今年も行ってきました、フィンランド最大のデザインの見本市、Habitare。でもなんだか今年は少し活気が少なかったような。私が訪れたのは一般も入場できる日でしたが、過去数年と比べ、出展者も来場者も日本人が少ないように見受けられました。
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しかしそんな中でも目を惹いたのは、今年のHabitareで「MIELENKIINTOISIN TUOTE \ THE MOST INTERESTING STANDS」に選ばれた、
Harni-Takahashi Ltd.のYuka Takahashiさんによる「ADB&B multifunctional furniture」。選者はNew York Timesでデザインコラムを持つAlice Rawsthornさんです。アームチェアにもベッド/ベンチにもディヴァン(背もたれのない長椅子)にもなる可変式の家具です。
毎年おなじみ寝具の展示。
皆で輪になって座れるハンギングチェア。タイミングずらさないとひざぶつけちゃうんじゃないこれ…
あのロボットは、仏Aldebaran Robotics社のNAOかな?展示内容を確認すると「Maxwell CareのZoraロボット」とされているので、NAOをベースにしたロボットなのかも。
こちらはアート展示のコーナー。先日どこかの日本のサイトでも話題になっていたような気がする、ヘルシンキの電気屋さんVerkkokauppaの脇に立って(以前はマーケットスクエア付近にあった)立ち小便をしている巨大な子供の彫刻「Bad Bad Boy」で知られるアーティスト、Tommi Toijaの作品も。
こちらは、Katja Tukiainenの新作。彼女は2014年に東京のSpiral Art Spaceで「Boutique! —ファッションって何?アートと考える、その姿。」が行われた際に、元MarimekkoデザイナーのSamu-Jussi Koskiと共に「Girl Evacuees」という展示もしていました。
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「Muotojen mestari Hiort af Ornäs」(造形の天才Hiort af Ornäs)としてフィンランドの家具デザイナーHiort af Ornäsが50年代に制作した椅子の展示を行っていました。
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アンティークコーナーにはNaisten Automobiiliklubi(女性の車クラブ)とVehoniemen Automuseo(Vehoniemi車博物館、タンペレの方にある)によるレトロカーの展示も。展示付近にはNaisten Automobiiliklubiの方とみられる女性たちが立っていましたが、彼女たちのドレスがまた50,60年代っぽくて素敵でした。
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アンティークコーナーは相変わらずの充実具合。
でもそれとは対照に(写真は撮っていませんが)手作りのデザイン品や小物品などを販売するコーナーは寂しかったです。期待していたPolkka Jamも見当たらず、目に付くのは海外(フィンランド外)の通信販売みたいな商品ばかり。もしかしたらデザイン関係者ではない一般来場者向けにフィンランド国内では目にすることの少ないデザイン品を展示するところに注力しているのかもしれませんが、毎年かなりの場所を取って同じ製品しか出していない(イタリアかどっかの野菜すりおろし皿を売ってるとことか)ところばかり目について残念。フィンランドのレトロなハガキやポスターを販売しているところもありましたが、Cafe Jugendに行けば買えるものばかりだし。フィンランドのデザイン見本市内に存在しながらも、デザインとしてもわざわざここに出す意味が見当たらないものばかりあっては意味がないし、お土産屋さん的なものを売りたいならデザイン博物館で売ってればいいのに、と思わざるを得ませんでした。
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ことしのHabitare例年に比べはちょっと元気がない感じを受けましたが、今年は若手デザイナーの出展コーナーが広めにとられていて注目が当たっているように思いました。
なお、Helsinki Design Weekとしてはこんな感じで、Stockmanの目の前にある観光名所「Kolmen sepän patsas」三人の鍛冶屋の像をバブル(中に入ることもできる)で覆ってしまう催しも。このせいで日本から観光に来た友達がこの像を見つけられませんでした。2014年にはマーケットスクエアにあるHavis Amandaの像のためのホテルとか言って日本人アーティストが閉じ込めて周りから見えなくしてたし。ヘルシンキ市は観光名所を隠すのが好きなようで、ヘルシンキに住んでる人には普段と違って面白いかもしれないけど、それを見に来ている観光客だって少なくないだろうに、解せないね。
(abcxyz)
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