2017年4月27日木曜日

世界報道自由ランキング2017、5年連続1位のフィンランドは3位転落。首相の「シピラゲート」事件が影響。日本は変わらず72位



なんだかもうブログタイトルを「フィンランド・ネガティブ情報ブログ」とかにしたほうがいいってくらいにポジティブなネタを書いていませんが、今回もまたネガティブな話題です。

世界報道自由ランキングでこれまでこれまで5年連続1位の座に居座っていたフィンランドですが、今年は3位に落ちました。

Reporters Without BordersによるThe World Press Freedom Index(世界報道自由ランキング)、フィンランドに替わって1位の座を得たのはノルウェー、2位はスウェーデンとなりました。日本の順位も近年、福島原発や特定秘密保護法、安倍政権のせいで下がっていましたが、今年は昨年と同じで72位でした。

フィンランドがトップの座を明け渡したのは当然ながら当ブログでも取り上げたり(風刺アニメ作ったりしているフィンランドの首相Juha SipiläによるSipilä-gate(シピラゲート)のせいです。これで国際的なランキングで正式にフィンランドの順位を下げる事となりました。今後フィンランドの報道の自由がどうなるかも心配なところです。


[via Reporters Without Borders]

(abcxyz)

2017年4月24日月曜日

ヘルシンキ中心に新しくできた寿司屋さんが失敗だった件。美味しいのが食べたかったらMakkarataloのHankoに行こう



ヘルシンキ中心部、中央駅からもすぐそばの、SokosとKamppiの間に挟まれたLasipalatsiに新しい寿司屋「Haiku」というのができていたので行ってみた。




(そもそもダルマの両目とも白目な時点で違和感を感じるべきだった…)

ビュッフェがメインのような雰囲気だが、持ち帰りや、個別メニューの注文もできる。




店内の雰囲気は良く、日が当たるととても爽やかな感じの空間になる。この店にはそれ以外にこれと言って良い点はない。




皿には魚の絵が描いてあって可愛い。黒いのは多分着色されたトビウオの卵(とびこ)。中華料理屋の寿司ではよくカラフルなとびこが乗った寿司が出る。

寿司の味は、サーモンは美味しいものの(どこに行ってもサーモンは大概美味しい)、米は固めで、日本米ではない。この程度の寿司ならどの中華料理屋/「アジア料理屋」に行っても出てくるレベルのもの。フィンランドの寿司クオリティーからすれば「平凡」レベル。

別に日本人がやっていないと美味しい寿司はできないとか、そんな人種差別的なことは思わないが、「寿司=生魚が米の上に乗ったもの」というレベルの寿司概念を元に寿司を売っている店が多いのは事実だし、「寿司職人」というプロフェッションがフィンランドに存在しない(であろう)のもまた事実だろう。そんな中で、立地条件の良さも相まってか価格設定の高いこの店が生き残ることは無理だろうな。このHaikuができる前にも同じ場所にItamae Sushiという寿司屋があったが、あれもそこまで評判は良くなかった。

しかし、寿司ビュッフェの価格がランチタイム(11時から15時)で9.90ユーロなのは許容できるが、私達が行った金曜午後6時には18ユーロと馬鹿に高い。平凡な中華料理屋のビュッフェに含まれる寿司と同じクオリティなのに、中華料理は食べられない、その上、水や味噌汁はあるが、ビュッフェに欠かせないコーヒーやお茶もない!まさかここフィンランドのビュッフェでコーヒーすらないのには閉口、非常に損した気分になった。

行くことはおすすめしないが、もしヘルシンキ中心付近で寿司が食べたくなったら、ビュッフェではないものの断然クオリティーの高いCity-Center(別名Makkaratalo)内のHanko Sushiに行くことをお薦めする。このショッピングセンターCityCenter(ヘルシンキ中央駅、石でできたおかっぱの像が立っている側の出口の道路を挟んで反対側の建物)内のHanko Sushiには、日本人のシェフが働いており、そこで働く人々にちゃんとした寿司教育をしているようで、美味しい寿司を食べることができる。






(abcxyz)

2017年4月21日金曜日

フィンランドを勝手に紹介するアニメーション『スゴいねスオミたん!』第二話のご紹介と解説

相変わらず「フィンたん」らしさも無ければ、フィンランドの紹介にすらなっていない、内容の薄いフィンたんのアニメーション第2話が公開されましたね!フィンランド大使館のウェブサイトではフィンたんを演じる声優達のインタビューも掲載されていますが、結局声優たちも特にこの仕事からフィンランドについて詳しく知ることができたことがないのが彼らのコメントからもわかります。




そんなわけでフィンランドを紹介する楽しいアニメーション、「スオミたん」待望の第二話を作りました!フィンたんのアニメなんかよりずっとフィンランドのことがよく分かるしフィンランド語も出てきます!





前回のキャラクターと今回のキャラクターは違う政治家を風刺したキャラクターではありますが、同じ「スオミたん」としているのは、政治家それぞれがスオミ=フィンランドを代表しているからです。

今回の動画のスオミたんは、公共の道路を民営化しようとしている交通通信省(liikenne- ja viestintäministeriö)の大臣Anne Berner。動画ではAnne Bernerを念頭に置きながらも、国の機関を次々と民営化していく現政府を揶揄しています。

Bernerは出生地はフィンランドながらもスイス人の家庭に生まれた彼女はヘルシンキでドイツ学校に通い、フィンランドで政治の道に入るまではフィンランド国籍も取得していませんでした。政治家としてのBernerは、一期だけ政治家をしたら止める事を公言(Nordic Labour Journal)しており、政治のための政治をする政治家ではなく、ビジネスパーソンとしての自らのキャリアのために政治家をしていることは明白です。

「フィンランドを自分のために利用…じゃなかった、自分をフィンランドのために役立てたいと…」の件は、「20年後どのような大臣として歴史に残りたいか?」という質問に対して「jotka hyödyntävät Suomea laajasti」、「フィンランドを利用する解決(をした大臣)」とのBernerの発言(via HS.fi)から。本当は「jotka hyödyttävät Suomea laajasti」、「フィンランドのためになる解決(をした大臣として歴史に残りたい)」と言いたかったのでしょうが…。家族内ではドイツ語で会話するBernerですが、フィンランド語も完璧に話す彼女がわざと「hyödyttävät」を「hyödyntävät」と言ったのでは(本音が出たのでは)との嫌味な見方もされています。

また国営の空港運営会社Finaviaでの巨額の損失を出した投資に関する調査をBernerが中止させたことで、この投資に関わっているのではないかとの憶測もあります。

日本でも時折見かけるフィンランドのインテリアブランドVallila Interiorは1935年より彼女の家族が経営している会社でもあります。


(abcxyz)

2017年4月8日土曜日

投票日を明日に控えるフィンランドの地方選挙が日本風アニメになった(しかも日本語吹き替え!)

駐日フィンランド大使館がフィンたんアニメを作ったからか、はたまた当ブログでアニメーションを作ったから(…では無いでしょうが)か、なぜだかフィンランドの地方選挙を明日に控え国営放送YLEのSNS動画サービス『Kioski』内で、フィンランドの地方選挙戦が日本風アニメ化されてます。





しかも内容はフィンランド人がローマ字を日本語で読み上げているようで、バッチリ日本語。イントネーションが少しわかりにくいところがありますが、そうは言っても内容はGoogle翻訳よりはしっかりしているので、ある程度日本語ができる人が作ったのではないかと思われます。

画的には各党の党首は誰もあまり本人に似ておらず、Juha Sipilä=「シピラ先輩」などは『天空の城ラピュタ』のムスカみたいな見た目に…人々の投票率を下げてしまうモンスター「低いパーセンテージ」はなんだか『ドラゴンボール』のピッコロっぽかったり。


[via Kioski]

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2017年3月13日月曜日

フィンランドを勝手に紹介するアニメーション『スゴいねスオミたん!』第一話のご紹介

先日公開されたフィンランド大使館のマスコットキャラ、「フィンたん」のアニメーションが適当すぎて納得がいかなかったので(?)、自分でフィンランドを紹介するアニメーションを作ってみました。




それがこちら、フィンランドを勝手に紹介するアニメーション『スゴいねスオミたん!』です。

フィンたんのアニメが表現できなかったフィンランドの「革新的」、「創造的」、「真面目になりすぎない」、「接しやすい」部分を皮肉と政治批判たっぷりに表現しています。第一話は本ブログでも何度も取り上げてきた「シピラ・ゲート」の話です。





フィンランド語字幕も付いていますのでフィンランド語を学んでいる方もぜひどうぞ。今後どこまで続くかわかりませんが、第二話の構想も練っているところですのでお楽しみに!

なお、「Suomi Finland Perkele」部分は(フィンたんアニメの批判記事でも記した)フィンランド独立100周年記念関連事業「Suomi 100」への風刺。最後の部分はフィンランド人の多くにとってトラウマとして知られるYLE 2の子供番組、『Pikku Kakkonen』の「弱い氷を渡って溺れそうになるクマの回」の最後のトラウマセリフ「Varokaa heikkoa jäätä」(薄い氷には気をつけて)のパロディーとなっています。





こちらがそのトラウマ回。


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2017年3月3日金曜日

フィンランド国営放送YLEに中立的報道の危機。政府がYLEの方針を決めるよう法律を変える提案。

フィンランド国会のワークグループが、国営放送YLEの方針を国が決めることができるように法律を変えようと動いています。

国会のワークグループ(政府のみならず全ての党のメンバーから成る)が、YLEに関する法律を変更し、国会がもっとYLEの方針にかかわるべきだとする提案を出しました。

この提案では、YLEの方針を政治家からなる委員会が決定するべしというもの。この委員会のメンバーとなる議員は国会の投票により決まります。それプラスYLEのスタッフ2名が委員会に参加できるという提案ですが、YLEスタッフは会議に意見を述べる権利はあるものの、投票権はありません。

今後この提案は国会で議論される事となります。とは言っても現政権は多数の憲法に則っていない提案をこれまでに行っており、憲法の専門家から「それは違憲である」と指摘され、「じゃあナシに…」と国会議員たちの時間を無駄にして結局何もならないような提案も多数しています。今後この提案がどうなるかも不明です。

しかしアイデアを出したワークグループは、この提案を元に法律を「早く変えるべき」だとしており、人々はYLEの中立性が無くなるのではないかと心配しています。YLEの中立性といっても、YLEの口を黙らせたSipilä首相のSipilä-gate事件の後ではそもそも存在したのかどうかも怪しいところです。

Sipilä-gateのようなことがもう起こらないようにするためにこのような提案が出たとも見て取れますし、その真逆でもっと政府により国営メディアをコントロールするための提案とも見て取ることができます。

国営放送YLEの受信料は、YLEが現政権の好まない報道をしたとしても政府がその予算を変更できないよう、個人の支払う税金から一定の割合が設定(年間0.68%、高くても143ユーロ。0.68%が70ユーロ以下なら払わなくてもいい)されており、国営放送ながらも中立的な報道ができるようになっています。


[via MTV]

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明日3月3日ヘルシンキ・バンター国際空港でストライキがあるのでご注意!

明日3月3日、空港のセキュリティや地上支援業務部分(特にノルウェジアン航空の)がフィンランド時間の14-19時にストライキになりそうだとのことです。

航空会社のストライキではなく、飛行機は飛ぶようなので、ストライキが始まるまでに空港でセキュリティチェックを済ませれば大丈夫だろうとのことです。しかし、運が悪ければ荷物が飛行機内に積み込まれるのが遅くなり飛行機が飛ぶのが遅くなったり、もしかしたらストライキ終了後に詰め込まれて飛ぶのが遅くなる可能性もあります。

先日までは日曜にストライキとの話だったのですが、急に話が変わり明日になったようです。Finaviaによればほかにも以下の日程でストライキが行われる可能性があるとのことなのでご注意ください。

03.3.2017 at 14 - 19 pm
06.3.2017 at 03 - 09 am
10.3.2017 at 15 - 19 pm
14.3.2017 at 03 - 09 am

(フィンランドでは日にちを先に、月が後に書かれているので、この場合は3月3日、6日、10日、14日)

なお、日程は変わる可能性もありますし、話し合い交渉で合意に至れば起きないこともありえます。また、3日以外のストライキは空港の他の業務や他のフィンランドの空港も含まれるのでご注意、詳しくはFinaviaでご確認ください。


[via Finavia]

(abcxyz)

2017年3月1日水曜日

フィンランド大使館「フィンたん」が主人公のアニメが適当すぎて見るのが辛い。(追記あり)

7歳のフィンランド人の男の子という設定のフィンランド大使館のマスコットキャラ、フィンたん。フィンランド独立100周年を記念してアニメになりました。でもその第1話の内容が適当すぎて非常に残念です。





ある日フィンたんが道を歩いていると、エアギターコンテストの英語の看板が、その次には携帯投げコンテスト、サウナフェスティバルの看板が登場し、それらにフィンたんが参加する、という内容。幾度となくフィンランドを紹介する日本のテレビ番組が紹介してきた「変な大会」を大雑把に紹介しただけの薄い内容です。フィンランド大使館のマルクス・コッコ報道・文化担当参事官は、今回のアニメの製作について「日本の方々のフィンランドに対する関心をもっと高めたいと思い」作ったと語っていますが、「関心をもっと高めたい」と思うのであればもっと知られていない内容、突っ込んだ内容にすべきだったでしょう。

フィンたんが既に知られた存在であることを逆手に取ったのか、フィンたん自体の紹介は「モイ、僕フィンたん」という以外にはなし。フィンランドという国の紹介すらありませんし、そもそも場所の設定がフィンランドかどうかもエアギターコンテストが終わるまで不明。そもそも英語の看板が立っている時点でオカシイですし、フィンランド人であるはずのフィンたんが(優勝者が切手になるほどの)エアギターコンテストの看板を見て「なにこれ面白そう」というのも変です。携帯会社Nokiaで世界中で名を知られていたこともスルーして最後に写るのは壊れたiPhone。

フィンたんは元々はフィンランド大使館のツイッターアカウントのあだ名でした。ツイッターで使われていた「なう」(今現在していることの後に付けて使用する。英語の「now」から来た)をフィンランド語にした「にゅっと」(nyt)という言葉を流行らせたり、フィンランド語の紹介も積極的にしていました。それなのに、ある意味キャッチフレーズともなった「にゅっと」すら使わず、出てきたフィンランド語の単語は冒頭と最後の「もい」(moi)と「サウナ」(sauna)だけ。ツイッターでのフィンたんの人気は、日本のアニメでフィンランドを代表するキャラクターが登場していることを知っているかという質問に対し「全て把握しております」と答えた事から出たものです。その文脈を全く無視して、後に公募で選ばれたマスコットキャラだけで人気を得ようとしている様子は、ただの張りぼて。フィンたんという人気を生み出した個性を抜きにし、その見た目だけを利用しているわけです。

「フィンランド人の革新的、創造的な部分だけではなく、真面目になりすぎない、接しやすい一面についても知っていただければ」とコッコ報道・文化担当参事官は言っていますが、果たしてこの適当すぎるアニメーションでそのどこが伝わるのでしょう。そもそものツイッターアカウント「フィンたん」が持っていた魅力を持ち合わせていないキャラクターに、魅力のない内容のアニメーションをつけて、何を伝えれるのでしょうか?独立100周年を記念して制作されたアニメがこんな適当な内容で、これを日本語音声とフィンランド語と英語の字幕をつけて世界中に発信して、フィンランドも日本も恥ずかしいとは思わないのでしょうか?

フィンランド人からもこのアニメは「適当すぎる」、「何故iPhone…」、「作った日本人はフィンランドにあまり関心がないのでは」、「予算無かったのかな」、「フィンランド側と日本側でコミュニケーションが取れてなかったのでは」などとのコメントも。更にはこんな意見も。

そもそもSuomi 100/フィンランド独立100周年記念関連事業は適当なものが多すぎる。独立100周年記念プログラムの一部となっている夏に行われる音楽イベント「Vuosisadan Kulttuurigaala」に音楽アーティストを無料で演奏させようとしているんだけど、別に寄付するから無料で演奏してとかじゃなくて、来場者のチケットで収益を得るイベントなので問題になっている。このフィンたんのアニメも100周年記念事業の適当さをよく表せているんじゃないか。

記念事業が変な事になるのは日本もフィンランドもさほど変わらないのかもしれません。

追記:「Hyvä veliじゃないの?」という意見もフィンランド人から聞かれました。フィンランド大使館のページにも記されているように「今回アニメの総監督・プロデューサーを務めるのは、フィンたんの生みの親でもある糸曽賢志さん」、つまりフィンたんのマスコットキャラを作った人物自らアニメの総監督とプロデューサーを務めているというわけ。なんだか都合が良すぎる気がしないでしょうか?また、もともとフィンたんは100周年事業として「アニメーション化もしくは漫画化を企画」されており、そのストーリーをフィンランド大使館が公募していますが、昨年9月になされているべきその結果の発表はどこにも見当たりません。フィンたんのアニメーションでは放送作家であるという「オンダユウ」氏が担当しています。

追記2:ソース表記が適当とのご指摘がありましたが、「フィンランド人の意見」部分は私がこのアニメーションを見せたヘルシンキ在住のフィンランド人たちの意見です。


YouTube [via フィンランド大使館、東京]

(abcxyz)

2017年2月14日火曜日

ヘルシンキがぎっしり詰まった一冊『The Helsinki Book』をご紹介!



ヘルシンキにスープ専門レストラン「Qulma」を持つMarc Aulénさん(下写真)。日本の旅行本などにもお店が紹介されているようで、お店に日本からの観光客が見えることもしばしば。もうしかしたらご存じの方も多いかもしれません。彼はレストランを持っているだけにとどまらず、レシピ本『Sopat!』を出版、バンドで歌うなど、非常に精力的に活躍されている方。





そんな彼が新たに出版した本『The Helsinki Book』を頂いたのでご紹介!長年ヘルシンキに住む彼が、ヘルシンキに来る人に教えたいコト、紹介したい場所の数々が、Jaeseong Parkさんによる美しい写真でたっぷり紹介されている本です。

(当ブログでもQulmaについては「Qulma x ミシュランシェフ の期間限定タパス「Q-Tapas」に招待された」の記事で紹介しています。)




本書は、まずはフィンランドの紹介から始まります。フィンランドとはどんなところか、その一風変わった文化やフィンランド人の特徴の紹介から、おもしろい行事、世界に知られるフィンランドのブランド、音楽界、スポーツ界の有名人の紹介までが、ざっと紹介されています。F1ドライバーのバルテリ・ボッタスや、パワーメタルバンドのストラトヴァリウス、ロックバンドのサンライズ・アベニューら、有名人らによる直筆のヘルシンキでのオススメの過ごし方が読めるのも嬉しいところ。

また、晩年のトーベ・ヤンソンがMarcに宛てた手紙(その現物はQulmaに行けば見ることができる)も紹介されています。フィンランド紹介の章の後には、Marcが故郷と呼ぶヘルシンキの紹介。ヘルシンキの良いところだけではなく、ヘルシンキの嫌なところも紹介されているのは一般的な旅行本と違って面白いかも。





お薦めの飲食店は、レストラン、カフェ、飲み屋など、タイプに合わせて紹介されています。おニューでお洒落なところばかりではなく、昔からあるMarcさん行きつけのところや、Marcさんが友達から紹介されたところばかり。主にそれぞれの店での自らの経験を元に書かれています。自分でもレストランを持っている人がこうやって他のレストランを紹介しているだけあって、隠れた美味しい店がわかるかもしれませんね。

ゲイバーやLGBTナイトクラブなども紹介されているのも普通の旅行本にはないポイント。でもそれらは写真もなく、Marcさん本人も行ったことがないというのはちょっと紹介しているのに無責任な気もしますけどね。(同性愛者ではない私ですらゲイナイトクラブDTMに行ったことあるのに。)

歴史あるレストランの成り立ち、移転した理由や、店内撮影禁止の有名店「Sea Horse」の貴重な店内写真も。それぞれの文章は短いので英語の長文を読むのが苦手な人でも大丈夫。





もちろん、フィンランドと言えば欠かせないサウナに入れる場所も紹介されています。観光に飽きたらひとっ走りしたい?そんな方のためにヘルシンキの距離別のランニングコースも紹介されています。他にも、音楽フェスティバル、カラオケバーなどなど、多種多様な内容が載っています。

季節の食材や伝統料理の項目は、他のページよりも文量が多くて、食に対するMarcさんの気の入りようが伝わってきます。そして最後には料理人Marcさん直伝のレシピも!





フィンランド旅行に行く人はもちろん、ヘルシンキにこれから滞在するという方、そして、もうすでにヘルシンキ在住の方にとってもお勧めできる一冊です!


TheHelsinkiBook.com

Instagram photos taken from The Helsinki Book

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2017年1月20日金曜日

häijyy 俳優?

häijyy (ハいユー) ― 「俳優」 じゃなくて 「いじわる~

「häijy」は形容詞で「意地悪」ですが、語尾を伸ばして「häijyy」というと「いじわる~」といった意味になります。

Japanese:はいゆう haiyuu
・俳優(actor)

Finnish:mean (adjective)

2017年1月17日火曜日

フィンランドセンター発行の無料誌『Koivu』はフィンランドについての知識が盛り沢山!




そういえば皆さん、、Suomen Japanin Instituuttiこと「フィンランドセンター」ってご存知でしょうか?日本とフィンランド両国の学術文化交流の架け橋であるこの組織、留学や研究、文化交流活動などを橋渡ししてくれるところなんです。

そんなフィンランドセンターが毎年発行する日本語の雑誌『Koivu』(フィンランド語で「白樺」)の2016年号は「言語、文化、教育」がテーマとなっています。

「フィンランドの言語環境」としてフィンランドでの言語教育について、フィンランドの英語教育、語学力、フィンランドの書き言葉の歴史などの他、フィンランド人が日本語を学ぶことについて、フィンランドの学校スケジュール…さらにはフィンランドの民族叙事詩『カレワラ』の日本においての歴史を『「大フィンランド」思想の誕生と変遷――叙事詩カレワラと知識人』を記した石野裕子さん、そしてフィンランドの小説『水の継承者 ノリア』を翻訳された末延 弘子さんによる翻訳家視点でのフィンランド語への眼差しなどなど、盛りだくさんの内容です。





さらに、実はこのブログ「空耳フィンランド語」も取り上げられているんですよ(11ページ)!





可愛らしいイラストは、イラストレーターのKatariina Hirvonenさんによるもの。

『Koivu』はフィンランドセンターの「フィンランドセンターとは」ページの「Koivu」タブからPDF版を無料で読むことができる他、フィンランドセンターに連絡すれば印刷版も送付するとのこと(数量限定)。フィンランドに関して興味のある方は必読の内容となっていますのでぜひ読んでみてくださいね。


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2017年1月16日月曜日

フィンランドでの日常生活を一人の日本人の視点から描いたエッセイシリーズ最新刊発売しました




フィンランドでの日常生活を一人の日本人の視点から描いたエッセイシリーズ最新刊『ある日フィンランドで、北極圏に行ってきた。―ラップランドの話とフィンランドから見たスウェーデン―』をAmazon Kindleストアで発売しました。「Kindleストア」での販売となっていますが、スマホやパソコンからでも閲覧できます。

本書の内容
今回は「フィンランドからみたスウェーデン」、そして北極圏ラップランドでの年越し経験を中心に綴っている。フィンランド人の病気の治し方にはじまり、野良猫が居ない理由、「美味しい」フィンランドの料理の話、スウェーデンとの歴史に愛憎関係、オーロラ、トナカイ、サウナまで、写真を交え、日本では目にすることのないフィンランドの姿を紹介する。

もくじ
 11月1日 冬の近づき
 11月2日 インフルエンザワクチン
 11月3日 酒とタールとサウナと風邪と
 11月6日 「美味しい」フィンランドの料理
 11月7日 冬と猫
 11月23日 「フィンランドからみたスウェーデン」
  ―フィンランドとスウェーデンの歴史関係
  ―フィンランド語とスウェーデン語系フィンランド人
  ―スウェーデンに対する感情の世代差
  ―フィンランドの王
 12月28日 北極圏へようこそ
 12月29日 サウナと雪と擦り傷と
 12月30日 トナカイとオーロラを見つめて
 12月31日 打ち上げ花火
 1月1日 新年の抱負
 1月3日 さらばイヴァロよ
 おわりに
 (16246文字)


元々「ある日フィンランドで」は、このブログを始めるよりも随分昔、2010年に何冊か書いて電子書籍販売サイト「パブー」で出版していたものです。


(abcxyz)

2017年1月15日日曜日

Disney Depicts Japanese Inappropreately フィンランドの『ドナルドダック』コミックで描かれてる日本人が適当すぎる




(下に日本語でも記しています)

Come on, it's 2017 already! And Finnish version of Donald Duck comic "Aku Ankka" has made yet another politically incorrect or rather WWII-era-war-propaganda-type-stereotypical depiction of a Japanese character.

Why is it inappropriate? If it was a comic meant for adult, then I probably didn't complain. But this weekly Aku Ankka comic in Finland is for everyone, but mainly for small children. There are many Finnish people who learned to read Finnish language with the series. Aku Ankka is read by many Finnish people, and of course there are many Asian- and Japanese-Finnish children in Finland, unless you are living in a fairly-tale land made by Perussuomalaiset (Finns Party or True Finns, a political party).

In [Walt Disney Roope-Setä: Saku on pahin](H 90109, Story by: Evert Geradts, Art by: Mau Heymans), the story depicted a strangely named friend of Scrooge McDuck, "Kiwi Kowakaveli"*, from Japan visiting Scrooge. Although he greets Scrooge and Donald "Konnichiwa", a greeting word in Japanese, he then starts to tell "In Japan, we do this and that", and some of these are something I've never heard of as a Japanese person. For example, "In Japan, it is an honor to be infected" (by visiting your business partner's house to greet his wife who is infected by a weird disease called "kirahvi-influenssa", giraffe-flu).

*Kiwi Kowakaveli isn't Japanese name at all, but probably "kivi" (stone), "kova" (hard), "kaveri" (friend, and who doesn't know Japanese often mispronounce R and L), in Finnish.





Also, I don't like that Kiwi is depicted as small eyed glassed figure who has his business suit's both sleeves put together (I've never seen anyone like that in Japan, and trust me, I'm Japanese). What this resembles to me is some WWII propaganda illustrations, but maybe without teeth showing from it's mouth, but then again a duck doesn't have any... But we aren't having the World War II anymore!





(From 1943, instead of counting sheep, let's count how many Japanese soldiers eaten by alligators. Story: Bob Karp, Art: Al Taliaferro)

I know in Donald Duck comics in the 40's has depicted Japanese people as enemies, and these comics has also published as "Aku Ankka Päivästä Päivään 194X", but that's a different thing. That's for collectors, that's for historical values (and even then, some pages were blacked out as "Donald was a bit too passionate about the war"). But this Aku Ankka comic I'm talking about is something you subscribe and arrives to your house weekly, with advertisements of video games and a fruit juice brand, clearly its main readers are children.





(Well, actually not blacked out, but more like white out, whitewashed, hmmm what's the word? On 1942 there was a one-week amount of comic strip cut out from this Donald Duck comic strip collection, and it was removed by its American publisher.)

I also know that sometimes in Aku Ankka, there can be a fictional country that has resemblance to a real country, but with different name and stuff. That's something adults can understand as a satire of the particular country. But I don't see this issue depicting a Japanese character as a satire, it's a false information. For children, who is learning about the world, either from school education, books, TV shows, movies, and comics, those materials meant for children, should be provided with a politically correct information.





For example, on the same issue of Aku Ankka, it explains about the history of the Finnish flag. And in the article, it mentions about the cross-shape the flag has as "cross-shape connects it as a Nordic flag tradition" never mentions about religious aspect (here is a hint, Christianity) of it. So the article avoided mentioning about religion, why? Trying to be more political correct, or religiously-aware? Then why not be real-world-aware? Come on Disney!





またしても。「ドナルドダック」のフィンランド語版コミック『Aku Ankka』に、変な日本人のキャラクターが登場した。日本から来たRoope Ankka(スクルージ・マクダック)の友達、Kiwi Kowakaveliだ。

このKiwi Kowakaveliという名前は、発音すれば「キヴィ・コヴァカヴェリ」といったところ、kivi(石)、kova(硬い)、kaveli(「kaveri」なら「ダチ」とか言った意味。日本人に「r」と「l」の区別がつかないということは世界的にも知られているのでそのせいかも)と分解できる。またフィンランド語で「w」(kaksois-v / ダブル・v)は最近では「v」に置き換えられてきており、あまり使用されていないために古風な印象を受ける。

メガネを掛けてスーツを着た、目の小さいアヒルで、「Konnichiwa」(こんにちは)と挨拶も日本語で行うものの、常に袖を合わせている姿などは日本的ではなく、悪い味方をすれば教科書で読んだ第2次世界対戦当時の風刺画のようだ。出っ歯こそ無いが、アヒルには歯がないので当然か。

「日本では重要なビジネス会議をする際には、相手を家に招き、家族にも会わせないといけない」ということで、RoopeとAku、そしてその場で作り上げた「偽の家族」に会わせるというストーリー。Akuの家に招待し、Akuの妻を紹介することになるが、Iinesに断られたので、仕方なく妻は感染症(キリン・インフルエンザ)に罹い寝ていることにする。しかし「日本では、感染させられるのは誇りだ」と無理に会おうとするのでAkuの甥であるヒューイ・デューイ・ルーイのどれかにかつらをかぶせ、妻のふりをさせることに…
という話なのだが、現代っ子だし親がビジネスパーソンではないので「ビジネス相手と家族ぐるみのミーティング」をするかどうかはなんともコメントできないが、感染症にかかった人物に会うことで「感染させられるのが誇り」なんて聞いたこともない。

昔の新聞に掲載されていたドナルドダックを集めた本などには1940年台のあからさまに「日本が敵」として描かれている物があり、それらも出版されている。しかしそれはあくまでもコレクター向けのもの(それでも中には「ドナルドは戦争に情熱を傾けすぎた」とのことで黒塗りになっている頁もある)。今回話しているのは毎週家まで届く購読するコミックで、そのメインの読者が子供であることは、その中の広告としてでてくるゲームやフルーツジュースの広告からも明確だ。

Aku Ankkaの作中には実際の国によく似ているが違う名前の国などもでてくる。それらは大人に向けた風刺だろう。しかし世界について学ぼうという子供にとって、学校での教育であろうが、本であろうが、テレビ番組であろうが、映画だろうが、コミックであろうが、子供に向けた教材は正しい/ポリティカリー・コレクトな内容であるべきだ。

例えば、Aku Ankkaの同じ号にはフィンランドの国旗のデザインについての解説が歴史を交えて説明されている。その中では旗の十字は「北欧の旗伝統につながる」とだけ書かれており、その宗教的な起源には一切触れられていない(ヒント:キリスト教)。なぜ宗教について触れないのか?ポリティカリー・コレクトで宗教にも配慮したな内容を目指した?ならなぜ現実世界に配慮したものにできないのか?


image by Aku Ankka 164004-17-02 N:o 2 - 11.1.2017, Walt Disney Roope-Setä: Saku on pahin (H 90109)

(abcxyz)