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2016年5月13日金曜日

フィンランドで菜食主義の人に会ったら言ってはいけないこと

「肉も食べなよ」、「好き嫌いするなよ」

フィンランドでベジタリアン(kasvissyöjä)やヴィーガン(Vegaani)の人に会っても、そんなことを言ってはいけません。理由を聞けば喜んで答えてくれる人もいるでしょうが、あなたの持つ価値観で相手の価値観を判断したり、価値観を押し付けてはいけません。これはフィンランドだからではなく、どの国のどんな価値観の人に会っても同じことが言えるでしょう。

ヴィーガンとは完全菜食主義のことで、これは動物由来のものは食べないという主義。ベジタリアンはある意味広義の菜食主義でもあるが、肉を食べないという意味でも使われており、中には「魚は」、「卵は」、「牛乳は食べる」などの人もいます。フィンランドでは私の周りにベジタリアンもヴィーガンもどちらも普通に存在します。

日本での菜食主義の扱いやとらえられ方があまりにも偏っていると思うので書いておきましょう。日本では菜食主義に対して、「動物愛護」とか「健康のため」という、どちらかといえば「彼らは利己的な理由で菜食主義をしている」という見方や報道が多いように見受けられます。それらが事実である場合ももちろんあります。

しかし、フィンランドで私の周りに多く見られるのはなによりも「環境のため」の菜食主義という人たちです。

これがどういうことかというと、日本の高校の生物の教科書にも書いてある通り(少なくとも私の持っている東京書籍だったかの教科書には)、「ある量のコーンを人が食べれば100人分の食料となるが、同じ量を牛に食べさせて、その牛を人が食べると24人分にしかならない」(数値はうろ覚え)。つまり、肉食をするには多くの食料を必要とし、そのためには膨大なエネルギーが使われる、ということです。世界的に食糧が足りていない状況だといわれる中で、肉食という非効率な食生活を続けることは、人類にとって良くない、ということです。

でも、それは人間にだけ悪いわけではありません。上で述べた「エネルギー」には、家畜を育てるための施設の温度管理や(忘れられがちなことですが、季節外れの植物を育てるにも膨大なエネルギーがかかっていることも頭の片隅に入れるべきです)、食肉処理、運搬なども含まれます。そして人間に食べられるために育てられている動物は(そうでない我々人間も同じですが)温室効果ガスであるメタンガスを発生させます。もちろん動物の糞尿からメタンガスを集めて発電するなどをしているところもありますが、現在それをやっているところは限られているでしょう。

また、「健康のために菜食主義」といっても、大きく分けてふたつがあると思います。日本での報道が多いのは「食物繊維やビタミンなどが豊富で野菜が健康的」だから菜食というもの。でもよく忘れられているのは、「肉食の危険性」です。WHOが発表している通り(BBCの記事)、ソーセージやベーコンといった加工肉にはアスベストやアルコール、プルトニウムと同じレベルの発がんリスクがあり、赤肉もまた、加工肉に次いで発がんリスクが高いとされています。

そしてもう一つ重要なのは、人に食べられる家畜がどんな注射を受けているのかです。大きく育てるための成長ホルモン注射、病気にならないようにするための抗生物質。これらはそれを食べる人間にも影響があるわけです。

生物濃縮の問題もあります。環境内に存在する有害物質を植物が吸収し、それを動物が食べ、それを人間が食べる。この食物連鎖の過程で、有害物質の濃度は連鎖の上に行くにつれて濃くなります。環境ホルモン(内分泌攪乱物質)や重金属などといった有害物質が生物の体内に蓄積されていき、それを食べる人間の体の中へと入ることになるわけです。(これは魚の場合もまた肉食魚のほうが有害物質が多いということでもあります。)

以上の事柄以外にも、もちろん宗教的なことから肉食をしなかったり、文化的な背景から食べなかったり、アレルギーがあるなど、一概に草食主義といっても様々な理由が考えられます。冒頭で述べたような軽はずみな言葉はハラスメント、侮辱、ケンカを売っている、などとも捉えられかねません。もちろんあなた自身の価値観も尊敬されるべきでしょうが、相手である菜食主義の価値観への理解をも示し、互いに尊重しながら生きていきましょう。


(abcxyz)

2016年2月3日水曜日

世界腐敗度ランキング2位のフィンランド、経済自由度ランキングは24位。(日本は腐敗度18位、経済22位)

米ヘリテージ財団とウォールストリートジャーナルによる経済自由度指数は、「“財産権の保護”、“汚職の少なさ”、“政府支出の少なさ”、“財政の健全性”、“ビジネスの自由度”、“労働の自由度”、“通貨の自由度”、“貿易の自由度”、“投資の自由度”、“金融の自由度”」(wikipedia)によって算出される各国の自由経済度です。

先日発表された2016年版の経済自由度指数(Heritage.org)では、1位(最も経済自由度が高い)は香港、9位にエストニア、デンマーク12位、日本22位、フィンランドは24位でした。

経済自由度指数が80~100となった上位5か国は「自由」、6位から38位の指数70~79.9の国々は「おおむね自由」な経済自由度とされています。ランキング内最下位は178位の北朝鮮で「圧制された」経済という区分けとなっています。

こうしてみるとフィンランドも日本も経済自由度は高い方ですが、同じく先日発表された世界腐敗度ランキング(ネット選挙ドットコム)ではデンマークが1位、フィンランドは2位、(日本は18位)と順位がトップ(=腐敗度が低い)であったことを考えると、デンマーク12位、フィンランド24位というのは面白いですね。

私は経済自由度指数がどう算出されているのか詳しいことはわからないのですが、例えば「ビジネスの自由度」と「労働の自由度」は相反する要素も含まれていそうです。労働者の権利を尊重すればするほどビジネス的な自由度は下がるでしょう。また、税率を高くすることで国家の福祉を維持するには、企業の負担も必要ですが、企業の負担が高ければ「経済自由度」は下がるのではないでしょうか。

海を挟んだ隣国で通貨は共通のユーロを用いるエストニアは順位が9位と高めですが、フィンランド国内からは「エストニアは会社を作る/維持するのに税金が安いし、人件費や労働保険も安い(酒類も安いし)」という印象が持たれています。

フィンランドでは、法律では何日の労働に対して何日の有給休暇があるべきと定められており、これはアルバイトにも適用されます。とはいってもアルバイトの場合は正社員とは違いシフト制なので有給「休暇」そのものは取れず、その代わりに有給休暇分の給料がもらえる仕組みになっています。

世界の国々を相手にしたビジネスで優位に立つか、それともしっかりと充実した労働・生活環境を国民に保証するのか、国造りに何を優先するのかでその国の本音が見えてくるかもしれませんね。


(abcxyz)

2016年1月24日日曜日

フィンランドの火災死亡者数は先進国一(日本は6位)。半数以上が酔っていたから。


Helsingin Sanomatによれば、フィンランドの人口当たりの火事による死者数は先進国中世界一(ロシアなどは統計に入っておらず)だそう。同ランキングでは日本は6位です。

フィンランドでは毎年90人ほどが火事により死亡し、2016年に入ってからもすでに7人火事で死亡しているそうです。

フィンランドには暖炉のある家もありますし、家の中で蝋燭/キャンドルに火を灯すことも稀ではありません(停電のためとかではなく、雰囲気がいいから)。80%が事故だそうで、タバコ、火の不始末、電気製品からの出火などが理由ですが、放火による例もあるとのことです。

火事による死亡の多くは煙に巻かれての一酸化炭素中毒による死亡だそう。多くの場合は火事に対して当人が対処出来なかったために死亡しているとのこと。たとえば60%は酔っていたために死亡したそう。そのほかにも薬や病気、高齢のために火事に対して対処できなかったんだとか。

なおシンガポールでは2008年から2010年までに火事で死亡した人はたったの一人だそう。

皆さんも火の始末には十分にご注意ください。


[via Helsingin Sanomat]

(abcxyz)

2015年12月6日日曜日

ネウボラはフィンランドの「出生率を伸ばし」たか?日本の出生率を改善するのに何が必要かフィンランド人に聞いてみた。




ハフィントンポスト日本版の記事で「フィンランドで出生率を伸ばし、児童虐待死を激減させた「ネウボラ」 つながる育児支援に日本も注目」なんていう記事がありましたが、実際のところどうなのでしょうか?また、日本が出生率を改善するのには何が必要なのでしょうか?




ハフィントンポストの記事には

一方、フィンランドの出生率は、1.71と日本の1.42に比べて高い水準(2014年)にあり、子どもの虐待死件数も減少。その背景にあるのが、「ネウボラ」であると吉備国際大学保健医療福祉学部の高橋睦子教授は指摘している。

なんて書いてありますが、実際に統計を見てみると、まずネウボラが出生率を延ばしているようには見えません。

まずはフィンランド統計局Tilastokeskusのページを見てみましょう。それによると、1969年は2.1だった出産率は、2010年は1.87、2013年は1.75、2014年の1.71と年を追うごとに出生率が下がっていっています。まずネウボラが存在している状況でも出生率が下がっている事実があるわけです。

もちろん今の出生率よりも低い数字になっていないのは(まあ来年はまた下がるのでしょうが)、ネウボラがあるおかげもあるかもしれませんが、それ以外にも要因があります。その一つは、日本と違いEU加盟国であるフィンランドは、移民・難民の受け入れを行っているということ。

Tilastokeskusの2012年の発表では「外国語を母語とする人がいなければフィンランドの15歳以下の人の数は120年ぶりに最も低い状態」であるとされており、この20年間で、外国語を母語とする母親が子供を生んでいなければ、子供の数は現状よりも5万人少ないことになるとのことです。

Helsingin Uutisetによればフィンランドで2007年から2011年の間のフィンランド人の女性の出生率は1.84外国人系の人は2.09。この4年間フィンランドで生まれたすべての子供のうちの7.1%は外国系の人が生んだとのことです。

もちろん、移民の数が全人口の5%といわれる(以前行ったプレゼンでTilastokeskusから引用した数字だけど出典ページ失念)なかで、移民系の出生率が2を超えていたところでそれが出生率全体に与える影響は微々たるものでしょうが、小数点以下が大きな違いを生む出生率に与える影響は無視できないものです。



そもそも国にとっての出生率の重要性は、その国の人口(ひいては納税者、労働者)に直接関わるものであるからでしょう。では人口の面でフィンランドを見てみるとどうでしょうか?

年々出生率が下がっていく中で、wikipediaによればフィンランドの人口そのものは毎年増加しています(ただし、増加率は年々下がっている)。

2014年では、フィンランドの人口増加の76%は移民によるものだということです。2013年にはこの人口増加の90%が外国語を母語とする人によるものだとの統計もあります

つまり、人口こそ移民のおかげで維持できているものの、移民が居てもフィンランドの出生率が減っているわけです。

生活や情勢が不安定な時には出生率が高く、生活も社会も安定した状態では出生率が低くなるとよく言われます。事実、統計局によれば人口の増加は第2次世界大戦後がピークで、一番多かったのは1945年9月、この月だけで1万2000人の子供が生まれたとのことです。ハフィントンポストの記事によればネウボラが法制化されたのは1944年ですが、日本を含む多くの国々で戦後ベビーブームが起きたことを考えると、これまたハフィントンポストのいうところのネウボラが「出生率を伸ばした」根拠にはなりません。同様に、現在生活や政治が安定している先進国はどこも出生率が低くなっています。

そう考えると日本もフィンランドも出生率が下がり、少子化になるのは当然なことではあります。



そんななかで人口を維持するために日本ができることは何でしょうか?

それは出産をしやすく、子育てをしやすい環境の整備でしょう。そのためにはフィンランドのネウボラを参考にするのも重要でしょう。しかしフィンランドの例が示すようにそれは出産率による人口減少(出生率が2以下)の歯止めにはなっていません。これまで出産/子育て環境の整備をおざなりにしていた日本が今の人口を維持したいのであれば移民の受け入れも積極的に考えるべきでしょう。(もう一つの考えとしては、わざと生活や情勢を不安定にすることでしょうか。たとえば戦争とかね!)

フィンランド人のペトラさんに尋ねてみたところ、日本で出生率を上げるために日本は:

仕事を出産にやさしい環境にしなければいけない。男女ともに産休が取りやすい環境が必要だし、産休に対する態度が変わらないといけない。会社にとって産休は高くつくから、そこには国の支援もないといけない。父親も同じく産休や育休を取るようになれば、会社にとって男性を雇うのも女性を雇うのも差がなくなるから、就職での男女差別も少なくなる。また、日本は教育の値段が高く、子供が欲しくてもお金がたくさんかかるのも問題だ。

と指摘。ネウボラに関してはそもそも出生率を伸ばすためのものではなく

階級社会の差をなくし、女性の就職する機会、家族の中の幸せ、平等な社会を維持するためのものだと思うし、そもそものポイントは、子供の死亡率を下げるためにできたもの。

だとも語られていました。ネウボラは出産~学校に上がるまでは子育てに対する手厚いサービスを提供してくれていますが、子供がある程度の年齢になればそれ以降は同様の存在がないために、学校の問題は学校で、医療問題は病院で、といった具合に、ある意味では日本と同じような環境になるとの話も。

つまり日本では様々なメディアを通じて「フィンランドのネウボラ」がまるで救世主であるかのように語られていますが、本当に必要なのは制度の導入以前に人々の出産と育児に対する考え方と態度の変化だということです。



フィンランドの人口は2014年末で547万4289人であり、同年増加した人口は2万3020人だという統計がpdfで出ています。2014年にフィンランドに移住した人は3万1950人であり、フィンランドから他国へ移住した人は1万4410人、この1万7540人の入移民超過数(国へと移住してきた人の数から、他国へと移住した人の数を引いたもの)がこの年の人口増加の76%を占めているそう。



蛇足になりますが、Lestadiolaisuusというルーテル教の一派(避妊をしない、お酒も飲まない、テレビを見ない、などの特徴がある)の多いポフヤンマー県(Pohjanmaa)地域に限るとその出生率は2.32、ヘルシンキに限れば日本の出生率より低い1.34です。

また、最近出産された友達によると、(少なくともヘルシンキの)ネウボラでは、出産後に1度、家までネウボラおばさんが来てくれるサービスも始まったそう。実際のところどうかはわかりませんが、もしかしたらネウボラ側が子供の生活環境を確認する意味合いもあるのではと推測されていました。


(abcxyz)

2015年1月26日月曜日

男女平等ランキング2位のフィンランドだけど、それでも存在する男女格差。性別職種による給与差は…?




昨年の男女平等ランキング(World Economic ForumのGlobal Gender Gap Report)で、日本は104位、フィンランドは2位でした。

でもそんなフィンランドも男女に格差がないわけではありません。フィンランドには「女の1ユーロは80セント」という言い回しもあります。これはフィンランドで女性の給料が同じ役職の男性の給料よりも少ないことを表しており、実際のところは「女の1ユーロは83セント」=男性が1ユーロ支払われるとしたら、女性には83セント支払われるという意味。その言い回しを裏付けるかのように、HOK-ElantoによるSカード会員向けの月刊誌「Yhteishyvä」が各職種の男女の給与格差を記していたのでご紹介しましょう。

それによると、

役職:男性給料  /  女性給料  (差額
*月給

管理職:6312ユーロ  /  5145ユーロ (1167ユーロ

専門職:3622ユーロ  /  2973ユーロ (649ユーロ

事務職:2753ユーロ  /  2555ユーロ (198ユーロ

サービス業と看護・介護職:2647ユーロ  /  2325ユーロ (322ユーロ

農業:2311ユーロ  /  2211ユーロ (100ユーロ

とのこと。管理職ではなんと1000ユーロ(約13万円)以上も違うんですね!


Marraskuu 2014 [Yhteishyvä]

(abcxyz)

2014年11月3日月曜日

フィンランド人の平均身長は?フィンランドと日本の比較:男女別平均身長





Sグループ(S-ryhmä)内のヘルシンキの協同組合「HOK-Elanto」が毎月発行する(ヘルシンキ地域の)Sカード会員向けの雑誌「Yhteishyvä」(「共通の利益」という意味)に面白い統計が載っていました。それによればフィンランド人の男女別平均身長は:

男性:178 cm

女性:164 cm


だそうです。Wikipedia英語版によると日本人の平均身長は、20歳から24歳のものだと:

男性:172.0 cm

女性:158.70 cm


とのことです。男性も女性も平均身長は日本人より約6センチほど高いようですね。


Marraskuu 2014 [Yhteishyvä]

(abcxyz)

2012年8月18日土曜日

フィンランドでは女性の乳首や男性の裸まで放送しちゃう (追記アリ)

本日のフィンランドの国営放送YLEのニュース。ロシアのフェミニストパンクロックバンド、Pussy Riotの裁判かなんかの報道で、Pussy Riotメンバー(もちろん女性)が十字架をチェーンソーで切り倒してるとこを映してるんだけど、普通に乳首が写ってます。もちろんモザイクなんてなし。

まあ以前にも昔のフィンランドのコメディーのワンシーンで、男性が豚の丸焼きの様に、素っ裸で皿の上に乗っかってるところ(急所はかろうじて見えない様に努めてるけど、微妙にイチモツも写ってたり)をテレビでやってたりしたので驚きはしないけれども、日本とはちょっとヌードに対する感覚も違うんだなと感じた次第です。もちろんこちらもモザイクなんてなし。

ただ、現実世界では少々使用が違うようで、知り合いは、「女性が上半身裸で車を運転するのは禁止されてる。対向車線を走る車が注意散漫になるから。」とか言っていたなぁ。工事作業をする若い男性が上半身裸だったり、上半身裸でリュック背負って歩くおじいさんとか、ほとんど素っ裸で自転車こいでるおじさんならちょくちょく見るけど。


追記:MTV3で放送していたコメディー番組『Vedetään hatusta』(イギリスの即興コメディー番組『Who's Line Is It Anyway』のフィンランド版)の中で、こんなシーンが。本物の乳首でこそ無いですけど、こういう光景をコメディー番組で放送できる(放映時間は午後7時30)のは、やっぱり感覚が違うかも?