぞ。

なお、何故か日本の裏千家とフィンランドはかなり昔から繋がりが強いらしく、スオメンリンナ島(Suomenlinna)にも裏千家の茶室があるほど。京都でお茶を学んだフィンランド人のティーマスターが居るんだとか。


Matchaa vatsaan - muotijuoma saanut jo jäljittelijöitä [via YLE]

(abcxyz)

2014年11月4日火曜日

フィンランドで一番人気の車は日本車?




先日の投稿「フィンランド人の平均身長は?フィンランドと日本の比較:男女別平均身長」に引き続き、HOK-ElantoによるSカード会員向けの月刊誌「Yhteishyvä」によれば、フィンランドで一番一般的な乗用車はトヨタカローラだとのことです。こうして日本のモノが遠い海の向こうのフィンランドで活躍していると嬉しいですね。

ちなみに、フィンランドで一番一般的な車の色は灰色だそうです。


Marraskuu 2014 [Yhteishyvä]

(abcxyz)

2014年10月9日木曜日

フィンランド最大紙に日本人ノーベル物理学賞受賞者たちの業績を称えた記事が




フィンランド最大の新聞Helsingin Sanomatの2014年10月8日版に、ノーベル物理学賞を受賞した3人の日本人教授たちの記事が載っていました。「1000年の光でノーベル賞」と題された記事で、「現在世界で使用されている電力の五分の一がライティングに使われている」、「LEDは白熱電球よりも50%以上効率的」など書かれています。

また、記事右上に見えるのは観光名所でもあるフィンランディア・ホール(Finlandia-talo)。フィンランドの超有名建築家/デザイナーAlvar Aalto設計のコンサートホール/議事堂です。夜になるとライトアップされるこの建物のライティングにもLEDが使われているんですね。


(abcxyz)

2014年5月10日土曜日

フィンランドで放映された『セーラームーン』はスウェーデン語吹き替え版だった

フィンランドでは昔、日本のアニメ『セーラームーン』がテレビで放映されていたそうです。でも放映されていたのはフィンランド語の吹き替え版ではなく、スウェーデン語*の吹き替え版にフィンランド語の字幕がついたものだったよう。そのスウェーデン版オープニングを見てみましょう。

*スウェーデン語もフィンランドの公用語。





スウェーデン語で歌われているスウェーデン版オープニングでした。なお、英語で歌われる北米版の『セーラームーン』はこんな感じ。





こう聴き比べると、スウェーデン語版は北米版よりもオリジナルの日本版に近い感じですね。

フィンランドでの放送時には、一度日本語版音声に字幕がついたエピソードが放映されたこともあったらしく、その時には「変な声だな」と思った視聴者が多かったんだとか。日本の女性の声がスウェーデン/フィンランドの女性の声よりも高い事もあって、日本語版の声優陣の声の高さに違和感を感じたのでしょうね。







ちなみに、日本のアニメ『ニルスのふしぎな旅』(原作はスウェーデン)のフィンランド放映版はというと…気になる方はこちらの記事をお読みあれ:「日本のアニメ『ニルスのふしぎな旅』のフィンランド版」

2013年10月19日土曜日

フィンランド・デザインだけに終わらない、フィンランド最大のデザインフェアHabitare

毎年Helsinki駅から程遠くない、Pasila駅すぐ側のフェア&エキシビジョンセンター、Messukeskus(messu=英:fair=フェア, keskus=英:center=センター)で行われている、フィンランド最大のデザインフェア「Habitare」。その様子をKotaku JAPANで2回に渡り書かせていただいたので、そのご紹介と共に、記事に入りきらなかった写真や文章もお届けします。

まずはKotaku JAPANの記事をどうぞ:

フィンランド最大のデザインフェア「ハビタレ」に行ってきました! その1:Artek(アルテック)やMarimekko(マリメッコ)の展示、学生の空間デザイン作品や、日本からの展示について

フィンランド最大のデザインフェア「ハビタレ」に行ってきました! その2:エコデザインアワードと、デザイン直販店舗の紹介





Messukeskusの入り口。9月18日から22日まで行われたHabitareですが、このオープン初日は、デザイナーやインテリア関連の人など「プロフェッショナル」限定で入場可能とのことで、雨がパラつくこともあってか入場者は少なめでした。





会場はとっても広く、歩き疲れました。





ライティング関連の展示は数多く。





会場にたくさんあった椅子の展示、家族でロッキングチェアに座る姿とか、可愛かったです。





アールト大学の芸術デザイン建築学部の学生の作品





マリメッコの展示





武蔵野美術大学の展示





山口県立大学の展示





鳥取県内の匠たちとフィンランドのデザイナーたちのコラボレーション作品群「Moriコレクション」





日本の工業デザイナー喜多俊之さんの講演





音響機器メーカーや小売店も展示をしていました。スピーカーブランドとして有名で、最近はヘッドフォンにも力を入れてきているイギリスのメーカー、Bowers & Wilkinsをはじめ、デンマークのBang & Olufsen、スイスのGeneva、ドイツのLoewe、フィンランドのAmphion、そして日本が誇るヤマハからも出展がみられました。





Bowers & Wilkinsは、「see nothing, hear everything」(何も見ず、全てを聴け)というタグラインで、床と天井が逆さになった個性的な展示スペースを設けていたりも。






イギリスの音響メーカーMeridianのサウンドシステムを搭載しているJaguarのF-TYPE。





一般公開日にはUnilukkari(ウニルッカリ)という、にこやかな髭のおじさんがいたりも。この人は寝具会社のマスコットかなにかで、飛び跳ねながら枕の抽選会を行っていました。Unilukkariは元々、日曜日の礼拝中に、寝ている礼拝者を起こす役目の人らしいですけど、果たしてキャラクター的に寝具会社の宣伝になってるのでしょうか。





こちらの展示では、家具会社Muurameの子供用のベッドが展示されていました。親が展示係の人と話す間、子供たちが展示に使われている積み木を使って遊ぶ姿も見られました。





会場内に上からリボンがたらされている「Ahead!デザインエリア」では、講演会やワークショップが行われていました。





「Ahead!」の裏には「クリエイティブ・スペース」というエリアが。この日は高齢化を大きなテーマにし、専門家を招いての「アクセシビリティ」、「高齢者の夢の住環境」などのワークショップが開かれていました。





こちらの黒いコーナーでも講演が行われていました。椅子に空きがなくて、立ち見ならぬ床座見な人も。





また、「トラッシュデザイン」と題して、廃棄された素材や、普段不要部分とされ、使われることのない素材を用いたデザインの数々も展示されていました。





Kotaku JAPANのHabitare記事その1でもご紹介した、UPMブースのチャリティーイベントのハンガー






UPMの別のブースに展示されていたこちらは、革新的な木製品に送られる「Slow Wood Award」を昨年受賞したスツール、「Pumpa」。パシ・カルッカイネンさんとマリウス・テミングさんによるデザインのこの作品もUPM Gradaで作られています。





デザイン直販コーナー





Polkka Jam(ポルッカ・ジャム)というブランドからはお土産にかわいいポストカードを購入。会場ではこの他にもカレンダーやピローケースなども販売されていました。





浴槽やジャグジーの展示もありましたが、フィンランドといえばやっぱりサウナ。ということで、「サウナそのもの」を含むサウナ関連の展示も。





一般入場日には子供向けのワークショップも行われていました。たくさんの子供たちが、靴箱を利用して自分好みの可愛らしいミニチュア部屋を作り上げていました。



Habitareの感想をポストイットで壁に貼り付けるコーナーでは、音楽ブログの記事『ラッパーとペンキと元気まみれ、「フィンランドのジャスティン・ビーバー」ことRobinの新曲「Boom Kah」』で取り上げた、「フィンランドのジャスティン・ビーバー」ことRobinの新曲、「Boom Kah」の歌詞が書かれていたりも。「Boom Kah, Boom Boom Kah」と、歌のサビの部分が書かれています。最後の土日はデザインの学生や親子連れ、ティーンエイジャーたちも多く見られたので、きっと若い子たちでしょうね。他にもKotaku JAPANのHabitare記事パート2で書いたように、カナダのミュージシャンDeadmau5の被り物の落書きもありました。



入場料金が大人16ユーロ(約2100円)、15歳以下や学生、年金受給者は10ユーロ(約1300円)必要なフェアの中に入ってまでわざわざ書くとはよっぽどこの曲にハマってる最中なんでしょうね。





水で負荷をかけるスポーツ器具かなにかを試す子供。





写真には写っていませんが、このCanada Goose社のMONTEBELLO PARKAというジャケットの白色は、昨冬女性の間でかなり流行ってました。





その他もろもろ