2016年12月2日金曜日

詐欺まがいのヘルシンキ・グッゲンハイム計画は否決。もう世界のどこにもグッゲンハイムは建ちません(最初からそうしろよ)。



こちらの画像はヘルシンキ議会での投票数日前から街中に出没したグッゲンハイムの看板。「なんと美しい。美術館でダメにするなんて」と、現在は駐車場となっている建設予定地を皮肉った広告です。バス停などに出ているこの広告、かなりお金がかかるのにここにこんな広告を出すとは、よっぽど利益が見込めると見ていたのでしょうか。これから投票するという時にこんな広告を出すとはヘルシンキ市民も「まさかここまでやるか…」と感じていたよう。

そんな中、昨晩11月30日夜、ヘルシンキ議会の会議で三度目のヘルシンキ・グッゲンハイム案に対する賛否投票が行われました。

結果は53対32票で否決。めでたく今回のグッゲンハイム案も没となりました。

しかしこの投票前に行われた討論のなかにも面白い意見があったので一部抜粋します。



・真のフィンランド人党の議員の一人、建設予定地の港を指し「港は港だ」

グッゲンハイムに反対、と同時に数年前から港(マーケット広場横)に建っているフィンエアーの観覧車「Finnair Sky Wheel」にも反対している。

・キリスト教民主党の議員一人「これは市民が必要としていないもの」

・左翼同盟Paavo Arhinmäki「人類は長年永久機関を作ろうとしてきたが、何度否決しても新たな案と共に戻ってくるこれはそれかもしれない」

・グッゲンハイム建設賛成派の国民連合党Lasse Männistö「こういう討論の仕方は嫌だ」(そういう議論じゃないだろ…)、すでに提出されている案に賛成か反対かを決める場なのに「こう変更すれば賛成してはいいのでは」と改案を出そうとする

それじゃあ今からやる投票の意味が無いだろこれ、なにを言っているんだ…途中で勝手にグッゲンハイムが承認しない形に計画を変更してこの案を押し通すというのも変なので、もしかしたらグッゲンハイム側からMännistöが何らかの特別な話を持ちかけられているのかも?

・フィンランド社会民主党Pentti Arajärvi(前大統領タルヤ・ハロネンのご主人)勝手にいきなりこの場で物事を変えようとするMännistöに対し「行政のやり方に違反している」

・国民連合党Terhi Koulumies「我々の党のWille Rydman*と同じく反対」

(*ちなみにRydmanは人種差別主義者的発言で知られる)

・フィンランド中央党Laaninen Timo「そもそも賛成してたのにLasseが今言ったことでわからなくなった」

そもそも賛成派だった人だが、賛成派のMännistöの先の発言で心変わりか。

・緑の党議員の一人「最悪の最悪の最悪の場合*、何が起こるというのでしょうか?」「最初の年は数万人、次の年は1万人しか来なくても、私たちには素敵な建築が残る」

*この部分だけ英語で「Worst worst worst case scenario」
とても熱意のこもった演説。じゃあグッゲンハイムにお金出さずに素敵な建築立てればいいんじゃ…

・左翼同盟Vuorjoki Anna「中身を決める財団委員会はヘルシンキ市から一人の代表、グッゲンハイムからは3人の代表、自分の市の美術館に影響できなくなる。市民をもっと参加させるという方針の真逆だ」

・社会民主党Anttila Maija「ヘルシンキにひとつ国際的な美術館があってもいいと思う」

・社会民主党Sevander Tomi「グッゲンハイムは美術館建設費を払うお金があると言っているが、実際には資本がなく、多くの会社や財団から借金を建てることになっている」

・左翼同盟Vuorjoki Anna(唯一成功しているグッゲンハイム)である「ビルバオのものでさえ現地アーティストにほぼ利益がなかった。ようやく近年になって現地アーティストの作品を買いだした」

・共産党Hakanen Yrjö数々の閉鎖や計画失敗しているグッゲンハイムの例を挙げるも「もし自分で支払うならヘルシンキ市が安く敷地提供する、というならいい」

・真のフィンランド人党Hyttinen Nuutti「海外に行ったら現地料理を食べるか、それともマクドナルドに行くか。フィンランドに海外から来たら現地の美術館に行きたいか、アメリカのフランチャイズ美術館に行きたいか、考えてください。」



そしてこちらが誰がどちらに投じたのかを示す画像です。




image by © Helsingin kaupunki

「JAA」が建設賛成派、「EI」が反対派議員です。ご覧の通り、賛成派の多くは(KOK)国民連合党と(VIHR)緑の同盟の議員となっています(各政党の日本語/フィンランド語表記はこちらで)。多くの反対派議員は、そもそもグッゲンハイムが詳細を明らかにしないままに計画を進めていたことに疑問を呈していました。



Helsingin Sanomatによれば、グッゲンハイム財団のRichard Armstrongはヘルシンキ・グッゲンハイム案が否決されたことに関連してこんなコメントをしています。

反アメリカ的、反帝国主義なレトリックがあったとは存じています。私は反ユダヤ主義についてはほとんど無かったと聞いています。

まるでもっと反ユダヤ主義的なコメントがあってほしかったかのようにも聞こえます。グッゲンハイム建設反対に関しての論点は主に資金、海外のフランチャイズであること、そして現地のアーティストへの影響であり、「ユダヤ人」の「ユ」の字も出てきていません。少なくとも昨日のヘルシンキ議会討論を三分の一見ていた間にはそのような発言は一切出てきていませんし、フィンランドでそのような発言を聞くこともありません。

これはまるで「人種差別カード」*をちらつかせているかのよう。フィンランドは継続戦争当時、ロシア軍から国土を守るためにドイツ軍から武器を供給され、そのかわりにドイツ軍がラップランドまで戦いに来ていました。もしかしたらこれをして「フィンランド―ナチス・ドイツ=反ユダヤ主義」の構図を作ろうとしているのでしょうか。
*(実際の人種差別に対してかどうかは関係なく、「それ、人種差別だ」として自らを人種差別の被害者として相手を人種差別主義者だと非難し、事を自分に有利に動かするために使う切り札)

Richard Armstrongはこれまでにもインタビューの途中で「気に入らない」と部屋を出ようとし(て秘書に連れ戻され)たりと、その奇行でも知られる人物。

なお、Paavo Arhinmäkiの予想が外れて残念ではありますが、Armstrongによれば、もうヘルシンキにグッゲンハイムを建てる計画は出さないほか、もうほかの国にもグッゲンハイム美術館を建てる計画も無いようです。

新しい美術館がどんどん建っていますし、それらから要請があれば作品や展示を貸し出します。例として、中国には新たに大きな美術館地区ができますが、我々は美術館を建てるのではなく、その地域の活動者と協力します。今では多くのフィンランドの美術館と素晴らしい関係を築けていますから、より将来の協力関係もやりやすいでしょう。

などと話しています(多分来年完成予定のアブダビ・グッゲンハイムは除いての話でしょうが)。だったらそもそも適当に他国の血税で採算の取れない美術館建を建てさせるんじゃなくて最初からそうしろよ…とはいえ、この発言を鵜呑みにしているひとは少ないようで、グッゲンハイムはこれからも他国に美術館を建てようとするのではないかとの意見も聞こえます。

ヘルシンキのアーティストからは、「数年前からアート関連の補助金が少なくなっており、これまで出ていた補助金も出なくなった」という声や「文化振興したいならグッゲンハイムに回す額をヘルシンキのアートに回せばいいのに」という声もきかれていました。これまでグッゲンハイム賛成派だった議員は今後どういう政策方針で行くのかも見ものです。


top image by myself

[via Helsinki Kanava]

(abcxyz)



2016年12月1日木曜日

連載・さらば報道の自由度 国営メディアの口を黙らせた?スキャンダルまみれの首相

フィンランド最大の鉱害問題となっているTalvivaara鉱山(実際には山ではなく、露天掘り)。フィンランド最大のニッケル鉱山なのですが、2012年にその採掘に用いた有毒な水を溜めていたプールからニッケル、ウラニウムなど毒性の金属が含まれた水が川に流れてしまいます。2013年にもまた毒水が漏れ出たりして、結果として川のみでなく、地下水にまで浸透。非常に莫大な影響を環境に与えました。

これはTalvivaaran Kaivososakeyhtiöという会社の持っていた鉱山であったのですが、フィンランドはこの問題に対処するため国として資金を投じます。被害の規模は違いますが、日本で例えるならば、福島の原発の後始末に国がお金を出しているのと同じ形です。しかし結局Talvivaaran Kaivososakeyhtiö社は2014年に倒産。

2015年には国営企業TerrafameがTalvivaara社から鉱山を買い取り、採掘を続行。その後この鉱山は何度も野党から「閉鎖しろ」との声が上がりますが、潰れたTalvivaaran Kaivososakeyhtiöを
Suomen Keskusta / フィンランド中央党(独裁国家に武器輸出をし始めた党)の党首で(税金逃れをしている)総理大臣のJuha Sipiläは、鉱山から採掘できる鉱物の価格が国際的に上がっているなどとし、環境問題を直し、これからも採掘を続けようと国から巨額の出資を行います。



しかし、先週金曜YLEの報道がことを大きくします。Sipiläは鉱山まで行き、視察、社長らと面会。何か怪しいと勘ぐったメディアが調べ始めたのか、間もなく、営業している鉱山がSipiläの親戚、子供や叔父、従兄弟などが持つ会社Katera Steelから50万ユーロ(約6050万円)もの大きな契約を結んでいたことが明るみに出ました。

この契約は、 Sipilä政府がTerrafameを支援するために追加で1億ユーロ(約121億円)を投じた直後に結ばれたもので、もちろんSipiläもその決定に関わっています。

そもそも、何らかの決断を行う時に、決断が自分に利害関係のある会社などに関係したものであれば、自らが怪しまれないためにも(何もうらましいことがなくとも)決定権限を辞退するなりそれを証明する書類を出したりするべきです。

Sipiläは当然ながらなぜそうしなかったかと追求されており、国会の委員会もこれから調査に乗り出します。

しかしこれをYLEが報道した後、Sipiläはこれを自分への攻撃へと感じたようで、YLEの記者に午後11時以降20通もメールを送りつけています。その最後のものには「私のYLEに対する尊敬は現在ゼロです。もちろんあなたの私に対する尊敬も同じでしょう。これで対等ですね。」などと記されていました。

そして日曜。YLEの編集長が、すでにこの件に関する編集待ちの記事が存在したにもかかわらず、この件に関する報道はもうしないと決断。有名な政治トークショーA Studioでもこの件のためにSipiläも呼ばれていて、出演するはずだったにも関わらず、それもなしになってしまいます。

しかしSuomen Kuvalehti紙がこれを追求。月曜日の朝刊でYLEの記者たちからの匿名の情報提供を受けた記事を公開。YLEの記者は「多数のメールが総理からきたから中止になったんだと思う」(上記したメールが20通送られた件やその内容もこの時点で判明)。

次の日、YLE編集長は「国営メディアの役割は平等にバランス良く、重要性を考えて出すべき、重要性の割に生地を出しすぎていた。あまり攻めればYLEひとりでスキャンダルを作り上げていることになる」などと声明を発表。



この件に関する記事本数を減らすのと、この件を全く報じなくするのとでは全然違う話です。国営放送は、自国の政府や政治家をも批判できる独立性こそが重要です。そうでなければ某国のように政府の都合のいい話ばかり報道する国営放送になってしまいます。

Sipiläは後に記者会見で「YLEに対する信頼はまあ、OK」と発言しています。

フィンランドは世界の報道自由度ランキングでもトップであることでも有名、汚職度が世界的に低いことでも知られていますが、「Hyvä veli」文化のあるフィンランドで実際にこれを信じている人はどれだけいるのか怪しいもの

知り合いのフィンランド人は「昔から汚職だらけだということは知ってた」と言う人や「汚職にも色々な種類があるが、汚職がない国というのは言い過ぎ」と言う声も。なおこの問題はイギリス国営放送BBCも取り上げています


[via YLE, Wikipedia - Talvivaara Mining Company]

(abcxyz)

2016年11月26日土曜日

「グッゲンハイムなんてクソ食らえ!」アメリカの胡散臭い系列美術館はヘルシンキに建つか?(ラップ動画付き)



「オレ、超有名なんだ。キミが建築費を出してくれたらいい美術館を建ててあげよう。あ、でも維持費も君が払ってね。オレ、有名だからきっと人がたくさん来てお金を落としてくれるよ。あ、もちろんキミにはライセンス料を払ってもらうよ。(ま、美術館が失敗しても借金を背負うのはオレじゃなくてオマエだけどな!)ハハハ!」

そんなあくどい詐欺にしか思えないのが世界に名高い美術館チェーン、グッゲンハイムです。もちろんフィンランドの首都ヘルシンキ市にもその魔の手は伸びています。



グッゲンハイム・ヘルシンキ計画、その1

まずは2011年にソロモン・R・グッゲンハイム財団がヘルシンキに作る計画を提出するも、(まだ正気だった/ロビイストによる影響を受けていなかった)ヘルシンキ市議会の投票により2012年に計画は却下されます。

バカげたことにこの美術館は、建設費用である1億30から1億40万ユーロ(156~168億円)を、ヘルシンキ市とフィンランドの国の予算負担で建てさせようというアイデアでした。

し・か・も、美術館の維持には年間1440万ユーロかかるにも関わらず、年間入館料見積もりは450万ユーロ(入場者53万人の見積もり)。そしてこの年間維持費のうち6.8mはフィンランド側に負担を求めるというものでした。なお、年間維持費用の面ではヘルシンキ市立美術館(Helsinki Art Museum、Tennispalatsiにあります。今は草間彌生の展示をやってます)は年間430万ユーロしかかかっていません。

更に、グッゲンハイムはライセンス料として年間2340万ユーロを取るというんだから、でかく出たものです。

これはヘルシンキ市議会代表の15人による投票が高いコストを理由に8対7で否決。



グッゲンハイム・ヘルシンキ計画、その2

今度は2013年にグッゲンハイム側が2番めの案として、「モダン&現代アートのフォームというコンテキストでの北欧とインターナショナルな建築とデザイン」に焦点を当てたものとする、ライセンス料は個人出資者たちが払う、入場者見積もりは55万人に増加、などとした案を提出。

今度はヘルシンキ市議会の代表がこれを通し、建築予定地を確保。

ご存じの方もおられるかもしれませんが、美術館の建築に関しては国際コンペが開かれ、フランス-日本の建築事務所Moreau Kusunoki Architectesによる案が通りました。この建築コスト見積もりは1億3000万ユーロでした。

なお、フィンランド美術博物館に関する法律があり、美術館には国から毎年予算を出さないといけません。

それに関して、Perussuomalaiset / 真のフィンランド人党の党首であり外務大臣のTimo Soiniが「Guggenheimiin ei tule valtion rahaa」、「グッゲンハイムには(国から)お金は出ません」と発言。これをラップ化した動画も作られちゃっていますのでまずはどうぞ(笑)。





結局はこの2番めの案は、国としてはグッゲンハイムへのお金は出さないということになりボツになります。でももしグッゲンハイムが作られるのであれば、それには美術館支援金は出すということになったようです。2016年に10月には、Suomen Keskusta / フィンランド中央党(独裁国家に武器輸出をし始めた党)の党首で(税金逃れをしている)総理大臣のJuha Sipiläが「国はこれに参加しません」と宣言(つまり、やりたいならヘルシンキ市がやれよ、ということ)しています。



グッゲンハイム・ヘルシンキ計画、その3

そして2016年11月、諦めきれないグッゲンハイム財団の3番目の計画。建設費用1億3000ユーロに対し、ヘルシンキ市は8000万ユーロを出す、グッゲンハイムは1500万ユーロを出すという、算数ができれば誰でも「あれれ?数あってないんじゃない?」という自体に。今回は維持費1160万ユーロに対して入館料が1120万ユーロと都合のいい数字になっています。入場者数見積もりは55万人のままですが、入場券を13ユーロから15ユーロに上げたのです。ヘルシンキ近代美術館Kiasmaの入場料は12ユーロ。しかし15ユーロというのは流石に物価の高いフィンランドでも高すぎますし、芸術好きのフィンランド人に言わせても「高すぎる」とのこと。それでいて入場者見積もりは据え置きなんて、適当すぎないでしょうか。

維持費と入館料も数字がマイナスになっていますが、先の美術館博物館に関する補助金をグッゲンハイムにも適応しないといけないのであれば、国が130万ユーロ出さないと行けません。マイナスになるのも、この国からの美術館用補助金が出ることを計算した上です。

そして先のティモ・ソイニの発言に対してはKokoomus/国民連合党の文化大臣Sanni Grahn-Laasonen文部大臣(教育を「節約」しながら「フィンランドは教育に投資します」と宣言するトンデモない人物)が11月に「ティモ・ソイニと
Pers党がそれを決めるわけではありません、文化大臣が決定する事項です。」と反論しており、これもまたラップ化されています。





さて、そんな3番目の案に関してですが、ヘルシンキ議会の代表15人による8対7で賛成となりました。これは今度11月30日にヘルシンキ市の議員全員である85人による全員での選挙で賛成多数を通れば認可されます。

しかし市民からの反対意見が多いので、今までグッゲンハイム賛成派だった政治家たちも来年行われる自治体選挙(フィンランド全国の自治体で行われる市議会議員を選ぶ選挙)で落ちることが怖くて今ではグッゲンハイム計画反対に回るのではと見られています。



みんなバカげてると思ってる


調査によれば、ヘルシンキ市民の75%、ヴァンター市民の82%はグッゲンハイムの計画に反対しています。また、フィンランドのアーティストたちからは、地元のアーティストには目が向かず、海外のアーティストの作品ばかりが展示されるのではないか。フィンランドのアートの世界はグッゲンハイムから得るものはあるのか?という疑問も出ています。

フィンランドの風刺サイトKasper Diemでは「アメリカのコーヒーチェーン、スターバックスは新たに財団を設立。スターバックスのあるヘルシンキ市からライセンス料として年間1.3mを要求。ハードロックカフェ、バーガーキング、サブウェイも同じことを検討中」という冗談を載せています。




TTKK at English Wikipedia

こちらはTTKKによる写真。Hakaniemiにあるグラフィティで、英語で(意訳すれば)「グッゲンハイムなんてクソ食らえ、私たちには壁がある」と書かれたもの。

私のフィンランドのアーティストの知り合いも「世界中で失敗しているアメリカのチェーン店美術館はヘルシンキに必要ではない」、「文化はグッゲンハイムのように外から買うものではなく、人とのふれあいで生まれるもの」などとしています。



そもそも成功していないグッゲンハイム

唯一その成功が知られているグッゲンハイムはスペインのビルバオにあります。ビルバオは元々経済的に貧しく、誰も知らないところでした。そこでは少なくともグッゲンハイムのおかげで名が知れて人も来て有名になり(地元のアーティストからは反対されているようですが)Win-Winな関係が気づけたのかも、しれません…

でもヘルシンキへの観光客数は増加しているので、「観光名所」として血税を多く費やす必要のあるグッゲンハイムをわざわざ作る意味は無いでしょう。でもグッゲンハイムの最初の案や甘すぎる支出と入場料の計算からも分かる通り、そもそもグッゲンハイムは持続性を考えていないのでしょう。

第一、世界中のグッゲンハイム美術館の中には閉鎖していないものの方が少ないんです。今も建っているのは3つ。対してラスベガス(アメリカ)、ニューヨーク(には2つあったが一つ閉鎖アメリカ)、グアダラハラ(メキシコ)、ベルリン(ドイツ)にあったものはすべて閉鎖されていますし、ヴィリニュス(リトアニア)では汚職スキャンダルで中止になっており、リトアニアで失敗後にヘルシンキが狙われているわけです。来年はグッゲンハイムがアブダビ(アラブ首長国連邦)にできるようで、現在建造中。でもアブダビでも100人以上のアーティストがオープニングをボイコットしています。

良く言っても血税を使いすぎて後に負の遺産としての箱物だけが残るお祭り騒ぎのアートイベント。成功すらしていない詐欺まがいのWin-Lose(グッゲンハイムは損をしないが美術館を招く都市/国は損をする)計画でよくまあここまでたくさんの都市に立てては潰してきたなぁと思いますね。



Top image by Ari Wiseman

image by TTKK at English Wikipedia

Referrence: HS, Wikipedia, Wikipedia, Wikipedia, Kasper Diem, YouTube, YouTube

(abcxyz)

2016年11月25日金曜日

ヘルシンキ大聖堂前にできたKaunisteの新ストアオープニングイベントに行ってきた!



Kaunisteの新たなストアが、観光名所のヘルシンキ大聖堂(Helsingin tuomiokirkko)の真ん前にオープンしました。ヘルシンキ中央駅から歩いても10分足らずで行けるところです。




オープニングイベントもやっているということなので、行ってきました。外は午後5時、もう真っ暗ですがKauniste新ショップからは暖かい光が…。




そしてお店の中には本物のクリスマスツリー!シンプルな飾り付けながらもクリスマス気分が出ますね。




オープニングということで、無料でアルコール入りGlögi/グリューワインやシャンパンや、riisipuuro/ライスプディングが振る舞われていました。グリューワインはフィンランドのLignell & Piispanenによる「Loimu 2016」。アルコール度数15%とGlögiとしてはちょっと強めですが、ボトルも素敵で、以前家でパーティーをした時に友だちが持ってきてくれたのの空きボトルがまだ家にあります(笑)。




Glögiの入っているこちらのカップもKaunisteの製品。今年が申年だからお猿さんの柄になっているとのことでした。




もちろんこちらのショップでも購入可能。来年は酉年だから鳥の絵のものが出るのかな?




Glögiとともにフィンランドのクリスマスには欠かせない、牛乳粥ことriisipuuroはもちろんお砂糖とシナモンをかけて。中にはアーモンドが隠れていて、見つけたひとには来年幸運が訪れます(それに加え今回のイベントでは特別なKaunisteからのギフトももらえるとのことでした)。




キャンディのように可愛らしく包んであるのは、フィンランドではプレゼントとしてよく購入されるろうそくです。




ベリーなどが入った手作りのお茶も売ってありました。




今年の冬の新作はこちらの写真の手前の柄。







この大聖堂前のKaunisteショップには入り口左手に「Kukkahotelli / Hotel for plants」(花ホテル/植物ホテル)という小部屋が。これは植物のためのホテルで、例えば旅行時などにここに預ければお店が水やりをしてくれるというもの。なんと無料です。




Kaunisteのお店の人によると、多分この試みをしているのはフィンランド広しといえどここだけだろうとのこと。お客さんが、「パリでは夏の間だけやっているところを見た」と話していたとのことですが、こちらは冬もやっています。素敵なサービスですね。




目の前にはトラムも走っています。Kaunisteショップの入っている場所は、以前はリサイクル素材を使ったバッグや小物などを販売するGlobe Hopeが入っていたところです。上の階にはこのブログでも以前紹介したカフェ「Ciao! Caffe & Winebar」も入っているので観光の休憩がてらによるのもいいかも。




無理やりKaunisteの看板とヘルシンキ大聖堂を1枚の写真に入れてみたところ。教会の正面側にあるということがわかるでしょうか?住所はAleksanterinkatu 28, FI-00170 Helsinki, Suomi、こちらです:






Kaunisteがお好きな方は以前のイベントにお邪魔した記事「カウニステ×Stamp and Diary、フィンランドと日本のファッションブランドコラボのローンチイベントにお邪魔した」も合わせてどうぞ。


Photographs taken by VV (and myself)

(abcxyz)

2016年11月23日水曜日

連載・さらば教育立国 節約政治のために犠牲になる子どもたち

フィンランドでは「Varhaiskasvatus」(未就学児童教育)という、保育士など専門家による教育を受ける権利がすべての子供にあります。これには保育園/プレスクール(0歳から就学直前まで行く)が含まれ、フィンランドの全教育システムの一部となっています。ただ「乳幼児教育の知識のないただの親が子供に教える」のとは違う、保育士「Lastenhoitaja」(専門学校資格)、と幼稚園教師「Lastentarhanopettaja」(大学学士資格)による専門性のある教育です。

しかし、両親がフルタイムで働いていない、もしくはフルタイムの学生の場合、その子は保育園には半日間しかいられないという法律が今年から施行されました。

例えば片親が主婦/主夫である場合や仕事をしていない(失業している)場合や、私みたいなフリーランサーも含まれます。しかし、それだけではありません。家計が苦しく、片親がパートタイムをしている場合や、両方の親がパートタイムをしている場合もこれに含まれてしまうのです。

つまり、あなたがパートタイムで仕事をしている場合、あなたの子供は午前中のみの半日間しか保育園に行けず、あなたは午後のシフトを取れなくなりますし、長いシフトを取ることもできなくなります。

これを実施するかどうかは各自治体が決めれる事になっており、例えばヘルシンキ市やタンペレではこんな馬鹿なことは実施していません。しかし、ヴァンター、クオピオ、ユヴァスキュラ、オウル、ラハティなどではこれを実施しています。

みんなが決まった時間にいれば子供を管理するのは(この後に出す例と比較し)容易ですが、半日間保育園にいる子供(8時~12時)と全日保育園にいる子供(8時~大体17時)が共に存在することにより、一部の子供のためにアクティビティの時間調整をせねばならず、結局「節約」とはならずコストがかかってしまうよう。クオピオではこのために結果節約が出来ずコストが増えてしまっていますし、ユヴァスキュラでもほぼ節約になっていない状況。

なんともバカげた話です。しかしもっと酷い話もヴァンターから聞こえてきました。

フルタイムの保育園では朝食と昼食が出ます。しかしヴァンターでは半日間(8時から12時)しか居ない子供の食事を「節約」しようということで、朝食を抜きにすることに決定。でも同じ保育園内で朝食が出る子と出ない子が生じるとおかしいということで、部屋を分けて半日間しかいない子には朝食時間を教育/遊びに充てました。しかし、「みんなが食べてるのにボクは食べてはいけないの」と子供から悲しむ声が出て、親がこんなのおかしいとクレーム。保育園側は、「じゃあ半日間しかいない子の朝食は親が払えばOKにする」と決定。

しかしこれにはフィンランドの文部科学省からもクレームが。まず、保育園はすでに親から料金を徴収しているにも関わらず、一部から朝食に対して追加料金を取ることは駄目。これはすべての食事は料金に含まれているから。そしてそもそも、食事が保育園で行われている場合は、全員が参加しないといけない。とのお達しが。保育園は「食べてばかりだと教育時間がなくなる」と反論しますが、これに対し文部科学省は「保育園生にとっては食事も教育だ」と鋭い答え。

フィンランドの子供の権利を守る団体Central Union for Child Welfare(子供福祉組合)も、EUの欧州社会協議会に対し「これは子供の不平等を生み出す」と訴えかけているところ。

まあ、そもそも保育園に入れるか入れないかで問題になっている日本からすれば半日でも保育園に入れられるというだけで羨ましいことかもしれませんけど。


[via Helsingin Sanomat, Helsingin Sanomat 2]

(abcxyz)

2016年11月14日月曜日

Eurocentric Disney Depicts Japan 『ドナルドダック』コミックで描かれてる日本が適当すぎる




Briefly in English: This week's Aku Ankka (Donald Duck) comic features an episode where Karhukopla (Beagle Boys) goes to Japan. Story, written by Byron Erickson (who was Don Rosa's editor), specifically mentions this country as Japan, but "Japan" described by Andrea Ferraris doesn't seem Japan to me at all but typical "mixed Asia". For me it rather resembles South Korea I have seen in South Korean TV shows.

In the same issue's episode "Merten viekkain kauhu" (D 2016-017) Germany's Hamburg Town Hall and St. Michaelis Church are depicted with great accuracy, this is nothing more than Eurocentrism and an international company like Disney shouldn't allow this. Especially because Aku Ankka comics are widely read by Finnish children.


フィンランドで代人気の「ドナルドダック」こと『Aku Ankka』。今週号では日本が舞台になった話も収録されています。ストーリーとしては泥棒たちKarhukopla(英語だとBeagle Boys)がドナルドダックのお金持ちのおじさんRoope Ankka(スクルージ・マクダック)の金庫に侵入するのに失敗するのに飽き、イギリス、フランス、日本に行くというお話。


カメラをたくさん持った日本人観光客、日本人の名前としてHashimotoと出てきたり、「すぐに俺たちがガイジン(gaijin)だとバレてしまう」、「東京」、通貨が「円」だったりと、部分的にはちゃんと日本っぽいのですが…




「適当なアジアの国」感がプンプンします。部屋の中の様子や家並びなどは私が韓国ドラマの中で見た韓国に近いかも。

ただストーリーとは別々の人が担当しており、ストーリーはByron Erickson(アメリカ人)、絵はAndrea Ferraris(イタリア人)となっています。Ericksonは、歴史にも詳しく『Aku Ankka』のストーリーにもその知識を活用するフィンランドで超人気のライター兼アーティストDon Rosa(アメリカ人)の編集者でもあった人。そこから推測するに(邪推でしかありませんが)この号で展開する適当な日本観はアーティストFerrarisによるものではないかと。

一方同じ号の別のエピソードではドイツのハンブルグが、ハンブルグの観光名所であるタワーや教会などが緻密に描かれています。これはヨーロッパ中心主義以外の何物でもありません。

作品番号「D 2010-144」からするとこの作品が作られたのはしばらく前の2010年。フィンランドも国際的になってきて、日系、韓国系の子供だっている中で、世界のディズニーともあろうものがこのような適当な世界観を世界に広めるのは非難されるに値するでしょう。時代的にも「ステレオタイプ的な馬鹿な大人向けの」(politically incorrectな)冗談を交えて描くことだけで差別として捉えられても仕方がない時代、特に子供向けの作品でこんな有様では編集部の手抜きにも程があると思います。


image by Walt Disney Aku Ankka N:o 45 - 9.11.2016

(abcxyz)

2016年10月29日土曜日

フィンランドのハロウィンドーナッツ「Halloween-munkki」、中に詰まっているのは悪名高い激マズの…?



フィンランドの食料品店に売っていたオレンジ色のハロウィーンドーナッツ「Halloween-munkki」、買ってみました。




中に入っていたのは「世界一まずいお菓子」との呼び声も高いサルミアッキのソース!




結構ちゃんとサルミアッキ味で、好きな人にはたまらないし、何が入っているのか知らないで買った嫌いな人には大変なことになりそうです。(私は元々サルミアッキが好きなこともあって結構好きでした)


(abcxyz)

2016年10月25日火曜日

連載・さらば平和国家 独裁国家に武器輸出するようになった血生臭い国フィンランド 訂正あり



紛争が起きていたり、独裁者/政府が国民を殺したりするような国に武器を売るのは、EUでも国連でもこれを禁止する条約があり、フィンランドもこれにサインしています。

フィンランドでは武器を作る工場が武器を売るときには、政府がその契約を確認し、サインしないといけません。そして、フィンランド政府はこれまでこの条約に従っていました。(ここらへん訂正)しかし、国民連合党Kansallinen Kokoomusの前首相Alexander Stubbが首相時代にこれを売ることにサインしていたのです。これは今の首相でフィンランド中央党Suomen KeskustaのJuha Sipiläの現政権でも続いています。これまでもKokoomusの政治は「金で魂を売る政治」だと揶揄されてきましたが、あながち的外れでもなかったようです。




(武器を売った先の国と売った武器の金額。数百万から数千万ユーロ。ほかに地図中には人権監視NGO「Human Rights Watch」の国の評価と、フィンランドが売った武器が使われている紛争などがしるされている。)

日本では「フィンランド・デザイン」、教育立国、福祉社会、で通っているフィンランドですが、トップ画像のように「メイド・オブ・フィンランド」の武器が人殺しに使われているわけです。もちろんフィンランド国防軍のためだけに武器開発をするのは大変で、他国に売る算段でもなければ新たな武器を開発するのは予算的にも難しいでしょう。

他にも(EUではないが)アメリカや、EUに(今のところまだ)加盟しているイギリスも同様に契約を無視して、武器取引が違法とされている国々に販売しているそうです。しかし、他国が違法行為をしていても、真似してやっていいというわけではありません。そうであればロシアのように平気な顔をして他国に攻め入る国が後を絶たなくなるでしょう。


Top image by Helsingin Sanomat 23.10.2016, Lasse Rantanen
image by Helsingin Sanomat 23.10.2016, Koonnut: Tommi Nieminen / HS, grafiikka: Miika Holopainen

[Helsingin Sanomat 23.10.2016]

(abcxyz)

2016年9月30日金曜日

フィンランドの若者向け小説「ルミッキ」三部作がハリウッドで映画化。その前にハリウッド映画化されたのは1954年の…?

サラ・シムッカ(Salla Simukka、だから日本語で書くと「サッラ」だと思うけど…)の若者向け北欧ミステリー、「ルミッキ」(Lumikki)三部作がハリウッドで映画化されるそうです。





因みに英語版は「Snow White」トリロジー。世界48か国で翻訳出版されているという人気のシリーズなので、映画化しても世界中で売れるとの判断でしょうか。話題を先取りしたい方は今のうちに読んでおくといいかも。

なお、これ以前にフィンランドの小説がハリウッドで映画化されたのはミカ・ワルタリ(Mika Waltarin、だから日本語で書くとヴァルタリンだと思うけど…)による「エジプト人」(Sinuhe egyptiläinen)。1954年にハリウッドで映画化され、日本でも翌年の55年に公開されています。監督はハンフリー・ボガート主演「カサブランカ」でアカデミー監督賞を受賞しているマイケル・カーティスです。








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2016年9月24日土曜日

フィンランドでラスクを食べたくなったら?



別にラスクは日本特有の食べ物ではないですが、時々食べたくなるのが、カリッとした食感のパンの耳を揚げた甘いお菓子、ラスク。

それが食べたくなったらSokerikorppuを買いましょう。日本ではパンの耳とかパンの端っことかでできたものが多いですが、こちらは普通にパンのスライスに砂糖をつけて焼いたものです。

因みに写真はLeivon社のHerkkukorppu、砂糖だけでなくシナモンも入っているのでちょっとクリスマスっぽい味です。


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2016年9月19日月曜日

フィンランド最大のデザインの見本市Habitare。今年はちょっと活気がないかも?


今年も行ってきました、フィンランド最大のデザインの見本市、Habitare。でもなんだか今年は少し活気が少なかったような。私が訪れたのは一般も入場できる日でしたが、過去数年と比べ、出展者も来場者も日本人が少ないように見受けられました。






しかしそんな中でも目を惹いたのは、今年のHabitareで「MIELENKIINTOISIN TUOTE \ THE MOST INTERESTING STANDS」に選ばれた、
Harni-Takahashi Ltd.のYuka Takahashiさんによる「ADB&B multifunctional furniture」。選者はNew York Timesでデザインコラムを持つAlice Rawsthornさんです。アームチェアにもベッド/ベンチにもディヴァン(背もたれのない長椅子)にもなる可変式の家具です。




毎年おなじみ寝具の展示。




皆で輪になって座れるハンギングチェア。タイミングずらさないとひざぶつけちゃうんじゃないこれ…




あのロボットは、仏Aldebaran Robotics社のNAOかな?展示内容を確認すると「Maxwell CareのZoraロボット」とされているので、NAOをベースにしたロボットなのかも。




こちらはアート展示のコーナー。先日どこかの日本のサイトでも話題になっていたような気がする、ヘルシンキの電気屋さんVerkkokauppaの脇に立って(以前はマーケットスクエア付近にあった)立ち小便をしている巨大な子供の彫刻「Bad Bad Boy」で知られるアーティスト、Tommi Toijaの作品も。




こちらは、Katja Tukiainenの新作。彼女は2014年に東京のSpiral Art Spaceで「Boutique! —ファッションって何?アートと考える、その姿。」が行われた際に、元MarimekkoデザイナーのSamu-Jussi Koskiと共に「Girl Evacuees」という展示もしていました。





「Muotojen mestari Hiort af Ornäs」(造形の天才Hiort af Ornäs)としてフィンランドの家具デザイナーHiort af Ornäsが50年代に制作した椅子の展示を行っていました。





アンティークコーナーにはNaisten Automobiiliklubi(女性の車クラブ)とVehoniemen Automuseo(Vehoniemi車博物館、タンペレの方にある)によるレトロカーの展示も。展示付近にはNaisten Automobiiliklubiの方とみられる女性たちが立っていましたが、彼女たちのドレスがまた50,60年代っぽくて素敵でした。





アンティークコーナーは相変わらずの充実具合。

でもそれとは対照に(写真は撮っていませんが)手作りのデザイン品や小物品などを販売するコーナーは寂しかったです。期待していたPolkka Jamも見当たらず、目に付くのは海外(フィンランド外)の通信販売みたいな商品ばかり。もしかしたらデザイン関係者ではない一般来場者向けにフィンランド国内では目にすることの少ないデザイン品を展示するところに注力しているのかもしれませんが、毎年かなりの場所を取って同じ製品しか出していない(イタリアかどっかの野菜すりおろし皿を売ってるとことか)ところばかり目について残念。フィンランドのレトロなハガキやポスターを販売しているところもありましたが、Cafe Jugendに行けば買えるものばかりだし。フィンランドのデザイン見本市内に存在しながらも、デザインとしてもわざわざここに出す意味が見当たらないものばかりあっては意味がないし、お土産屋さん的なものを売りたいならデザイン博物館で売ってればいいのに、と思わざるを得ませんでした。





ことしのHabitare例年に比べはちょっと元気がない感じを受けましたが、今年は若手デザイナーの出展コーナーが広めにとられていて注目が当たっているように思いました。




なお、Helsinki Design Weekとしてはこんな感じで、Stockmanの目の前にある観光名所「Kolmen sepän patsas」三人の鍛冶屋の像をバブル(中に入ることもできる)で覆ってしまう催しも。このせいで日本から観光に来た友達がこの像を見つけられませんでした。2014年にはマーケットスクエアにあるHavis Amandaの像のためのホテルとか言って日本人アーティストが閉じ込めて周りから見えなくしてたし。ヘルシンキ市は観光名所を隠すのが好きなようで、ヘルシンキに住んでる人には普段と違って面白いかもしれないけど、それを見に来ている観光客だって少なくないだろうに、解せないね。


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