ラベル デザイン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル デザイン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年8月25日金曜日

男女「平等」の国フィンランドのテキスタイルブランド、Finlaysonが女性限定17%オフ・・・その意図とは? *追記あり



フィンランドのテキスタイルと言えば、日本ではMarimekkoが有名ですが、Finlaysonを忘れてはいけません。FinlaysonはMarimekko(1951年~)よりも歴史が古く、フィンランド共和国(1917年~)よりも1820年創業なんです。Finlaysonは政治的に勇気がある行動を取る、かっこいいブランドでもあります。

例えば数年前、FinlaysonがTom of Finland柄のシーツを出したときに、それを「ゲイだから売らない」とした小売チェーンがありました。実はこのチェーンは人種差別的なサイトに関わっていたということもあり、Finlaysonは「あなたのチェーンにはうちの商品今後一切売りません」という判断を下したりもしています。

さて、そんなFinlaysonですが、今年フィンランド独立100周年を記念したキャンペーンを行います。それがFinlaysonの店舗にて「9月いっぱいは中に女性はタオルとシーツが17%引きのキャンペーン!」というもの。男女平等の国フィンランドからすると、女性を特別扱いするのは不思議な気もしますが・・・

*お詫びと訂正*当初「9月いっぱい」と表記していましたが正しくは「9月中(に値引きキャンペーンが行われる)」というもので、実際の日程は9月1日から10日までです。

実はこれ、今も残る男女間の平均賃金格差を反映したものなんです。

フィンランドでは「女性の1ユーロは83セント」と呼ばれています。これは、ただ単純に男女の平均賃金を比較したものであり、ここに単純に男女間の格差があると断定することはできません。この平均賃金格差の要因としてはここに上げることができないくらい多種多様な理由があるでしょうが、良く言われるのは:

・女性の就く仕事は給料が低く、上がらない(例えば女性が多い職業として看護師がありますが、重要な仕事なのに給料が低い/男性の方がより給料の良い仕事に就いている/フルタイムで働きたくてもパートの仕事しか無い)
・女性は向上心が高くない(仕事よりも家庭を選ぶために昇進を望まない/元々男性が上司におり、女性の昇級を妨げている)
・女性のキャリアアップに時間がかかる(子育てのために男性よりも長く家に居ることを選び、その間に男性はキャリアアップ)

など。

ちなみにフィンランドの法律は性別で料金を分けることを禁止しており、このFinlaysonのキャンペーンも「違法ではないか・・・」という声も出ています。(なお法律では滅多にしかしないことでの特別料金、例えば母の日・父の日など、は例外としています。)

それに対しFinlaysonの社長Jukka Kurttilaは「もちろん違法です!」。そう、性別で料金を分けることが禁止されているにも関わらず、単純平均とはいえこれだけ賃金の格差があるのはどういうことか、と「女性限定17%オフ」で問題提起しているわけです。

なお、男女の格差により生じた利益はNaisasialiitto Unioni(女性の地位向上のための協会)に、男女の賃金の平等を目指す活動のために寄付されます。このNaisasialiitto Unioniは1892年から存在します(フィンランドにはもっと古い女性の地位向上協会もある:Suomen Naisyhdistys、1884年~)。現在「男女平等の国フィンランド」と言われるようになったのも、今回のキャンペーンに見られるように人々の間に問題意識があるから、そして1800年代から男女平等をめざし働き続けてきた協会の存在があるのももちろんのこと、国民が男女ともに平等を求め活動してきたからとも言えるでしょう。



Source: HS

(abcxyz)

2016年11月25日金曜日

ヘルシンキ大聖堂前にできたKaunisteの新ストアオープニングイベントに行ってきた!



Kaunisteの新たなストアが、観光名所のヘルシンキ大聖堂(Helsingin tuomiokirkko)の真ん前にオープンしました。ヘルシンキ中央駅から歩いても10分足らずで行けるところです。




オープニングイベントもやっているということなので、行ってきました。外は午後5時、もう真っ暗ですがKauniste新ショップからは暖かい光が…。




そしてお店の中には本物のクリスマスツリー!シンプルな飾り付けながらもクリスマス気分が出ますね。




オープニングということで、無料でアルコール入りGlögi/グリューワインやシャンパンや、riisipuuro/ライスプディングが振る舞われていました。グリューワインはフィンランドのLignell & Piispanenによる「Loimu 2016」。アルコール度数15%とGlögiとしてはちょっと強めですが、ボトルも素敵で、以前家でパーティーをした時に友だちが持ってきてくれたのの空きボトルがまだ家にあります(笑)。




Glögiの入っているこちらのカップもKaunisteの製品。今年が申年だからお猿さんの柄になっているとのことでした。




もちろんこちらのショップでも購入可能。来年は酉年だから鳥の絵のものが出るのかな?




Glögiとともにフィンランドのクリスマスには欠かせない、牛乳粥ことriisipuuroはもちろんお砂糖とシナモンをかけて。中にはアーモンドが隠れていて、見つけたひとには来年幸運が訪れます(それに加え今回のイベントでは特別なKaunisteからのギフトももらえるとのことでした)。




キャンディのように可愛らしく包んであるのは、フィンランドではプレゼントとしてよく購入されるろうそくです。




ベリーなどが入った手作りのお茶も売ってありました。




今年の冬の新作はこちらの写真の手前の柄。







この大聖堂前のKaunisteショップには入り口左手に「Kukkahotelli / Hotel for plants」(花ホテル/植物ホテル)という小部屋が。これは植物のためのホテルで、例えば旅行時などにここに預ければお店が水やりをしてくれるというもの。なんと無料です。




Kaunisteのお店の人によると、多分この試みをしているのはフィンランド広しといえどここだけだろうとのこと。お客さんが、「パリでは夏の間だけやっているところを見た」と話していたとのことですが、こちらは冬もやっています。素敵なサービスですね。




目の前にはトラムも走っています。Kaunisteショップの入っている場所は、以前はリサイクル素材を使ったバッグや小物などを販売するGlobe Hopeが入っていたところです。上の階にはこのブログでも以前紹介したカフェ「Ciao! Caffe & Winebar」も入っているので観光の休憩がてらによるのもいいかも。




無理やりKaunisteの看板とヘルシンキ大聖堂を1枚の写真に入れてみたところ。教会の正面側にあるということがわかるでしょうか?住所はAleksanterinkatu 28, FI-00170 Helsinki, Suomi、こちらです:






Kaunisteがお好きな方は以前のイベントにお邪魔した記事「カウニステ×Stamp and Diary、フィンランドと日本のファッションブランドコラボのローンチイベントにお邪魔した」も合わせてどうぞ。


Photographs taken by VV (and myself)

(abcxyz)

2016年10月25日火曜日

連載・さらば平和国家 独裁国家に武器輸出するようになった血生臭い国フィンランド 訂正あり



紛争が起きていたり、独裁者/政府が国民を殺したりするような国に武器を売るのは、EUでも国連でもこれを禁止する条約があり、フィンランドもこれにサインしています。

フィンランドでは武器を作る工場が武器を売るときには、政府がその契約を確認し、サインしないといけません。そして、フィンランド政府はこれまでこの条約に従っていました。(ここらへん訂正)しかし、国民連合党Kansallinen Kokoomusの前首相Alexander Stubbが首相時代にこれを売ることにサインしていたのです。これは今の首相でフィンランド中央党Suomen KeskustaのJuha Sipiläの現政権でも続いています。これまでもKokoomusの政治は「金で魂を売る政治」だと揶揄されてきましたが、あながち的外れでもなかったようです。




(武器を売った先の国と売った武器の金額。数百万から数千万ユーロ。ほかに地図中には人権監視NGO「Human Rights Watch」の国の評価と、フィンランドが売った武器が使われている紛争などがしるされている。)

日本では「フィンランド・デザイン」、教育立国、福祉社会、で通っているフィンランドですが、トップ画像のように「メイド・オブ・フィンランド」の武器が人殺しに使われているわけです。もちろんフィンランド国防軍のためだけに武器開発をするのは大変で、他国に売る算段でもなければ新たな武器を開発するのは予算的にも難しいでしょう。

他にも(EUではないが)アメリカや、EUに(今のところまだ)加盟しているイギリスも同様に契約を無視して、武器取引が違法とされている国々に販売しているそうです。しかし、他国が違法行為をしていても、真似してやっていいというわけではありません。そうであればロシアのように平気な顔をして他国に攻め入る国が後を絶たなくなるでしょう。


Top image by Helsingin Sanomat 23.10.2016, Lasse Rantanen
image by Helsingin Sanomat 23.10.2016, Koonnut: Tommi Nieminen / HS, grafiikka: Miika Holopainen

[Helsingin Sanomat 23.10.2016]

(abcxyz)

2016年9月19日月曜日

フィンランド最大のデザインの見本市Habitare。今年はちょっと活気がないかも?


今年も行ってきました、フィンランド最大のデザインの見本市、Habitare。でもなんだか今年は少し活気が少なかったような。私が訪れたのは一般も入場できる日でしたが、過去数年と比べ、出展者も来場者も日本人が少ないように見受けられました。






しかしそんな中でも目を惹いたのは、今年のHabitareで「MIELENKIINTOISIN TUOTE \ THE MOST INTERESTING STANDS」に選ばれた、
Harni-Takahashi Ltd.のYuka Takahashiさんによる「ADB&B multifunctional furniture」。選者はNew York Timesでデザインコラムを持つAlice Rawsthornさんです。アームチェアにもベッド/ベンチにもディヴァン(背もたれのない長椅子)にもなる可変式の家具です。




毎年おなじみ寝具の展示。




皆で輪になって座れるハンギングチェア。タイミングずらさないとひざぶつけちゃうんじゃないこれ…




あのロボットは、仏Aldebaran Robotics社のNAOかな?展示内容を確認すると「Maxwell CareのZoraロボット」とされているので、NAOをベースにしたロボットなのかも。




こちらはアート展示のコーナー。先日どこかの日本のサイトでも話題になっていたような気がする、ヘルシンキの電気屋さんVerkkokauppaの脇に立って(以前はマーケットスクエア付近にあった)立ち小便をしている巨大な子供の彫刻「Bad Bad Boy」で知られるアーティスト、Tommi Toijaの作品も。




こちらは、Katja Tukiainenの新作。彼女は2014年に東京のSpiral Art Spaceで「Boutique! —ファッションって何?アートと考える、その姿。」が行われた際に、元MarimekkoデザイナーのSamu-Jussi Koskiと共に「Girl Evacuees」という展示もしていました。





「Muotojen mestari Hiort af Ornäs」(造形の天才Hiort af Ornäs)としてフィンランドの家具デザイナーHiort af Ornäsが50年代に制作した椅子の展示を行っていました。





アンティークコーナーにはNaisten Automobiiliklubi(女性の車クラブ)とVehoniemen Automuseo(Vehoniemi車博物館、タンペレの方にある)によるレトロカーの展示も。展示付近にはNaisten Automobiiliklubiの方とみられる女性たちが立っていましたが、彼女たちのドレスがまた50,60年代っぽくて素敵でした。





アンティークコーナーは相変わらずの充実具合。

でもそれとは対照に(写真は撮っていませんが)手作りのデザイン品や小物品などを販売するコーナーは寂しかったです。期待していたPolkka Jamも見当たらず、目に付くのは海外(フィンランド外)の通信販売みたいな商品ばかり。もしかしたらデザイン関係者ではない一般来場者向けにフィンランド国内では目にすることの少ないデザイン品を展示するところに注力しているのかもしれませんが、毎年かなりの場所を取って同じ製品しか出していない(イタリアかどっかの野菜すりおろし皿を売ってるとことか)ところばかり目について残念。フィンランドのレトロなハガキやポスターを販売しているところもありましたが、Cafe Jugendに行けば買えるものばかりだし。フィンランドのデザイン見本市内に存在しながらも、デザインとしてもわざわざここに出す意味が見当たらないものばかりあっては意味がないし、お土産屋さん的なものを売りたいならデザイン博物館で売ってればいいのに、と思わざるを得ませんでした。





ことしのHabitare例年に比べはちょっと元気がない感じを受けましたが、今年は若手デザイナーの出展コーナーが広めにとられていて注目が当たっているように思いました。




なお、Helsinki Design Weekとしてはこんな感じで、Stockmanの目の前にある観光名所「Kolmen sepän patsas」三人の鍛冶屋の像をバブル(中に入ることもできる)で覆ってしまう催しも。このせいで日本から観光に来た友達がこの像を見つけられませんでした。2014年にはマーケットスクエアにあるHavis Amandaの像のためのホテルとか言って日本人アーティストが閉じ込めて周りから見えなくしてたし。ヘルシンキ市は観光名所を隠すのが好きなようで、ヘルシンキに住んでる人には普段と違って面白いかもしれないけど、それを見に来ている観光客だって少なくないだろうに、解せないね。


(abcxyz)

2016年8月31日水曜日

カウニステ×Stamp and Diary、フィンランドと日本のファッションブランドコラボのローンチイベントにお邪魔した



2008年にフィンランドの首都ヘルシンキに生まれたテキスタイルブランド「Kauniste」(カウニステ)。そして新しいスタートと日々の日常をテーマに名付けられた日本のブランド「Stamp and Diary」(スタンプ・アンド・ダイアリー)。遠く離れたフィンランドと日本のブランドのコラボレーションが実現しました。




そのローンチイベントが行われたのはヘルシンキ中心地にあるKaunisteのショップ(写真)。この日はTaiteiden Yöと重なったこともあり、街中に多くの人が繰り出していました。ローンチイベントは午後7時から9時まででしたが、Kaunisteのショップがある通りFredrikinkatuはいつにも増して人通りが多く、窓の外から店内をのぞいたり、足を踏み入れる人も少なくありませんでした。

Taiteiden Yo:芸術の夜/The Night of the Arts、街中の様々な場所に視覚芸術、舞台芸術、文芸、音楽など様々なアートがあふれだす年一夜限りのイベントで、今年28回目となる。




今回店内に並んでいたコラボレーション作品は、伊勢丹のフィーカ・デリのパッケージイラストなども手掛けるHanna KonolaによるデザインのKaunisteのテキスタイル「Konfetti」(コンフェティ、紙吹雪のようなものを意味する)を使用したStamp and Diaryによるワンピースやスカート。同じKonfetti柄でも、パステルカラーのものと、白黒のものが用意されていました。「フィンランド人はカラフルな服が好きで挑戦してみたいという気持ちを持っているが、多くの人は最終的に無難な白黒のものを選んでしまう」、ととあるヘルシンキのデザインショップオーナーが語っていましたが、それもあってなのかも。




店員さんたちもコラボモデルを着ていました。




店内にはそれ以外にもKonfetti柄の商品があります。




Stamp and Diaryからはコラボモデルではないものの出展もありました。

なお、今回のコラボはKaunisteとStamp and Diary、様々な国を飛び回る両ブランドの創設者が偶然ばったり出会って、そこからコラボまで発展したとのことでした。

フィンランドの女性のファッションは、隣国ロシアのものとは大きく違います。ロシアの女性のファッションは女性らしさを強調し、ウエストや胸を強調したり、ハイヒールを履いたりするようなものが多いですが、対してフィンランドでは着心地や履き心地、実用性を兼ね備えています。かといって洒落っ気がないわけではなく、実用性やシンプルさの中にも可愛らしい形や色、模様などがあしらわれたお洒落さのあるのがフィンランド風。

テキスタイルデザイナーと布生地の匠の合作により美しいテキスタイルを生み出すKaunisteと、着心地にこだわった服を作るStamp and Diaryのコラボもきっとフィンランドの人たちの心にも響くはずです。






トップ画像以外の写真:@petorah
写真掲載は撮影者、お店の許可、共に得ています。

(abcxyz)