去る9月26日、在フィンランド日本大使館とMalmitalo、Turku私立図書館によるイベント*「Japanilaista teetaidetta ja kimonoja」(日本語タイトルは「桜と平成の源氏物語絵巻展:書と茶」)を訪れてきました。
このイベントは、ヘルシンキ市のマルミ(Malmi)にある文化センター「Malmitalo」で行われただれでも自由に参加できる無料のイベント。このMalmitaloでは、今年に入ってから数回「Popcult Day」というポップカルチャーイベントが開かれたりもしており、当ブログでもご紹介したことがあります。このほかにもMalmitaloでは昨年、10代前半の若者を対象にした日本文化紹介コースも開かれており、日本関連のイベントとも無縁ではありません。
さて、せっかくなので着物を着てイベント会場についてみると…あれ、閑散としている?
そんなことはありませんでした。中の劇場では、日本伝統文化研究所の堀江恭子先生(紫の着物の方)による十二単のショーと、お茶体験が行われていて、来場者がみんなそちらに行っていたよう。劇場はほぼ満席でしたよ。
茶道のほうはちゃんと見なかったものの、フィンランド人ぽい着物を着た男性と、日本人のお茶の先生がお茶を点てていたよう。
(ちなみにスオメンリンナ島/Suomenlinnaには裏千家の茶室が建っています。フィンランドと裏千家の歴史はけっこう長いんだそうですよ。)
お茶体験には長蛇の列が。
来場者は老若男女幅広い層の人が来ており、中には猫耳に猫っぽい手足(?)、尻尾も付けた女の子、ゴスロリの服装の子、そして、本格的な着物を着たフィンランド人の姿も。私に話しかけてきた中年男性の方は「昔はシマノと、今では三菱と働いてる」なんていう方も。
劇場で十二単のショーが終わると、Malmitaloの通路部分では書道で好きな文字を書いてもらうことのできるコーナーや、つまみ細工の販売が始まりました。
書道では「愛」、「平和」などの文字のほか、「私をイメージして何か書いて」、とかいう要望があったりもしていましたが、柔軟に対応されていました。さすが。
Malmitaloの中には図書館もあり、図書館の内部では折り紙のワークショップが行われていました。参加者は小さな子供から高齢の方まで、日本人の図書館職員の方の指導のもと、折り紙本を読みながら様々な折り紙を作っていました。
図書館では日本関連の本の特集もなされていました。着物から食べ物、歴史まで、幅広いジャンルの本が並べられ、日本文化を紹介していました。
もちろん漫画も。なぜか団扇や皿も図書館内に展示されていました。
Malmitaloの廊下部分には外務省が出している日本紹介マガジン「にぽにか」が。「にぽにか」にはウェブ版もあります。
2階部分は書や源氏物語の絵巻物が展示されていました。
在フィンランド日本大使ご夫妻も来場されていたこのイベント。来場者は、皆興味深そうにそれぞれの催しものを楽しんでいました。この次の日には同イベントはフィンランドの古都、Turkuで行われるそうです。
先日大いに批判したジャパンウィークとは違い、ここで通訳として活躍されていたヘルシンキ大学の日本語専攻の学生さんによればちゃんと正当な対価が支払われているとのこと。よかったよかった。
*なお、イベントのプロデュースは元シリア大使の国枝 昌樹さんが会長、今回来フィンされていた堀江恭子さんが副会長を務める「 The Executive Committee of Traditional Arts of Japan, Towards the 21st Century」(たぶん日本名は「日本の伝統芸術21世紀展実行委員会」もしくは「日本の伝統芸術21世紀展望展実行委員会」。いろいろな国で同様のイベントをやっていることくらいしかネットには載ってないけど)。
(abcxyz)