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2017年4月24日月曜日

ヘルシンキ中心に新しくできた寿司屋さんが失敗だった件。美味しいのが食べたかったらMakkarataloのHankoに行こう



ヘルシンキ中心部、中央駅からもすぐそばの、SokosとKamppiの間に挟まれたLasipalatsiに新しい寿司屋「Haiku」というのができていたので行ってみた。




(そもそもダルマの両目とも白目な時点で違和感を感じるべきだった…)

ビュッフェがメインのような雰囲気だが、持ち帰りや、個別メニューの注文もできる。




店内の雰囲気は良く、日が当たるととても爽やかな感じの空間になる。この店にはそれ以外にこれと言って良い点はない。




皿には魚の絵が描いてあって可愛い。黒いのは多分着色されたトビウオの卵(とびこ)。中華料理屋の寿司ではよくカラフルなとびこが乗った寿司が出る。

寿司の味は、サーモンは美味しいものの(どこに行ってもサーモンは大概美味しい)、米は固めで、日本米ではない。この程度の寿司ならどの中華料理屋/「アジア料理屋」に行っても出てくるレベルのもの。フィンランドの寿司クオリティーからすれば「平凡」レベル。

別に日本人がやっていないと美味しい寿司はできないとか、そんな人種差別的なことは思わないが、「寿司=生魚が米の上に乗ったもの」というレベルの寿司概念を元に寿司を売っている店が多いのは事実だし、「寿司職人」というプロフェッションがフィンランドに存在しない(であろう)のもまた事実だろう。そんな中で、立地条件の良さも相まってか価格設定の高いこの店が生き残ることは無理だろうな。このHaikuができる前にも同じ場所にItamae Sushiという寿司屋があったが、あれもそこまで評判は良くなかった。

しかし、寿司ビュッフェの価格がランチタイム(11時から15時)で9.90ユーロなのは許容できるが、私達が行った金曜午後6時には18ユーロと馬鹿に高い。平凡な中華料理屋のビュッフェに含まれる寿司と同じクオリティなのに、中華料理は食べられない、その上、水や味噌汁はあるが、ビュッフェに欠かせないコーヒーやお茶もない!まさかここフィンランドのビュッフェでコーヒーすらないのには閉口、非常に損した気分になった。

行くことはおすすめしないが、もしヘルシンキ中心付近で寿司が食べたくなったら、ビュッフェではないものの断然クオリティーの高いCity-Center(別名Makkaratalo)内のHanko Sushiに行くことをお薦めする。このショッピングセンターCityCenter(ヘルシンキ中央駅、石でできたおかっぱの像が立っている側の出口の道路を挟んで反対側の建物)内のHanko Sushiには、日本人のシェフが働いており、そこで働く人々にちゃんとした寿司教育をしているようで、美味しい寿司を食べることができる。






(abcxyz)

2017年4月21日金曜日

フィンランドを勝手に紹介するアニメーション『スゴいねスオミたん!』第二話のご紹介と解説

相変わらず「フィンたん」らしさも無ければ、フィンランドの紹介にすらなっていない、内容の薄いフィンたんのアニメーション第2話が公開されましたね!フィンランド大使館のウェブサイトではフィンたんを演じる声優達のインタビューも掲載されていますが、結局声優たちも特にこの仕事からフィンランドについて詳しく知ることができたことがないのが彼らのコメントからもわかります。




そんなわけでフィンランドを紹介する楽しいアニメーション、「スオミたん」待望の第二話を作りました!フィンたんのアニメなんかよりずっとフィンランドのことがよく分かるしフィンランド語も出てきます!





前回のキャラクターと今回のキャラクターは違う政治家を風刺したキャラクターではありますが、同じ「スオミたん」としているのは、政治家それぞれがスオミ=フィンランドを代表しているからです。

今回の動画のスオミたんは、公共の道路を民営化しようとしている交通通信省(liikenne- ja viestintäministeriö)の大臣Anne Berner。動画ではAnne Bernerを念頭に置きながらも、国の機関を次々と民営化していく現政府を揶揄しています。

Bernerは出生地はフィンランドながらもスイス人の家庭に生まれた彼女はヘルシンキでドイツ学校に通い、フィンランドで政治の道に入るまではフィンランド国籍も取得していませんでした。政治家としてのBernerは、一期だけ政治家をしたら止める事を公言(Nordic Labour Journal)しており、政治のための政治をする政治家ではなく、ビジネスパーソンとしての自らのキャリアのために政治家をしていることは明白です。

「フィンランドを自分のために利用…じゃなかった、自分をフィンランドのために役立てたいと…」の件は、「20年後どのような大臣として歴史に残りたいか?」という質問に対して「jotka hyödyntävät Suomea laajasti」、「フィンランドを利用する解決(をした大臣)」とのBernerの発言(via HS.fi)から。本当は「jotka hyödyttävät Suomea laajasti」、「フィンランドのためになる解決(をした大臣として歴史に残りたい)」と言いたかったのでしょうが…。家族内ではドイツ語で会話するBernerですが、フィンランド語も完璧に話す彼女がわざと「hyödyttävät」を「hyödyntävät」と言ったのでは(本音が出たのでは)との嫌味な見方もされています。

また国営の空港運営会社Finaviaでの巨額の損失を出した投資に関する調査をBernerが中止させたことで、この投資に関わっているのではないかとの憶測もあります。

日本でも時折見かけるフィンランドのインテリアブランドVallila Interiorは1935年より彼女の家族が経営している会社でもあります。


(abcxyz)

2017年4月8日土曜日

投票日を明日に控えるフィンランドの地方選挙が日本風アニメになった(しかも日本語吹き替え!)

駐日フィンランド大使館がフィンたんアニメを作ったからか、はたまた当ブログでアニメーションを作ったから(…では無いでしょうが)か、なぜだかフィンランドの地方選挙を明日に控え国営放送YLEのSNS動画サービス『Kioski』内で、フィンランドの地方選挙戦が日本風アニメ化されてます。





しかも内容はフィンランド人がローマ字を日本語で読み上げているようで、バッチリ日本語。イントネーションが少しわかりにくいところがありますが、そうは言っても内容はGoogle翻訳よりはしっかりしているので、ある程度日本語ができる人が作ったのではないかと思われます。

画的には各党の党首は誰もあまり本人に似ておらず、Juha Sipilä=「シピラ先輩」などは『天空の城ラピュタ』のムスカみたいな見た目に…人々の投票率を下げてしまうモンスター「低いパーセンテージ」はなんだか『ドラゴンボール』のピッコロっぽかったり。


[via Kioski]

(abcxyz)

2016年5月17日火曜日

連載・さらば教育立国 好調な日芬関係を無視した節約でアアルト大学の日本語教育も終焉か

これまでは何度ヘルシンキ大学の「節約」を紹介してきましたが、今度はアアルト大学(Aalto yliopisto)の「節約」を紹介しましょう。

フィンランドの有名な建築家 Alvar Aaltoの名を冠したアアルト大学では、現在居る日本語の教授が退職後、新たに日本語の教授を雇わないことに決定しました。

アアルト大学では日本語は、英語、ドイツ語に次いで3番目に人気の外国語だそうです。

もともとヘルシンキ工科大学、ヘルシンキ経済大学、ヘルシンキ工業デザイン大学が合併してできたのが「アアルト大学」で、日本との協力も盛ん。工業、ビジネス、デザインの大学なので、将来のキャリアが日本とつながる学生も少なくありません。

アアルト大学はこれからも学生は日本語を勉強することはできるとしています。しかしこれはほかの大学を通じて、ということなんです。例えば、ヘルシンキ大学の外国語センターで。外国語センターでは学生の専攻を問わず言語を学ぶことができます。

ヘルシンキ大学は、アアルト大学の学生がここで日本語を学ぶのもかまわないが、ヘルシンキ大学でも日本語は人気があり、ヘルシンキ大学の学生を優先するから学びたくても学べないようになるかも…と考えているよう。

しかも、ヘルシンキ大学の外国語センターでは、日本語は中級までしか学べません。日本語の上級コースは、より専門性の高い日本語学科でのみ学べるようになっています。アアルトの外国語センターでは上級日本語まで勉強可能でした。

フィンランド国会の日本友好協会の社会民主党(sd)Ville Skinnari国会議員は今回のアアルト大学の決断を「非常にばかげたことだ」と述べています。

それもそのはず、フィンランドと日本との留学プログラムも増えているし、日本とフィンランドとをつなぐ直行便も増えています。アジアからの投資では日本からのものが最大だし、日本への輸出も昨年10億ユーロ(約1.25兆円)を上回り、ビジネス関係もますます好調なところ。しかしビジネスをするには上級日本語が必要とも言われています。

木以外にほとんど資源もなく、代わりに教育に力を入れ、「脳力」をその力として活躍してきたフィンランド。しかし今の政権はそれを理解せず、目先の支出削減だけを見て教育の投資性を無視し、しかも酷いことに公約も無視して教育からも予算を節約。そしてその「節約」政治を受けて、現時点での重要性も、未来性も持ち合わせている日本との関係協力を弱めるような今回のアアルト大学の決断も理解に苦しむところです。


[via Helsingin Sanomat]

(abcxyz)

2016年4月28日木曜日

連載・さらば福祉国家 フィンランドの日本教育ももはやこれまで唯一の日本文化教授もクビに

日本語・日本文化の教授Rein Raud氏がフィンランドの文部科学省の「節約」政治を受けてクビにされることとなったよう(今年の10月にやめることに)。この役職は元々は日本が出資してヘルシンキ大学に作ったもので、これに関して、日本大使館に連絡がなされているようだ。

このため、これ以降日本語専攻の学生の学士論文、修士論文を見る人は、ヘルシンキ大学の日本語の言語学者(たぶん日本でいう准教授)一人だけとなる。だが、その方は言語学者なために、日本の歴史や社会に関して論文を読む人はいなくなる。

今後日本語を高校の選択科目にするにもかかわらず、唯一フィンランドで日本の日本語・日本文化の教授がいなくなるという変な事態に。フィンランドの文部科学省は先日「東アジア研究の中心になるようにしなさい」と支持していたにもかかわらずこんな事態にるとは。


(abcxyz)

2016年3月1日火曜日

フィンランド語辞書に今年新たに加わった言葉の中に日本語が!その言葉とは…

フィンランド国語センター「Kotimaisten kielten keskus」(略してKotus、国の機関)の監修するフィンランド語辞書「Kielitoimiston sanakirja」の2016年版に新たに加わった言葉の中に、日本語から来た単語が含まれていました。

その言葉は「nigiri」、そう「握り」です。

ここに載っていればそれは「フィンランド語」と認められるものです。これにより「握り」もフィンランド語に入ってきた外来語となったわけです。

なお、お寿司屋さんで使われる「maki / 巻き」、「nori / 海苔」などはすでにフィンランド語辞書に入っています。以前より様々なタイプの寿司屋さんが乱立するフィンランドですが、もしかしたらきちんとしたお寿司を出すお寿司屋さんが増えてきているとかかもしれませんね。


(abcxyz)

2016年2月2日火曜日

『ドラゴンボール』フィンランド語版は「小児性愛的」だと批判をうけた後に一度出版中止になってる

『ドラゴンボール』は2003年からAntti ValkamaさんとHeikki Valkamaさんにより日本語から直接フィンランド語へ翻訳され出版されています。フィンランド語版の『ドラゴンボール』は、フィンランドで『はだしのゲン』、『AKIRA』に次いでフィンランド語に翻訳された漫画の3番目くらい。

2003年、Ilta-Sanomatに「変態的だ、ペドファイル的なところもあるじゃないか」と書かれたり、読者投稿で「作中にある援助交際をフィンランドの女の子たちが真似したら…」と危惧する内容があったりもしたよう(Ilta-Sanomatはスポーツ新聞みたいな、女性芸能人のトップレス写真や水着ピンナップガールの写真も載っている低俗な新聞だが…)。フィンランドでは一般的に裸に対しては(日本ほど)敏感ではありませんが、ペドファイル的な部分には(それが作中の冗談であっても)敏感だったようです。

それがスキャンダルとなり、元々出版していたKolibriは出版を中止。しばらく後に、別の出版社(Sangatsu Manga)から出版されるようになりました。その際には12歳以上推薦という推奨年齢が付いての発売となったようですが、一部検閲されている部分もあったようです。

同年『らんま2/1』(こちらはドイツ語からの翻訳)もフィンランドで出版されたようですが、こちらはスキャンダルはなかったようです。


(abcxyz)

2015年10月27日火曜日

ジャパンウィークヘルシンキを純粋に楽しめなかった理由 Why I Couldn't Enjoy Japan Week Helsinki





日本語の記述は英語の下にあります。

--- Summary in English ---

Japan Week Helsinki, a series of events that "Promotion of mutual understanding and friendship with host countries" organized by International Friendship Foundation (IFF), was held in Helsinki.

Participants from Japan had to pay 30,000 JPY (approx. 225 EUR) per person for participation fee, plus the cost of visiting and staying Helsinki from Japan had to be paid by themselves. The 30.000 participation fee includes, rents for exhibitions, shipping fees for equipment, "expenses for staff from Japan" and "expenses for interpreters and staff".

But Japan Week was trying to find interpreters and staff in Finland who can work for them as "volunteer". Volunteer interpreters / staffs were offered 7 EUR per hour payment. Which is very low hourly wage in Finnish standard.

I have visited one of their events in Annantalo. Although many Finnish visitors to this event seemed very happy, I couldn't fully enjoy it. Here are reasons and findings from the event:

1. Big company exhibiting, but only "volunteer" interpreters

There was at least one company exhibiting their products. Which is weird especially while those participants from Japan are paying their fees and airfares and end up getting underpaid interpreters, possibly this company is paying for their participation. (Especially one was a "popular" publishing company POPLAR Publishing Co.. Why didn't they exhibit in Kirjamessut anyway?)

2. They also exhibit Japanese culture of disrespecting interpreters and translators

There were several well-skilled interpreters who can interpret between Finnish and Japanese, but others were "volunteer" staff who somewhat speak English or just participants speaking English. Where were promised interpreters? Oh, and some Finnish written posters that supposed to tell people about cultural stuff didn't make sense. Possibly because of underpaid translator/interpreters?

3. "Volunteer" interpreters is necessary to Japan Week, but only the organizers get paid

I have asked a Japan Week staff, who seemed to be involved to the event more than "volunteers" about the issue I mentioned on [2.], and he told me that the participation fee goes for those things I have mentioned on the second English written paragraph. I asked if he also works for this event for 7 EUR per hour, and he said something like

(We) have to prepare a whole year for the events, so (we) get more (money)


And yes, some people involving in Japan Week do get salary and employee benefit, according to their income and expenditure budget infomation.

Some of the "Objectives of Japan Week" mentioned on IFF's website are following:

1. Promotion of mutual understanding and friendship with host countries
2. Promotion of Japanese art and culture, also the introduction of a broad range of subjects relating to Japanese art and culture
3. Development of an international awareness and understanding among the Japanese people

I don't think interpreters, who are the keys to mutual understanding of people and cultures should be treated like this. Especially while some get real payment for what their work, and especially because participants were taught that they are paying for interpreters, not "volunteers", and most of all it was the organizers side who is wanting to have interpreters.




10月21日から26日まで、ヘルシンキで公益財団法人国際親善協会(IFF)による第40回ジャパンウィークというイベントがヘルシンキで開催されました。

先月「通訳の仕事なめすぎ…ヘルシンキ市で開催予定のジャパンウィークが低賃金の謝礼でボラバイト募集中」という記事を書いているので既にご存知の方もおられるかもしれません。

そのイベントの一部ではありますが、実際にAnnantaloで行われたイベントを見に行き、スタッフの方にも少し話をしてきましたのでそれについて書かせていただきます。が、長いのでまずは要約版を。

「フィンランド側の来場者はおおむね満足しているものの、一番の問題は運営側は給料をもらいながらもイベントの実現のために欠かせないはずの通訳をボラバイトで済ましていることにあります。」

この問題を以下の三点を通じてみていきましょう:

1.ボラバイトがいるイベントなのに企業からの出展がある

2.通訳/翻訳業の軽視が世界に広まる日本の文化か

3.必要不可欠な存在はボラバイトでもジャパンウィークのスタッフには給料が出る



まずそれらを詳しく説明する前に、前述の「通訳の仕事なめすぎ…~」の記事ではヘルシンキ大学のアジア研究コースの学生たちに送られてきた通訳スタッフボランティア募集メールを紹介していましたが、それに続報があります。アジア研究コースの学生たちはこのメールに対して「ジャパンウィークは参加者から通訳料を含む料金を預かるのに、フィンランドの清掃員の時給よりも低い謝礼が払われるボランティアで通訳を済まそうとしているが、そのお金は一体何に使われているのかという疑問が生まれざるを得ない」などとメールを送っています。これに対し公益財団法人国際親善協会の事業部のほうからも返事が返ってきており、このようなことが述べられていたそうです。

そこには一人あたり3万円の参加登録料は「ジャパンウィークの運営費用」に充てられており、会場に関わる費用や日本からのコンテナの輸送費、「日本からのスタッフ費用」などに充てられており*、毎年「何とかやりくりして」いる(メールではこの部分にわざわざ下線が引いてあったよう)と述べられています。
なお日本からジャパンウィークに出展/出演する参加者は3万円の参加料を払ったうえで旅行代は自腹です。

また、このようにも記してあります:

限られた予算内でこの「手作り」のジャパンウィーク運営にて、私共は日本文化を通じて国際交流を図ろうとしている

それを踏まえたうえで、実際のジャパンウィークの様子を見ていきましょう。







私が行ってきたのは、Annantaloという文化施設で行われたジャパンウィークのイベント。この日は日曜日だったこともあり多くの方が足を運んでいました。そこでは、折り紙、書道、着付け、生花、祭りや伝統玩具、伝統工芸や手芸などなど、様々な日本文化が展示されていました。でも私はこれを純粋に楽しめませんでした。その理由は以下のとおり。



1.ボラバイトがいるイベントなのに企業からの出展がある





企業からの出展(例えば出版社であるポプラ社)があったのは意外でした。なぜって、通訳がボラバイトスタッフで賄われている「手作り」のイベントですから、企業がまるで自社の宣伝でもしているかのような展示を行っているのは予想外でした。企業を背負って「手作り」イベントに出展するということは、ジャパンウィークの後援でもしているのでしょうか。それとも企業が広報予算から捻出したお金を使って出展しているのでしょうか。ただ明記しておきたいのは、私が訪れた時点では企業出展ブースにはパッと見では通訳ボラバイトはいないようで、来場者とはブースの係りの人が英語で話をしたということ。

しかしながらもう一つ記さないといけないのは、子供向けの絵本の朗読も別室で行われており、そこには能力のある通訳者(在フィンランド日本大使館も関わっていたMalmitaloでの日本イベントでも働いていた方)が通訳として参加していたということです。これがそもそも(展示内容が絵本であった)ポプラ社による朗読のイベントかはわかりませんし、この通訳者の方がジャパンウィークのボラバイト通訳として働いていたのか、それとも企業側から正当な対価を支払われていたのかどうかは不明です。同時にこの週末には「Kirjamessut」と呼ばれる本の見本市がヘルシンキで行われていますが、ポプラ社はそちらには出展していないよう、どうせなら本の見本市で日本をアピールすればいいのに。変な話です。

なお、物品の販売は禁止されているようですので直接の販売はありませんが、試食が可能なブースなどはありました。中にはNPOや手芸のグループなどで純粋に展示を行っている(つまり展示がどれだけ素晴らしくとも金銭が直接的に絡んでこなさそうな)ようなところもありましたが、その一方で一部には商機をつかむために参加をしているように見えるものもありました。

一部の企業の宣伝的なブースの存在と、「ボランティア」として扱われている手伝いや通訳を任されるスタッフの存在との間にはちぐはぐな違和感が感じられます。



2.通訳/翻訳業の軽視が世界に広まる日本の文化か

まず記しておかないといけないのは、この日は日曜日だったということ。そして、ジャパンウィークでは平日にも通訳ボラバイトを募集していましたが、この依頼が届いた私の身近な人たちは「賃金が低い上に平日にボラバイトは仕事/勉強があって無理」と断っていたことです。つまりこの日に私が確認することのできた通訳者たちは日曜日だったから参加している可能性があるということ。

そして通訳のボラバイトは、ジャパンウィーク開催の前の週でもまだ「たくさん探している」状態だったようで、私にも声がかかっています。一部ジャパンウィークの日程と被って日本の高校から800人のフィンランド視察もあったとのことで、そちらでも通訳が募集されていたため(そしてこちらではちゃんと通訳に賃金が出ていたそう)、特にこの時期に低賃金で働くボラバイト通訳者を見つけるのは難しかったと考えられます。

Annantalo内では2つの階にわたって展示やワークショップが行われていましたが、日本語とフィンランド語のできる通訳者がいたのは一部のブースのみでした。日フィン通訳ボラバイトをされている方の一部は、前述したMalmitaloでの日本イベントで働いていた方(でも前述の人とは違う)や、他の日本語-フィンランド語のしっかりした通訳能力のある方もおられました。ボラバイト通訳を断った知り合いの中には、「所属している団体を通して参加要請があったから義務感があったが仕事があることにして断った」という人もいたので、もしかしたらその義務感から渋々参加している人がいる可能性も否定出来ないでしょうし、もしそうならばそれは「ボランティア精神」には反する参加といえるでしょう。

日フィン通訳が居ない場所では、各展示ブースの日本から来た参加者や、フィンランドで学んでいる学生さんなど(こちらはボラバイトスタッフとのことでした)が、英語で来場者とコミュニケーションをとっていました。





また、各ブースの壁やテーブルにはフィンランド語で説明があったのですが、そのほとんどが意味は通じるものの(フィンランド人いわく)「フィンランド語を学んだ日本人もしくは、まったく翻訳という概念を理解できないフィンランド人によってなされた質の悪い翻訳」とのこと。






「質の悪い翻訳」と評価されたものの、その一方で来日経験のあるフィンランド人は、この会場で見た翻訳は「日本の観光地や美術館の英語での説明よりもまし」とも語っていました。つまりこれは日本では一般的に翻訳や通訳が軽視されており、他国でもその質の低さは知られているということです。

翻訳や通訳を自ら行う身としては、「通訳/翻訳を軽視してお金をケチるから質の悪い翻訳になるんだ、ざまあみろ」と言いたくもありますが、母国日本の文化を紹介するためのイベントがこの有様なのはただ悲しいのが正直なところ



3.必要不可欠な存在はボラバイトでもジャパンウィークのスタッフには給料が出る

ジャパンウィークの(正規の?)スタッフとして参加しておられる方に、「参加者は通訳人件費を含む用途に使用されるとのことで3万円の参加費を払っているようだが、通訳は7ユーロのボランティアだ。あなたも時給7ユーロで働いているのか」などと尋ねたところ、

参加費用は輸送費や会場使用料、人件費に充てられている。(賃金は)毎年開催するイベントを企画しなければいけないのでもっと貰っている

といったようなことを話されておられました。(ジャパンウィークの会計詳細については職員給与や福利厚生、交通費も記された収支予算書をウェブサイトから見ることができます。)

国を跨いだ大きな規模のイベントの企画なんて誰もができることではありませんから、正当な(かどうかは不明ながらボラバイトスタッフ以上の)対価をもらって当たり前でしょう。でもそれは通訳の仕事だって同じこと。きっと運送会社や会場だって時給7ユーロではなく正当な対価を払ってもらっているはずでしょう。(会場に関してはヘルシンキ市などが手助けをしている可能性はありますが)

ジャパンウィークのボラバイト通訳が関わるイベントの中では、学校訪問もあったようです。いくら学業が世界トップレベルのフィンランドとはいえ、小学校低学年では母語のフィンランド語やスウェーデン語ではなく、英語でコミュニケーションをとることは難しいです。ましてや一部日本からの参加者の話していた片言の英語では「日本文化を通じて国際交流」を図るなんて絵に描いた餅でしょう。ちゃんとした通訳を雇わない限りは。

それに日本からの参加者は日本の文化を伝えるボランティアとして自腹を切ってフィンランドまで渡航しているわけです。それに加えて「ボランティア通訳」ではなく「通訳やスタッフの経費」も含まれている参加費を払っているつもりで。そこにボラバイトで雇われている通訳者が居て成り立っている。そんな中でもっと仕事をしているからと言って給料や福利厚生(羨ましい)を貰っている人がいるわけです。

本来ならば利害を超えて関わることのできるものこそが「ボランティア」であるはず。ボランティア精神で成り立っている建前のこのイベントで、主催側だけ福利厚生や交通費までちゃんと給料をもらっているのであれば、これを「手作り」のイベントだなんて自称するのがおこがましく感じられないでしょうか







ただ、私は批判だけするつもりはありません。このイベントはこの納得出来ない現状でも文化交流としては意味をなしていないことはありませんし、来場者はもちろんのこと、少なくとも一部のボラバイトは「かなり疲れてはいるが楽しんでいる」と述べていました。





私の友達の間からも、Kamppiショッピングモールで行われたオープニングイベント、Savoy-teatteri(サヴォイ劇場)で行われた琴や舞書、Wanha Satamaで行われていたアート展、などなど、大いにジャパンウィークを楽しんだと感想を教えてくれる声も聞かれます。(もちろんそこには言語を必要としない文化交流の展示や演目も存在しているということは頭においていただきたいですが)

また、フィンランド側でこのイベントに関わっている方は

フィンランドの国の大きさを考えると、これほどの規模の日本文化を紹介するイベントを自国で行うのは難しく、こういうイベントを開催してくれるのはありがたい。

と語っておられました。イベントの趣旨としては悪いとは思いませんし、うまくいっていないことはないのです。でも「失敗してないからいい」とは思いません、特に日本の文化を伝えるという大看板を自ら背負うというイベントなんですから。だからこそきちんとしてもらいたい



ジャパンウィークは同サイトによれば以下の5つを目標としているようです。

1.開催国との相互理解・友好親善の促進
2.日本の芸術・文化の振興と幅広い紹介
3.国民の国際感覚・国際認識の醸成
4.地域の活性化・国際化の促進
5.郷土芸能等の文化遺産の保存・継承に貢献
6.姉妹・友好都市交流の推進

そんな目標を掲げる中で、よその国へとお邪魔して日本の文化を伝えようというときに、そもそもその国の言語を話せる通訳者の必要性を認識しながらも、イベント主催側と同等の立場にないボラバイト扱いで「相互理解・友好親善」なんて促進できるでしょうか?

また、「芸術・文化の振興と幅広い紹介」ともありますが、今回のイベントで見られたようにその国の言語できちんと紹介できていない場合、もしくは相手が理解するとも限らない英語を用いて、本当に芸術や文化が紹介できるでしょうか?通訳/翻訳というのはただ単純に言葉を額面通りに受け取って対応する言葉を吐き出す仕事ではありません。両方の文化と言語を知ってこそ可能なことであり、その点ではたとえ両国の参加者が日常会話レベルの共通語(例:英語)を持っていたとしても、能力のある通訳を通して会話をするのとは、相互理解、文化交流のレベルが違うのです。

そして何よりも日本の文化を伝えたいと日本からやってきたジャパンウィーク側が、イベントの実現のために欠かせないはずの通訳をボラバイトで済まそうとしたということは失礼にもほどがあります。しかも通訳ボラバイトを日本で探してくるのならまだ面子も保てるかもしれませんが、そうではなく開催国で搔き集めようとしているのです。しかも、日本からの参加者は「通訳費用」を払っているはずなのに。

3番目の目標にある「国民の国際感覚・国際認識」はジャパンウィークをもうすでに40回も様々な国で行っているはずの主催側がまず「醸成」しないといけないでしょう。目標に対する計画、予算配分が甘すぎます。



また、最後になりますが、この投稿はただ自分の価値観に照らし合わして納得がいかないために、それを周知するため、疑問に思ってもらうため、深く考えてもらうために、自らの体験と認識の及ぶ範囲の事柄を記しているものです。

そして、私は一部ジャパンウィーク参加者に対して「手伝えることがあれば言ってほしい」と伝えていましたが、それはもちろん偽りではありません。私は現在ヘルシンキに滞在しており、日本語、英語の通訳経験もあり、フィンランド文化への知識がありフィンランド語も片言ならば話せます。そのうえで、自らの利害を超越して知り合いを手伝うことができれば、という意味で言った言葉です。

私自身もボランティア(今となっては偽善的な響きに聞こえますね)もとい、自主的自発的に利益を求めずに日本とフィンランドの文化交流的な展示を行ったことがあります。その時の参加者たちは皆各自仕事がある中で時間とお金を出し合って行いました。もちろん今回のような大きなイベントでは、このイベントのためだけに働く人も必要でしょう。参加者から参加費をとっていますし、日本政府のブースもありましたし、企業や、フィンランド側からも何らかの支援を受けているとも考えられます。そんな中で本当に目標に掲げるように「相互理解」、「日本の芸術・文化の紹介」が行いたいのであれば、もう一度ジャパンウィークの企画のしかた、お金の使い方、そしてその在り方そのものを根元から変えていくべきでしょう。



追記:ジャパンウィークのウェブサイトは前回の記事の執筆以降様、10月1日に変わりして近代的な形相に。それに伴いFAQページには言語に関する質問と回答がありました。そこでは「言葉(外国語)ができないのですが大丈夫ですか?」という質問に対しこんな答えが記されています。

言葉(外国語)ができなくても大丈夫です。

当財団でボランティア通訳を手配します。プロではありませんが、訪問交流や舞台公演、展示・実演にもスタンバイしています。ご安心ください。料金は参加登録料に含まれます。

これにより、これ以降ジャパンウィークに日本から参加される方には語弊が生じないかもしれません。それでも、ジャパンウィークの開催に不可欠な通訳を現地でろくに給料も払わずに調達していながら、主催側スタッフには給料が支払われているという運営姿勢が今後も変わらないのであれば、それはジャパンウィークが自ら掲げる目標には反していますし、世界に対する日本の印象を悪くすることでしょう。


批判があればコメント欄でどうぞ。


(abcxyz)

2014年10月20日月曜日

プラハで見つけた日本:お洒落なラーメンバー(と片言の日本語を話す店員さんの居る可愛い小物屋さん)




プラハにもやっぱり怪しげなお寿司屋さんはたくさんありますが、こちらはなんだかファッショナブルなラーメン屋さんです。

中には入っていないのでお味の方は分かりませんが、メニューの方は「醤油、塩、味噌」などの一般的なものから、うどんや焼きそば、照り焼き、枝豆、など一通りそれらしいものがそろっているよう。ただ、お値段はチェコの基本的な物価の安さを考えると(そして「ラーメン」という食べ物に私が持っている価格帯のイメージから考えると)、ラーメンが200コルナ程度(日本円で1000円くらい)というのはやっぱりお洒落なレストランという立ち位置なんでしょうね。今度入ってみようかな。


---追記---





その右隣には、カラフルで可愛らしい多種多様な小物をたくさん集めたお店があるのですが、そのお店の中には「1・2・3・ダー!」を含む片言の日本語を話す店員さんがいました。その店員さんと適当な日本語で会話をしていたら、帰り際に出口に立っている警備のおじさんも「サムライ!」と言ってくれた、楽しいお店でした。また、フィンランド語も「モイモイ、キートス!」と話していましたよ。


(abcxyz)