2016年3月13日日曜日

連載・さらば福祉国家 首都大規模デモ:与党党首らに「私たちは絶対屈しない!」

昨日、政府の「節約政治」に反対するデモが行われたと書きましたが、デモ参加者によれば、その時のシュプレヒコールはこちらでした。

「Soini, Stubb, Sipilä, emme alistu ikinä!」

「Soini、Stubb、Sipilä、私たちは絶対に屈しない!」この3つの名前はフィンランドの与党三党の党首たちの名前、(Timo) Soini, (Alexander) Stubb, (Juha) Sipiläのことです。

「Perussuomalaiset / 真のフィンランド人党」党首 Timo Soini 外務大臣
「Kansallinen kokoomus / 国民連合党」党首 Alexander Stubb 財務大臣
「Suomen Keskusta / フィンランド中央党」党首 Juha Sipilä 総理大臣

このデモには1万人が集まったそう(と伝え聞くものの、一応Yleは「警察の見積もりでは8000人程度」としています。ただ、警察の見積もりはフィンランドではどのデモに対しても少なく見積もる傾向があるそう)。フィンランドの人口は約550万人なので、これは非常に大きなデモです。例えば昨年のTTIP反対デモは1000人集まっています(AFP曰く。Yleの報道では800人)。

フィンランド人ですら今の政府には希望が持てない今、果たして次期全国選挙の2019年までに国はいい方向に変わっていけるでしょうか?

政府としては、現在悪い立場にいる人たちがお互いに怒りの矛先を向けあうようになればいいとみているのでしょう。これのいい例は何かというと、世界の多くの国で状況が悪くなると政治が右翼的になる傾向がみられることです。本当の問題点を覆い隠し、例えば国内にいる移民や帰化した人、外国に憎しみを注ぐような党(例えば真のフィンランド人党とか)に人気が出るのです。

または、例えば高齢者と学生が互いに、「高齢者は年金もらいすぎだ!」、「若者は学生支援金もらいすぎだ!」などといがみ合う状況になれば、立場の悪い低所得者の負担が高くなっているにもかかわらず、高所得者の負担は低くとどまっている状況が隠されるというわけです。日本でも、中国や韓国など近隣諸国に国民の視点を向けさせようとする日本の現政府や、それに加えて国民にとっては直接関係のない芸能問題などを政治よりも大きく取り上げるメディアなども同じ事でしょう。

今回のデモでは、そんな状況にある学生、若者、失業者、高齢者、障がい者、皆が一丸となって政府に立ち上がったデモということで、私の周りではこのデモを高く評価する声が聞かれます。

なお、今回聞かれたシュプレヒコールは実は昨年にも叫ばれていたものです。昨年11月、すでに大学から節約することが決まっていた状態で、ヘルシンキ大学が式典のスピーチに財務大臣であるStubbを招待しました。教育から節約するという公約違反に、大学教授も含め1000人以上首になるかもしれない、そんな中でこの「節約」に責任のある財務大臣Stubbがヘルシンキ大学にスピーチのために招待されることが、大学の学生と職員たちの怒りを買いました。学生たちは大聖堂側のロビーでデモをしており、その時に使われたシュプレヒコールもこれと同じ「Stubb, Soini, Sipilä, emme alistu ikinä!」でした。


(abcxyz)

2016年3月12日土曜日

連載・さらば福祉国家 今週はヘルシンキで三つも大規模なデモが

今週は3つもデモが行われました。デモはフィンランド語で「mielenosoitus」です。

まずは学生支援関連のもの。現政権の予定では、学生支援金が下がり、受給期間が短くなり、学生ローンの条件が悪くなり、これに反対するデモでした。

二つ目は、昨日、数百代のトラクター、数千人の農家が全国からSenaatintori(ヘルシンキ大聖堂の前のとこ)に集まってデモをしているのです。これはロシアへの経済制裁と、農作物の値下がり、昨年よりも農場の収入は平均40%下がるとみらており、そのうえ、今年の農業支援金がまだ出ていないことが決め手となって行われたデモだそうです。なおこのヘルシンキでのデモに合わせ、全国でこれを支援するデモも行われたよう。

前回の国会選挙で議員数を14増やし、総理大臣を選出したフィンランド中央党。フィンランド中央党は1964年まで「maalaisliitto / 田舎連合」という名前で、田舎が空っぽにならないための対策や、学校が田舎にもあるようにしたり、田舎を生かそうとする保守的な党です。農業者はKeskustaに票を入れるというイメージがありますが、現政府には農業者にも不満があるよう。

「俺たちがいないとお前らも食うもんがないだろ!」というデモなわけです。これに対しSipilä首相は「メッセージは受け取りました」と語ったそう。

そして三つ目、今日行われたデモは今の政府の「節約政治」に反対するデモでした。学生、失業者、高齢者、障がい者など、もうすでに悪い状況にある人に対する節約政治をやめてほしい。「節約」自体に反対しているのではなく、多くの人はどこで節約しているかに納得できていないのです。


[via Yle, via Yle]

(abcxyz)

2016年3月11日金曜日

連載・さらば福祉国家 フィンランド首相:税金逃れを指摘されると「非常に悲しい」

国会の質疑応答でLi Andersson(Vasemmistoliitto / 左翼同盟)からの質問に対するフィンランドの首相Juha Sipilä(Suomen Keskusta / フィンランド中央党)の回答が話題となっています。


Andersson:

政府が学生や労働者の収入をたくさん切っているのに、同時に最もお金持ちの人は収入からほとんど税金を払っていないことを知りました。これは合法的な税金逃れです。あなたはこの収入の高い配当を受ける人たちをこの今行われているフィンランドの「節約政治」に参加させるつもりはありますか?そっちのほうが収入の低い学生の収入をさらに節約することより、もっと正しい選択肢ではありませんか?


この「節約政治」というのは、「国債を減らさないとヤバいんじゃね?」みたいな考えから、公約を平気で無視して、教育を始め、医療、生活保護など、様々な分野の予算を削り、大学教授たちも次々と辞めさせられている今の政権のやっていることです。


Andersson:

総理大臣自身はいわゆる"Vakuutuskuori"(税金逃れのシステムの一つ)を使って自分の財産を預けてますね。これは自分の財産を隠せたり配当を税金なしでもらうことをすることを可能にするシステムですよね。これはつまりお金持ちのフィンランド人たちが使う税金逃れの手段であります。

あなたはこの福祉社会を支援するためにこのシステムを改善するつもりはありますか?

これに対してSipilä首相は

私自身が脱税*をやっていると言われているようで、非常に傷つきます。

と答えています。

*実際にはVeronkieltoと言っている。VeronkiertoのWikipediaページを日本版にすると「租税回避」となるが、Veronkieltoは違法であり、「脱税」の意味となる。

Anderssonは「私はその違法な脱税の話はしていません、合法なものの話をしていました。」などと言ったそうです。

合法な税金逃れをしていると指摘され、違法な「脱税」はしていないと言い返す首相。これまでフィンランドが注目されてきた教育や福祉のお金は節約するのに、結局自らを含む金持ちには媚びを売っている

質疑応答の話に戻ると、Sipiläはほかにも「会社を売るときに、ルクセンブルグを経由して売るようアドバイスされたこともあったが、フィンランドに税金を払いたいために、そうはしなかった。僕はここ(フィンランド)で勉強して、ここは治安がいい国で、自分の税金の払い方で人々のモデルとなりたい。」なんて言ったそう。

「フィンランド人に生まれることは、それだけで宝くじに当たるようなもの」と言われてきたフィンランド。私の周りのフィンランド人たちも「これまでは不満があってもフィンランドに希望が持てたが、さすがに今の政府には希望もないかも」、「フィンランドの売りだった教育や福祉に回す予算を減らして、システムを壊して、今から昔の予算に戻したって、元に戻るには数十年かかるだろう。現政権の4年間でどれだけフィンランドが破壊されるのか」などと語っています。


翻訳: Petra@妙見星の下で

Yle, Iltalehti, [YLE]

(abcxyz)

unten suru 運転する?

unten suru (うんてん すル) ― 「運転する」?ではなく「夢々の悲しみ」という意味です。

「unten」は「uni」の複数形。

「suru」の意味は「懸念する」の投稿で説明していますのでそちらをどうぞ。

Japanese:うんてん する unten suru
・ (I do) drive
運転 drive
する do

Finnish:
・unten - plural of dream
・suru - sorrow

2016年3月8日火曜日

フィンランドのクレカCM、あのキャッチーな曲は誰の歌?

しばらく前にフィンランドではYouTubeでクレジットカード会社のCMがヘビーローテーションされていました。CM自体は「ショーウインドーの前で出会った二人が、マスターカードでタンデムバイクを買って…時は流れて婚約、結婚」という(よくありそうな)もの。





非常にキャッチーな曲ではありましたが、このCMは昨年末フィンランドでYouTubeを見ようとすれば必ずと言っていいほど流れていて、一部には嫌気がさしていた人もいたよう。それでも曲が耳につくのは事実。気になったので誰の曲なのか調べてみたところ、以前音楽ブログでも紹介していたフィンランドのシンガーソングライター、Chisuの「Ihana」という曲でした。





CMでも使われている印象的なサビ部分は「Sun kanssa kaikki on vaan ihanaa」、「あなたが居れば何もかもがただ素敵なの」といった意味です。

kansa 監査?」、「kaikki 快気?」、「ihana 「猪鼻」さん?」のそれぞれの意味も以前紹介していますのでどうぞ。

ちなみに、日本でも「プライスレス」で知られるマスターカードですが、フィンランド語ではプライスレスは「korvaamatonta」となっています。


なお今回ご紹介した曲「Ihana」は、Chisuの4枚目のアルバムとなる2015年リリースの『Polaris』に収録されています。






(abcxyz)

2016年3月7日月曜日

ihana 「猪鼻」さん?

ihana (いはな) ― 「猪鼻」 じゃなくて 「素敵」!

「ihana」は形容詞で「素敵」、「素晴らしい」といった意味です。よく使われるので覚えておいて、素敵なものごとを見かけたら使っちゃいましょう。

Japanese:いはな ihana
・猪鼻(family name, literal meaning is "wild boar nose")

Finnish:wonderful (adjective)

2016年3月4日金曜日

フィンランド語辞書に新たに加わった言葉には、コーヒーに関するあんな言葉も

前回の「nigiri」に引き続き、フィンランド国語センター「Kotimaisten kielten keskus」監修のフィンランド語辞書「Kielitoimiston sanakirja」の2016年版に新たに加わった言葉です。それは…


「erikoiskahvi」、「スペシャルコーヒー」

コーヒー消費量世界一とされるフィンランドにはこれまで、普通のコーヒー以外のコーヒー、つまり「カプチーノ」、「モカ」、「エスプレッソ」などをひとまとめに指す言葉がなかったんです。

びっくり!かもしれませんが、フィンランドのコーヒー消費量の多くを占めているであろう一般的な「kahvi」コーヒーを知る人にとっては驚きは何もないかもしれませんね。なお、erikoiskahviに対して「普通のコーヒー」は「tavallinenkahvi」と言いますが、もちろん普通に飲んでるコーヒーなので、これは普通はただ単に「kahvi」と呼びます。


(abcxyz)

2016年3月1日火曜日

フィンランド語辞書に今年新たに加わった言葉の中に日本語が!その言葉とは…

フィンランド国語センター「Kotimaisten kielten keskus」(略してKotus、国の機関)の監修するフィンランド語辞書「Kielitoimiston sanakirja」の2016年版に新たに加わった言葉の中に、日本語から来た単語が含まれていました。

その言葉は「nigiri」、そう「握り」です。

ここに載っていればそれは「フィンランド語」と認められるものです。これにより「握り」もフィンランド語に入ってきた外来語となったわけです。

なお、お寿司屋さんで使われる「maki / 巻き」、「nori / 海苔」などはすでにフィンランド語辞書に入っています。以前より様々なタイプの寿司屋さんが乱立するフィンランドですが、もしかしたらきちんとしたお寿司を出すお寿司屋さんが増えてきているとかかもしれませんね。


(abcxyz)

2016年2月29日月曜日

【大人の空耳】フィンランド人にも喜ばれる折り紙眼鏡クリーナー「peti peto」はフィンランド語であんな意味

「peti peto」は、日本国外の方へのお土産に最適な眼鏡クリーナー。ぐしゃぐしゃにしても、手の上でポンポンと数回投げれば、折り紙の動物の形に戻っちゃう、形状記憶加工の施されている眼鏡クリーナーです。

「peti peto」は、ラテン語で「小さな動物」という意味。でもフィンランド語で言うと、ちょっといやらしい意味に聞こえるかも。





peti は sanky や布団、寝床のこと。
peto は野獣。

「olen peto sängyssä」で「俺はベッドでは野獣だぜ」という意味になります。

Latin:peti peto
・peti - small
・peto - animal

Finnish:
peti - sleeping place
peto - beast


(abcxyz)

2016年2月27日土曜日

コーヒーの消費量が世界一といわれるフィンランド、でもコーヒーが不味いのはなぜ?



フィンランドのコーヒー(kahvi)は浅煎り(vaaleapaahtoinen)のものが一般的です。味は薄目で、酸味が強い印象があります。

ところ変わって、イタリア、フランスなど、他のヨーロッパ地域ではよりコーヒー豆が深煎りされているものが多いです。日本で一般的飲まれているコーヒーも深めのものが多いほか、「深煎り」(tummapaahtoinen)を売りにしたものもありますね。

しかし浅く煎ったコーヒーに慣れたフィンランドでは、ときに私たちの慣れ親しんだ深煎りコーヒーの味が「濃すぎる」と感じられることもあるよう。

フィンランドでは浅煎りであるおかげで味も薄いために、たくさんのコーヒーを飲むことができるのかもしれませんね。

写真はHakaniementoriで「Eromanga」(エロマンガ、みたいですがパン屋さんの名前です)で、コーヒーとmunkkipossu*を注文したところ。左の人が注文したのはコーヒーとpulla(バン)。

*munkkipossu
munnki:ドーナッツ
possu:ブタ
ヘルシンキ弁では「ドーナッツ・ブタ」(どう見たらブタに見えるのかはフィンランド人にも不明)というジャムの入ったドーナッツ。ほかの地方では並びが変わり「possumunkki」(ブタ・ドーナッツ)と言うそうです。


(abcxyz)

2016年2月26日金曜日

rakko ラッコ?

rakko (ラっこ) ― 「ラッコ」?ではなくて足にできる「マメ」という意味です。

なお「virtsarakko」では「膀胱」という意味になります。

Japanese:らっこ rakko
・Sea otter

Finnish:blister


(abcxyz)

2016年2月22日月曜日

häikäisee 徘徊性?

häikäisee (ハいカいせー) ― 「徘徊性」 じゃなくて 「眩しい」(動詞)

「valo häikäisee」で「光が眩しい」という意味になります。

Japanese:はいかいせい haikaisei
・徘徊性(the nature of roaming)

Finnish:dazzle (verb)

2016年2月3日水曜日

世界腐敗度ランキング2位のフィンランド、経済自由度ランキングは24位。(日本は腐敗度18位、経済22位)

米ヘリテージ財団とウォールストリートジャーナルによる経済自由度指数は、「“財産権の保護”、“汚職の少なさ”、“政府支出の少なさ”、“財政の健全性”、“ビジネスの自由度”、“労働の自由度”、“通貨の自由度”、“貿易の自由度”、“投資の自由度”、“金融の自由度”」(wikipedia)によって算出される各国の自由経済度です。

先日発表された2016年版の経済自由度指数(Heritage.org)では、1位(最も経済自由度が高い)は香港、9位にエストニア、デンマーク12位、日本22位、フィンランドは24位でした。

経済自由度指数が80~100となった上位5か国は「自由」、6位から38位の指数70~79.9の国々は「おおむね自由」な経済自由度とされています。ランキング内最下位は178位の北朝鮮で「圧制された」経済という区分けとなっています。

こうしてみるとフィンランドも日本も経済自由度は高い方ですが、同じく先日発表された世界腐敗度ランキング(ネット選挙ドットコム)ではデンマークが1位、フィンランドは2位、(日本は18位)と順位がトップ(=腐敗度が低い)であったことを考えると、デンマーク12位、フィンランド24位というのは面白いですね。

私は経済自由度指数がどう算出されているのか詳しいことはわからないのですが、例えば「ビジネスの自由度」と「労働の自由度」は相反する要素も含まれていそうです。労働者の権利を尊重すればするほどビジネス的な自由度は下がるでしょう。また、税率を高くすることで国家の福祉を維持するには、企業の負担も必要ですが、企業の負担が高ければ「経済自由度」は下がるのではないでしょうか。

海を挟んだ隣国で通貨は共通のユーロを用いるエストニアは順位が9位と高めですが、フィンランド国内からは「エストニアは会社を作る/維持するのに税金が安いし、人件費や労働保険も安い(酒類も安いし)」という印象が持たれています。

フィンランドでは、法律では何日の労働に対して何日の有給休暇があるべきと定められており、これはアルバイトにも適用されます。とはいってもアルバイトの場合は正社員とは違いシフト制なので有給「休暇」そのものは取れず、その代わりに有給休暇分の給料がもらえる仕組みになっています。

世界の国々を相手にしたビジネスで優位に立つか、それともしっかりと充実した労働・生活環境を国民に保証するのか、国造りに何を優先するのかでその国の本音が見えてくるかもしれませんね。


(abcxyz)

2016年2月2日火曜日

『ドラゴンボール』フィンランド語版は「小児性愛的」だと批判をうけた後に一度出版中止になってる

『ドラゴンボール』は2003年からAntti ValkamaさんとHeikki Valkamaさんにより日本語から直接フィンランド語へ翻訳され出版されています。フィンランド語版の『ドラゴンボール』は、フィンランドで『はだしのゲン』、『AKIRA』に次いでフィンランド語に翻訳された漫画の3番目くらい。

2003年、Ilta-Sanomatに「変態的だ、ペドファイル的なところもあるじゃないか」と書かれたり、読者投稿で「作中にある援助交際をフィンランドの女の子たちが真似したら…」と危惧する内容があったりもしたよう(Ilta-Sanomatはスポーツ新聞みたいな、女性芸能人のトップレス写真や水着ピンナップガールの写真も載っている低俗な新聞だが…)。フィンランドでは一般的に裸に対しては(日本ほど)敏感ではありませんが、ペドファイル的な部分には(それが作中の冗談であっても)敏感だったようです。

それがスキャンダルとなり、元々出版していたKolibriは出版を中止。しばらく後に、別の出版社(Sangatsu Manga)から出版されるようになりました。その際には12歳以上推薦という推奨年齢が付いての発売となったようですが、一部検閲されている部分もあったようです。

同年『らんま2/1』(こちらはドイツ語からの翻訳)もフィンランドで出版されたようですが、こちらはスキャンダルはなかったようです。


(abcxyz)

2016年1月31日日曜日

ヘルシンキ大学で英語で無料で学びたいなら今年が最後のチャンス。来年からオックスフォード並みの学費に

ヘルシンキ大学ではEU圏外からの学生が、同大学で英語で過程を学ぶ場合も学費は無料でした。これは今年(2016年の秋)入学する学生が最後になるよう。

このたび政府はフィンランドのすべての大学で、EU圏外からの英語コースで学ぶ学生に最低でも学費を1500ユーロ/年を払わせるよう法律を変えました。これに合わせてヘルシンキ大学では2017年秋入学から、英語で行われるコースを学ぶEU圏以外からの学生からは授業料を取るようです。学科により、1万ユーロから2万5000ユーロ(約130万円~330万円)支払わないといけないそう。

これはオックスフォード大学並みなんだそう。ヘルシンキ大学に留学を考えている方は今年留学するのがいいチャンスかも?


(abcxyz)

2016年1月24日日曜日

フィンランドの火災死亡者数は先進国一(日本は6位)。半数以上が酔っていたから。


Helsingin Sanomatによれば、フィンランドの人口当たりの火事による死者数は先進国中世界一(ロシアなどは統計に入っておらず)だそう。同ランキングでは日本は6位です。

フィンランドでは毎年90人ほどが火事により死亡し、2016年に入ってからもすでに7人火事で死亡しているそうです。

フィンランドには暖炉のある家もありますし、家の中で蝋燭/キャンドルに火を灯すことも稀ではありません(停電のためとかではなく、雰囲気がいいから)。80%が事故だそうで、タバコ、火の不始末、電気製品からの出火などが理由ですが、放火による例もあるとのことです。

火事による死亡の多くは煙に巻かれての一酸化炭素中毒による死亡だそう。多くの場合は火事に対して当人が対処出来なかったために死亡しているとのこと。たとえば60%は酔っていたために死亡したそう。そのほかにも薬や病気、高齢のために火事に対して対処できなかったんだとか。

なおシンガポールでは2008年から2010年までに火事で死亡した人はたったの一人だそう。

皆さんも火の始末には十分にご注意ください。


[via Helsingin Sanomat]

(abcxyz)

2015年12月19日土曜日

フィンランドで「フォースの覚醒」観てきたまとめ。フィンランドのお店ももっと盛り上がって~



フィンランドで公開初日に「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を観てきました。その様子や関連記事をギズモードジャパンに書いていますので興味のある方はどうぞ。

・いまいち盛り上がりに欠けるフィンランドで「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を公開初日に見てきた

記事中にもある通り、映画公開前にはほとんど映画そのもののポスターなどは見られず、HPやサブウェイなどのコラボ企業広告しか目につきませんでした。私はテレビはほとんど見ることがないのでテレビCMはどうか知りませんが、YouTubeでは公開開始数日ほど前からコタクジャパンでTV予告として紹介されているものと同様のものが流れだしたり、こちらの記事で書いたサブウェイのCMが流れたりしていました。

・サンドイッチ屋が遠い銀河系のカンティーナに?サブウェイとスター・ウォーズのコラボCM

なお、記事中には記していませんが、同CMの韓国版では来店するお客さんのうち、ライトセーバーを腰につけているお客さんの性別が逆転しているのも面白いところです。そもそもフィンランドを含む他国版のCMでは女性がライトセーバーを持っているというのも、「フォースの覚醒」が女性が活躍する映画になっているという視点からも興味深くあります。

『スター・ウォーズ』の旧三部作では、レイア姫を除けば女性が活躍するシーンがほとんどなく、しゃべるシーンに至ってはこちらのコタクジャパンの動画記事でお分かりいただけるように映画3本(386分)の中でたったの1分3秒しかありませんでした。

本編ではメインキャラクターであるレイは当然ながら、レイア、キャプテン・ファズマ、マズ・カナタなどの重要な位置を占めるキャラクターに女性が配役されています。それだけではなく、沢山エキストラが登場するシーンなどでもファーストオーダー側、反乱軍側共に性別、人種の多様性が見られました。

『フォースの覚醒』はまた、映画における性差別をチェックするためのテストである「ベクデルテスト」も合格しています。

そんな『フォースの覚醒』で劇中には出てこないものの活躍するフィンランド人女性の記事もギズモードジャパンに書きました。

・「フォースの覚醒」の宇宙人言語を作ったのは、「インチキ外国語」で有名なあの人

YouTubeでなんとなくそれらしく聞こえる「インチキ外国語」の動画で有名となり渡米したフィンランド人、Sara Forsbergさんの『フォースの覚醒』でのお仕事についての記事です。

そして、公開前こそ盛り上がりに欠けたフィンランドですが、公開開始後からは盛り上がりを見せてきています。その理由はもしかしたらフィンランドの「期待しない文化」にあるのではないか、ということで、フィンランド語の言い回し「Pessimisti ei pety」(悲観主義者は失望しない)、「Älä odota niin et pety」(期待しなければがっかりしない)、そして『フォースの覚醒』劇場にコスプレで来た人たちの写真を交え紹介した記事がこちら。

・「フォースの覚醒」公開されてから盛り上がってきたフィンランド、その理由とは

とはいっても日本の盛り上がりようとは比べ物になりません。新三部作を日本で観て、その時の盛り上がりを知る身として何にもましてつらいのは、グッズもオモチャもフィンランドではほとんど見かけないこと。

食料品店で見かけるのは『スター・ウォーズ』のイラストがパッケージに描かれたヨーグルトくらいなもの。R-kioskiにはイギリス製のストームトルーパーの形をしたチョコレートが置いてありましたが、その程度です。なお、イースターの時には『スター・ウォーズ』のチョコエッグが売られていましたが、そういった「おまけ/オモチャ付き」の『フォースの覚醒』関連商品は私が知る限りは売られていません。あまり物質主義ではない子育てという面ではいいことかもしれませんが、私のようなファンにとっては残念なところ。

オモチャに関しても種類の少なさと値段の高さ(これは物価によるものなのでどうしようもありませんが)は残念な感じです。10月末にトイザらスを訪れたときには、まあまあ数はあったものの、ハズブロかレゴの商品しか置いておらず。オモチャ屋さんであるBR-Lelutにも『スター・ウォーズ』のオモチャは置いてあるにはあるのですが、量もバリエーションも少なくかったです。子供のために『スター・ウォーズ』のオモチャを探しに来た親の姿はまま見かけるのですが、需要があるのに商売っ気はないのかな、と感じずにはいられませんでした。

Kamppi近くにあるHobbyPointではドイツのプラモデル会社Revellの巨大なミレニアム・ファルコン号モデルキットがショーウインドーに展示されていましたが、公開翌日に訪れると「『スター・ウォーズ』モノはもう全部売り切れちゃった」と言われました。ただ店舗によってはCitymarketなどでのRevell製のプラモデルがまだ販売されているところがあるようなのでクリスマスプレゼントに『スター・ウォーズ』モノが買いたい方は要チェックです。

同じスケールのものかわからないけどこんなの:




また、私が訪れた中でも一番豊富に『スター・ウォーズ』グッズを扱っていたのはなんと電気屋さんであるVerkkokauppaでした。TyynenmerenkatuにあるVerkkokauppaでは、他の店で扱っていない商品が多数そろっているほか、Hasbroのブラックシリーズフィギア(現在のベーシックフィギアやデラックスフィギアは肘膝関節が曲げられない80年代に先祖返りしたようなフィギアばかりだが、ブラックシリーズのものは作りも細かく関節も多いためポーズをとって遊べる)の価格はトイザらスよりも10ユーロ安く販売されていました。




なおVerkkokauppaには巨大なAT-ATもありました!

ちなみに、ベーシックフィギアはこんなの。フィンランドではこれでも15ユーロくらい:



こちらがブラックシリーズ。どちらも日本で買った方が断然安いです:



なお、ブラックシリーズは『フォースの覚醒』以前のフィギアは20ユーロほどで販売されていましたが、『フォースの覚醒』からはトイザらスでの価格が一体40ユーロ(約5300円、Verkkokauppaでは確か29ユーロ/3800円)と倍の値段になっています。やはり昨年末ごろから『アベンジャーズ』や『アイアンマン』などのオモチャも同様に、関節の数が少なくなったり、質が低下して価格が上がるなどの現象が起きています。(そのことについては「『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』の2.5インチフィギアシリーズを買ってしまった。なんだこりゃっっ」に記しています。)

まとまりがまったくないけど、以上です(笑)。


(abcxyz)

2015年12月6日日曜日

ネウボラはフィンランドの「出生率を伸ばし」たか?日本の出生率を改善するのに何が必要かフィンランド人に聞いてみた。




ハフィントンポスト日本版の記事で「フィンランドで出生率を伸ばし、児童虐待死を激減させた「ネウボラ」 つながる育児支援に日本も注目」なんていう記事がありましたが、実際のところどうなのでしょうか?また、日本が出生率を改善するのには何が必要なのでしょうか?




ハフィントンポストの記事には

一方、フィンランドの出生率は、1.71と日本の1.42に比べて高い水準(2014年)にあり、子どもの虐待死件数も減少。その背景にあるのが、「ネウボラ」であると吉備国際大学保健医療福祉学部の高橋睦子教授は指摘している。

なんて書いてありますが、実際に統計を見てみると、まずネウボラが出生率を延ばしているようには見えません。

まずはフィンランド統計局Tilastokeskusのページを見てみましょう。それによると、1969年は2.1だった出産率は、2010年は1.87、2013年は1.75、2014年の1.71と年を追うごとに出生率が下がっていっています。まずネウボラが存在している状況でも出生率が下がっている事実があるわけです。

もちろん今の出生率よりも低い数字になっていないのは(まあ来年はまた下がるのでしょうが)、ネウボラがあるおかげもあるかもしれませんが、それ以外にも要因があります。その一つは、日本と違いEU加盟国であるフィンランドは、移民・難民の受け入れを行っているということ。

Tilastokeskusの2012年の発表では「外国語を母語とする人がいなければフィンランドの15歳以下の人の数は120年ぶりに最も低い状態」であるとされており、この20年間で、外国語を母語とする母親が子供を生んでいなければ、子供の数は現状よりも5万人少ないことになるとのことです。

Helsingin Uutisetによればフィンランドで2007年から2011年の間のフィンランド人の女性の出生率は1.84外国人系の人は2.09。この4年間フィンランドで生まれたすべての子供のうちの7.1%は外国系の人が生んだとのことです。

もちろん、移民の数が全人口の5%といわれる(以前行ったプレゼンでTilastokeskusから引用した数字だけど出典ページ失念)なかで、移民系の出生率が2を超えていたところでそれが出生率全体に与える影響は微々たるものでしょうが、小数点以下が大きな違いを生む出生率に与える影響は無視できないものです。



そもそも国にとっての出生率の重要性は、その国の人口(ひいては納税者、労働者)に直接関わるものであるからでしょう。では人口の面でフィンランドを見てみるとどうでしょうか?

年々出生率が下がっていく中で、wikipediaによればフィンランドの人口そのものは毎年増加しています(ただし、増加率は年々下がっている)。

2014年では、フィンランドの人口増加の76%は移民によるものだということです。2013年にはこの人口増加の90%が外国語を母語とする人によるものだとの統計もあります

つまり、人口こそ移民のおかげで維持できているものの、移民が居てもフィンランドの出生率が減っているわけです。

生活や情勢が不安定な時には出生率が高く、生活も社会も安定した状態では出生率が低くなるとよく言われます。事実、統計局によれば人口の増加は第2次世界大戦後がピークで、一番多かったのは1945年9月、この月だけで1万2000人の子供が生まれたとのことです。ハフィントンポストの記事によればネウボラが法制化されたのは1944年ですが、日本を含む多くの国々で戦後ベビーブームが起きたことを考えると、これまたハフィントンポストのいうところのネウボラが「出生率を伸ばした」根拠にはなりません。同様に、現在生活や政治が安定している先進国はどこも出生率が低くなっています。

そう考えると日本もフィンランドも出生率が下がり、少子化になるのは当然なことではあります。



そんななかで人口を維持するために日本ができることは何でしょうか?

それは出産をしやすく、子育てをしやすい環境の整備でしょう。そのためにはフィンランドのネウボラを参考にするのも重要でしょう。しかしフィンランドの例が示すようにそれは出産率による人口減少(出生率が2以下)の歯止めにはなっていません。これまで出産/子育て環境の整備をおざなりにしていた日本が今の人口を維持したいのであれば移民の受け入れも積極的に考えるべきでしょう。(もう一つの考えとしては、わざと生活や情勢を不安定にすることでしょうか。たとえば戦争とかね!)

フィンランド人のペトラさんに尋ねてみたところ、日本で出生率を上げるために日本は:

仕事を出産にやさしい環境にしなければいけない。男女ともに産休が取りやすい環境が必要だし、産休に対する態度が変わらないといけない。会社にとって産休は高くつくから、そこには国の支援もないといけない。父親も同じく産休や育休を取るようになれば、会社にとって男性を雇うのも女性を雇うのも差がなくなるから、就職での男女差別も少なくなる。また、日本は教育の値段が高く、子供が欲しくてもお金がたくさんかかるのも問題だ。

と指摘。ネウボラに関してはそもそも出生率を伸ばすためのものではなく

階級社会の差をなくし、女性の就職する機会、家族の中の幸せ、平等な社会を維持するためのものだと思うし、そもそものポイントは、子供の死亡率を下げるためにできたもの。

だとも語られていました。ネウボラは出産~学校に上がるまでは子育てに対する手厚いサービスを提供してくれていますが、子供がある程度の年齢になればそれ以降は同様の存在がないために、学校の問題は学校で、医療問題は病院で、といった具合に、ある意味では日本と同じような環境になるとの話も。

つまり日本では様々なメディアを通じて「フィンランドのネウボラ」がまるで救世主であるかのように語られていますが、本当に必要なのは制度の導入以前に人々の出産と育児に対する考え方と態度の変化だということです。



フィンランドの人口は2014年末で547万4289人であり、同年増加した人口は2万3020人だという統計がpdfで出ています。2014年にフィンランドに移住した人は3万1950人であり、フィンランドから他国へ移住した人は1万4410人、この1万7540人の入移民超過数(国へと移住してきた人の数から、他国へと移住した人の数を引いたもの)がこの年の人口増加の76%を占めているそう。



蛇足になりますが、Lestadiolaisuusというルーテル教の一派(避妊をしない、お酒も飲まない、テレビを見ない、などの特徴がある)の多いポフヤンマー県(Pohjanmaa)地域に限るとその出生率は2.32、ヘルシンキに限れば日本の出生率より低い1.34です。

また、最近出産された友達によると、(少なくともヘルシンキの)ネウボラでは、出産後に1度、家までネウボラおばさんが来てくれるサービスも始まったそう。実際のところどうかはわかりませんが、もしかしたらネウボラ側が子供の生活環境を確認する意味合いもあるのではと推測されていました。


(abcxyz)

2015年12月5日土曜日

フィンランド語、スウェーデン語、ノルウェー語を絵と音で学ぶ無料サイト「Vi snakker」(ベータ版)




今回ご紹介するのは、フィンランド語、スウェーデン語、ノルウェー語を絵と音で学ぶことのできる無料言語学習ページ「Vi snakker」です。まだベータ版とのことですが、基本的な単語や動詞を簡単に学ぶことができるようになっています。

こちらが「Vi snakker」のサイトです。なんだか沢山文字が並んでいますが、これはプロジェクトの説明(後述)なので無視しても大丈夫。右側のオレンジ色の「⇒」をクリックしてメインページに行きましょう。

このブログ投稿のページ上に掲載している写真がメインページです。まずは右上に左からスウェーデン、フィンランド、ノルウェーの旗のボタンが並んでおり、それらをクリックして学習したい言語を選択します。それから「食べ物」、「衣類/色」、「天気、あいさつ」、「買い物とか」などのテーマを選択します。





例えばこれは「食べ物」テーマを選択したところ。それぞれの画像をクリックすると、それに対応した音声が話されます。左上の「男性」、「女性」ボタンを押すと男性音声/女性音声の切り替えが可能です。単語が聞き取りにくかった場合などは切り替えて聞いてみるとよいでしょう。





一通り音を聞いたら右下の「⇒」マークをクリックすると、復習ページが現れます。オレンジ色に点滅する「再生マーク」が右側に出てくるので、それを押して再生される音を選択しましょう。選択すると右側に正誤回数がカウントされていきます。次に進む場合は右下の「⇒」をクリックすると新たな画像とともに新たな言葉を学ぶことが可能です。





男女マークの隣の「点々がたくさん並んでいるマーク」をクリックすると、自分の成績(復習時に全問正解すると星マークがつく)が見れるほか、好きなところに飛んで言葉を学ぶことが可能です。


このプロジェクトは、北欧理事会(Nordic Council)のNordic Council of Ministersによる生涯学習プログラム「NordPlus」の一部で、スウェーデンのBotkyrka、フィンランドのAxxell Utbilding、ノルウェーのOslo Vo Rosenhofのコラボレーションによりできたもの。デジタルデザインはノルウェーの3Dビジュアル&ゲーム開発スタジオ、Sarepta Studioによるものだそうです。


文字情報がないことが欠点でもありますが、以前ご紹介したヘルシンキ大学の無料フィンランド語オンラインコース「A Taste of Finnish」は全て英語で提供されていることを考えると、こちらは既に取得している言語が何であれ学びやすい作りとも言えます。このプロジェクトに関わっているAxxell Utbildingはフィンランドで移民にフィンランド語を教える会社で、同社が教える移民の中にはアルファベットを使用しない国から来ている人もいる居ます。そう考えるとアルファベットが苦手な人でもアルファベットを知らない人でも画像と音声だけで言語を聞き話すことができるようになるプロジェクトに関わっているのもうなずけますね


(abcxyz)