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2020年5月13日水曜日

コロナでテレワーク化、教育遠隔化したフィンランドに関する4つの記事

Cafe Regattaの写真

最近Real Sound Techというウェブメディアで執筆させて戴いた、コロナウイルス関連のフィンランドの記事をまとめて紹介させて戴きます。

内容としては、テレワーク関連のものが2記事と、遠隔教育関連のもの2記事となっています。

2019年4月8日月曜日

フィンランド統計局、移民が国外で受けた教育のデータを集める


数日前、フィンランド統計局Tilastokeskusから封筒が届きました。開けてみると統計局は現在、フィンランドに外国から移り住んできた人たちが、フィンランド国外で受けた教育に関する情報を集めているとのこと。

統計局によれば、どれだけどのような種類の教育を国外で受けた人がフィンランドに住んでいるのかはこれまでデータが無いとのことで、その調査のためにこれを送ったとのこと。

このお知らせは封筒に入ってきたものの、実際には封筒内の紙に記されたユーザーネームとパスワードを使用して統計局のウェブサイトから回答するようになっています。

(abcxyz)

2017年5月3日水曜日

「ヨーロッパで一番セクシーな国フィンランド」性教育協会傘下のコンドームブランドの動画が「フィンランド人みたいにヤろう」と宣伝



ストックホルムで1933年に女性医師によって作られた「RFSU」ことRiksförbundet för sexuell upplysning(英名:the Swedish Association for Sexuality Education「スウェーデン性教育協会」)。このRFSUは、学校での性教育などを始めとし、国際的に活動する組織です。フィンランド支部RFSU Suomiがある他、ノルウェーにも存在します。

避妊を制限する法律を止めさせたり、中絶する権利を人に与えたり不妊手術(妊娠できなくする手術)をする権利、避妊道具を無料にする、同性愛を合法にすることなどを目標にしています。これらの目標の内、唯一まだスウェーデンでもフィンランドでもできていないのは無料で避妊道具を手に入れること(フィンランドでは自治体によっては病院に行けば無料でもらえるところもあるけど)。国際的にも、中絶不可能な国でそれを可能にしようとしたり、同性愛が違法な国で合法化しようとしたり、といった活動もしている団体です。


そんなRFSU Suomi(フィンランド支部)が出した動画がこちら。動画の名前が「Sultan - F*ck like a Finn」となっていますが、このSultanと言うのはRFSUが販売するコンドームブランド。Sultan(スルターン)はイスラムの君主号の一つでもあります。(トップの写真はSultanではないものの、同じくRFSUの販売しているコンドーム)




「自然や教育システム、技術」などで知られるフィンランドは「セックスにも最高の国」、「人口密度は低い」が「集まるときには非常に密接で裸」、だからフィンランド人は自分の(裸)体を恥ずかしがらないし、他の人の裸体に対してもそう…ロマンチックな白夜に、その逆に「なにが起こっているのかさっぱり」わからなくなる漆黒の極夜。「リベラルな性教育と性の平等」のお陰で人々はコンドームを使ったセーフセックスをするし、スーパーマーケットで「コンドームやセックストイ」が買える。「フィンランド人の率直さ」はすぐに「本題に入る」助けになる。

「素晴らしいセックスには、お喋りとかいったロマンチックな表現などいらない、心地よさがあればいい」、「だからつべこべ言わずにフィンランド人のヤり方でヤろう。フ*ック・ライク・ア・フィン」。

といった内容の動画。つまり、「コンドームを使って、フィンランド人みたいに安全に、でもいっぱいセックスしよう!」という内容ですね。なお、Sultanのすべての売上は、性教育、夫婦関係に関する相談や情報提供など組織の方針に沿った活動に用いられています。またRFSUではその活動の一環として、「半分のフィンランド人は性欲のなさの問題を誰とも相談しない」、「フィンランド人の59%はセックスは人生に不可欠だと考えているが、セックスライフに満足しているのは半分以下」、「北欧の中で一番コンドームを使うのはフィンランド。それでもコンドームを使うのは25%」などの調査なども発表しています。

なおフィンランドでは経口避妊薬(所謂ピル)での避妊も多く、出産年齢の女性の25%くらいだそうです。

事実かどうかは知りませんが、「日本で一番人気の避妊方法は中絶」なんて話もきかれる日本。話半分なんでしょうが、日本では90年台経口避妊薬を日本で販売しようとしたら日本の医療業界はリスクを過大評価したために経口避妊薬の認可が難しかった(99年には認可)そう。これには女性がすぐに避妊できるようになると、これまで儲かっていた中絶クリニックが潰れてしまうから、経口避妊薬への反対が大きかったのだ、などという話も耳にします。なお筆者の出身地鳥取は中絶率が日本一です。全く誇れません。

とはいえ経口避妊薬、最悪の場合死亡するケースもあり、フィンランドでも死者は出ています。先の話も、薬を日本で売りたかった薬会社からの視点の話、というだけかもしれません。どの薬にも危険な副作用が出る可能性はあるわけですけどね。なお、最近はフィンランドでも健康への影響が心配され経口避妊薬の使用率は減ってきているそうです。

他にも避妊リング(ホルモンを用いるものや銅を用いるものとか)などの子宮内避妊用具、女性版コンドームとも言われる「ペッサリー」、不妊手術(パイプカットとか、卵管を結ぶとか、で妊娠できなくする手術。一度してしまうと戻せない可能性がとても高い。フィンランドでは30歳以上になれば可能。周りでもこの手術をした/したいという話をたまに聞く。)、など避妊には色々な方法があります。でも、きちんと使えば避妊率98%と言われるコンドーム、HIV、性感染症や妊娠のリスクを減らすためと思えば安いもんだし、買うことも恥ではありません。

皆さんもコンドームを使って、フィンランド人みたいにセックスライフを送りましょう(笑)。


YouTube [via HS.fi]

(abcxyz)

2016年11月23日水曜日

連載・さらば教育立国 節約政治のために犠牲になる子どもたち

フィンランドでは「Varhaiskasvatus」(未就学児童教育)という、保育士など専門家による教育を受ける権利がすべての子供にあります。これには保育園/プレスクール(0歳から就学直前まで行く)が含まれ、フィンランドの全教育システムの一部となっています。ただ「乳幼児教育の知識のないただの親が子供に教える」のとは違う、保育士「Lastenhoitaja」(専門学校資格)、と幼稚園教師「Lastentarhanopettaja」(大学学士資格)による専門性のある教育です。

しかし、両親がフルタイムで働いていない、もしくはフルタイムの学生の場合、その子は保育園には半日間しかいられないという法律が今年から施行されました。

例えば片親が主婦/主夫である場合や仕事をしていない(失業している)場合や、私みたいなフリーランサーも含まれます。しかし、それだけではありません。家計が苦しく、片親がパートタイムをしている場合や、両方の親がパートタイムをしている場合もこれに含まれてしまうのです。

つまり、あなたがパートタイムで仕事をしている場合、あなたの子供は午前中のみの半日間しか保育園に行けず、あなたは午後のシフトを取れなくなりますし、長いシフトを取ることもできなくなります。

これを実施するかどうかは各自治体が決めれる事になっており、例えばヘルシンキ市やタンペレではこんな馬鹿なことは実施していません。しかし、ヴァンター、クオピオ、ユヴァスキュラ、オウル、ラハティなどではこれを実施しています。

みんなが決まった時間にいれば子供を管理するのは(この後に出す例と比較し)容易ですが、半日間保育園にいる子供(8時~12時)と全日保育園にいる子供(8時~大体17時)が共に存在することにより、一部の子供のためにアクティビティの時間調整をせねばならず、結局「節約」とはならずコストがかかってしまうよう。クオピオではこのために結果節約が出来ずコストが増えてしまっていますし、ユヴァスキュラでもほぼ節約になっていない状況。

なんともバカげた話です。しかしもっと酷い話もヴァンターから聞こえてきました。

フルタイムの保育園では朝食と昼食が出ます。しかしヴァンターでは半日間(8時から12時)しか居ない子供の食事を「節約」しようということで、朝食を抜きにすることに決定。でも同じ保育園内で朝食が出る子と出ない子が生じるとおかしいということで、部屋を分けて半日間しかいない子には朝食時間を教育/遊びに充てました。しかし、「みんなが食べてるのにボクは食べてはいけないの」と子供から悲しむ声が出て、親がこんなのおかしいとクレーム。保育園側は、「じゃあ半日間しかいない子の朝食は親が払えばOKにする」と決定。

しかしこれにはフィンランドの文部科学省からもクレームが。まず、保育園はすでに親から料金を徴収しているにも関わらず、一部から朝食に対して追加料金を取ることは駄目。これはすべての食事は料金に含まれているから。そしてそもそも、食事が保育園で行われている場合は、全員が参加しないといけない。とのお達しが。保育園は「食べてばかりだと教育時間がなくなる」と反論しますが、これに対し文部科学省は「保育園生にとっては食事も教育だ」と鋭い答え。

フィンランドの子供の権利を守る団体Central Union for Child Welfare(子供福祉組合)も、EUの欧州社会協議会に対し「これは子供の不平等を生み出す」と訴えかけているところ。

まあ、そもそも保育園に入れるか入れないかで問題になっている日本からすれば半日でも保育園に入れられるというだけで羨ましいことかもしれませんけど。


[via Helsingin Sanomat, Helsingin Sanomat 2]

(abcxyz)

2016年6月9日木曜日

汚職が低いはずのフィンランドのトンデモ文部大臣。教育節約のGrahn-Laasonenが委員会を通さず運動施設に巨額出資

Sanni Grahn-Laasonen文部大臣(Kokoomus/国民連合党)は、大学からお金を節約させたことで悪名高い人物です。

そんな節約政治で有名なGrahn-Laasonenが、なんとスポーツ委員会を通すこともなく誰にも相談せずにTampereのスポーツホールを立てるお金として1800万ユーロの国の予算を使う決断を下しました。特別大臣権限(特別な理由があれば大臣が勝手にできる)だという理由ですが、実際に特別な理由は見当たらない…。

国のスポーツ委員会(スポーツ施設と支援の必要を判断する専門家を有する委員会)はTampereの施設は400万ユーロ程度の支援があれば作れるという判断を下していました。一方Tampereの市議会議員はTampereの負担を決め、政府からの支援がなくても(400万ユーロなしでも)建てれると決定していました。そんな中での1800万ユーロの出資。

なんでもGrahn-Laasonenが大臣になれたのは友達であるKokoomus党首で財務大臣のAlexander Stubb(「Hyvä veli」)のおかげ。一方でKokoomusの先輩たちは「こんなバカな人を大臣にすべきでなかった」とGrahn-Laasonenを抜擢したStubbを嫌っているよう。それもあってKokoomusの党首選挙ではStubbが落ちそう、でもStubbが落とされたら後ろ盾を失ったGrahn-Laasonenも大臣から落ちるかも…。そんなStubbの支援者はTampereのKokoomusにたくさんいるらしく、なのでTampereにお金を出したらStubbが選ばれてGrahn-Laasonenの首もつながるかも?という見方をフィンランドの夕刊紙Iltalehtiが報じています。

1500万を超えるスポーツ施設への出資は欧州委員会からの許可が必要。なので今年末には欧州委員会でこの出資が審議されるということ。ただ、今年末というのは党首選挙の後。なので「Tampereにはお金をだそうとした」という印象を植え付け選挙では成功しながらも、実際には欧州委員会により出資は止めさせられることを狙っているのではという憶測も。

[via Iltalehti]

(abcxyz)

2016年5月17日火曜日

連載・さらば教育立国 好調な日芬関係を無視した節約でアアルト大学の日本語教育も終焉か

これまでは何度ヘルシンキ大学の「節約」を紹介してきましたが、今度はアアルト大学(Aalto yliopisto)の「節約」を紹介しましょう。

フィンランドの有名な建築家 Alvar Aaltoの名を冠したアアルト大学では、現在居る日本語の教授が退職後、新たに日本語の教授を雇わないことに決定しました。

アアルト大学では日本語は、英語、ドイツ語に次いで3番目に人気の外国語だそうです。

もともとヘルシンキ工科大学、ヘルシンキ経済大学、ヘルシンキ工業デザイン大学が合併してできたのが「アアルト大学」で、日本との協力も盛ん。工業、ビジネス、デザインの大学なので、将来のキャリアが日本とつながる学生も少なくありません。

アアルト大学はこれからも学生は日本語を勉強することはできるとしています。しかしこれはほかの大学を通じて、ということなんです。例えば、ヘルシンキ大学の外国語センターで。外国語センターでは学生の専攻を問わず言語を学ぶことができます。

ヘルシンキ大学は、アアルト大学の学生がここで日本語を学ぶのもかまわないが、ヘルシンキ大学でも日本語は人気があり、ヘルシンキ大学の学生を優先するから学びたくても学べないようになるかも…と考えているよう。

しかも、ヘルシンキ大学の外国語センターでは、日本語は中級までしか学べません。日本語の上級コースは、より専門性の高い日本語学科でのみ学べるようになっています。アアルトの外国語センターでは上級日本語まで勉強可能でした。

フィンランド国会の日本友好協会の社会民主党(sd)Ville Skinnari国会議員は今回のアアルト大学の決断を「非常にばかげたことだ」と述べています。

それもそのはず、フィンランドと日本との留学プログラムも増えているし、日本とフィンランドとをつなぐ直行便も増えています。アジアからの投資では日本からのものが最大だし、日本への輸出も昨年10億ユーロ(約1.25兆円)を上回り、ビジネス関係もますます好調なところ。しかしビジネスをするには上級日本語が必要とも言われています。

木以外にほとんど資源もなく、代わりに教育に力を入れ、「脳力」をその力として活躍してきたフィンランド。しかし今の政権はそれを理解せず、目先の支出削減だけを見て教育の投資性を無視し、しかも酷いことに公約も無視して教育からも予算を節約。そしてその「節約」政治を受けて、現時点での重要性も、未来性も持ち合わせている日本との関係協力を弱めるような今回のアアルト大学の決断も理解に苦しむところです。


[via Helsingin Sanomat]

(abcxyz)

2016年5月1日日曜日

連載・さらば福祉国家 ヘルシンキ大学でクビにならないために必要なのは実績よりも「政治や家族」の力

ヘルシンキ大学でクビを宣告された生物学のHeikki Hänninen教授が、なぜ自分がクビになったのかといろんなところに聞いてみた。その人は皆から好まれているようだし、彼のおかげでお金も入ってきているそう。環境学科長は、学部トップの話し合いの中でこういう話が出てきたと:「あなたより成功していないけれども、政治/家族・親戚的な力がある人をクビにすることができず、あなたをクビにしました」と。教授としての実績は低くても、力のある家族を持つ教授はクビにならなかった。学生が困るとか大学が困るのではなく、クビにしても大学のトップが一番困らない選択がなされたとのことだ。

だがこの人は中国の大学からすぐに働かないかとお声がかかったそう。

ヘルシンキ大学からクビになったのは合計570人。それでもその多くは事務職で、クビになる教授は総数からするとだいぶ少ないようだ。ヘルシンキ大学の学生が言うには、スウェーデン語学科の成績を登録する職員がクビになり、学生たちが困ったりなどの混乱が生じているようだ。

なおここまで酷いやり方で「節約」して批判されているのはフィンランドの中でもヘルシンキ大学くらいなもの。トゥルク大学はあまり使われていない建物を売却するなどして、「節約政治」に対処しているし、他の大学でも退職した人の後に新規に雇わないことなど、より人間的な方法で節約している。

*ヘルシンキ大学全職員は8000人ほど、うち4000人ほどが教員だそうだ。学生数は1万9000人。2012年における数値。


[via HS]

(abcxyz)

2016年4月29日金曜日

「節約政治」に対するフィンランドの小規模中古書店の小さな反抗

Planeetaという中古の本屋チェーン(リンク先はそのチェーン店の一つ)が、昨今のアジア研究に対する処遇の悪さに対してささやかながら支援をしようとしている。

チェーン店の店主であるElmeri Vehkalaさんはすべてのチェーン店で、2016年末までアジア研究関連書籍の売り上げから、2ユーロをヘルシンキ大学の世界文化学科(アジア~中東アジア、アフリカの研究と地域学、文化学、古代学、宗教学などを行う)に寄付すると宣言した。


[via Facebook]

(abcxyz)

2016年4月28日木曜日

連載・さらば福祉国家 フィンランドの日本教育ももはやこれまで唯一の日本文化教授もクビに

日本語・日本文化の教授Rein Raud氏がフィンランドの文部科学省の「節約」政治を受けてクビにされることとなったよう(今年の10月にやめることに)。この役職は元々は日本が出資してヘルシンキ大学に作ったもので、これに関して、日本大使館に連絡がなされているようだ。

このため、これ以降日本語専攻の学生の学士論文、修士論文を見る人は、ヘルシンキ大学の日本語の言語学者(たぶん日本でいう准教授)一人だけとなる。だが、その方は言語学者なために、日本の歴史や社会に関して論文を読む人はいなくなる。

今後日本語を高校の選択科目にするにもかかわらず、唯一フィンランドで日本の日本語・日本文化の教授がいなくなるという変な事態に。フィンランドの文部科学省は先日「東アジア研究の中心になるようにしなさい」と支持していたにもかかわらずこんな事態にるとは。


(abcxyz)

2016年3月13日日曜日

連載・さらば福祉国家 首都大規模デモ:与党党首らに「私たちは絶対屈しない!」

昨日、政府の「節約政治」に反対するデモが行われたと書きましたが、デモ参加者によれば、その時のシュプレヒコールはこちらでした。

「Soini, Stubb, Sipilä, emme alistu ikinä!」

「Soini、Stubb、Sipilä、私たちは絶対に屈しない!」この3つの名前はフィンランドの与党三党の党首たちの名前、(Timo) Soini, (Alexander) Stubb, (Juha) Sipiläのことです。

「Perussuomalaiset / 真のフィンランド人党」党首 Timo Soini 外務大臣
「Kansallinen kokoomus / 国民連合党」党首 Alexander Stubb 財務大臣
「Suomen Keskusta / フィンランド中央党」党首 Juha Sipilä 総理大臣

このデモには1万人が集まったそう(と伝え聞くものの、一応Yleは「警察の見積もりでは8000人程度」としています。ただ、警察の見積もりはフィンランドではどのデモに対しても少なく見積もる傾向があるそう)。フィンランドの人口は約550万人なので、これは非常に大きなデモです。例えば昨年のTTIP反対デモは1000人集まっています(AFP曰く。Yleの報道では800人)。

フィンランド人ですら今の政府には希望が持てない今、果たして次期全国選挙の2019年までに国はいい方向に変わっていけるでしょうか?

政府としては、現在悪い立場にいる人たちがお互いに怒りの矛先を向けあうようになればいいとみているのでしょう。これのいい例は何かというと、世界の多くの国で状況が悪くなると政治が右翼的になる傾向がみられることです。本当の問題点を覆い隠し、例えば国内にいる移民や帰化した人、外国に憎しみを注ぐような党(例えば真のフィンランド人党とか)に人気が出るのです。

または、例えば高齢者と学生が互いに、「高齢者は年金もらいすぎだ!」、「若者は学生支援金もらいすぎだ!」などといがみ合う状況になれば、立場の悪い低所得者の負担が高くなっているにもかかわらず、高所得者の負担は低くとどまっている状況が隠されるというわけです。日本でも、中国や韓国など近隣諸国に国民の視点を向けさせようとする日本の現政府や、それに加えて国民にとっては直接関係のない芸能問題などを政治よりも大きく取り上げるメディアなども同じ事でしょう。

今回のデモでは、そんな状況にある学生、若者、失業者、高齢者、障がい者、皆が一丸となって政府に立ち上がったデモということで、私の周りではこのデモを高く評価する声が聞かれます。

なお、今回聞かれたシュプレヒコールは実は昨年にも叫ばれていたものです。昨年11月、すでに大学から節約することが決まっていた状態で、ヘルシンキ大学が式典のスピーチに財務大臣であるStubbを招待しました。教育から節約するという公約違反に、大学教授も含め1000人以上首になるかもしれない、そんな中でこの「節約」に責任のある財務大臣Stubbがヘルシンキ大学にスピーチのために招待されることが、大学の学生と職員たちの怒りを買いました。学生たちは大聖堂側のロビーでデモをしており、その時に使われたシュプレヒコールもこれと同じ「Stubb, Soini, Sipilä, emme alistu ikinä!」でした。


(abcxyz)

2016年3月11日金曜日

連載・さらば福祉国家 フィンランド首相:税金逃れを指摘されると「非常に悲しい」

国会の質疑応答でLi Andersson(Vasemmistoliitto / 左翼同盟)からの質問に対するフィンランドの首相Juha Sipilä(Suomen Keskusta / フィンランド中央党)の回答が話題となっています。


Andersson:

政府が学生や労働者の収入をたくさん切っているのに、同時に最もお金持ちの人は収入からほとんど税金を払っていないことを知りました。これは合法的な税金逃れです。あなたはこの収入の高い配当を受ける人たちをこの今行われているフィンランドの「節約政治」に参加させるつもりはありますか?そっちのほうが収入の低い学生の収入をさらに節約することより、もっと正しい選択肢ではありませんか?


この「節約政治」というのは、「国債を減らさないとヤバいんじゃね?」みたいな考えから、公約を平気で無視して、教育を始め、医療、生活保護など、様々な分野の予算を削り、大学教授たちも次々と辞めさせられている今の政権のやっていることです。


Andersson:

総理大臣自身はいわゆる"Vakuutuskuori"(税金逃れのシステムの一つ)を使って自分の財産を預けてますね。これは自分の財産を隠せたり配当を税金なしでもらうことをすることを可能にするシステムですよね。これはつまりお金持ちのフィンランド人たちが使う税金逃れの手段であります。

あなたはこの福祉社会を支援するためにこのシステムを改善するつもりはありますか?

これに対してSipilä首相は

私自身が脱税*をやっていると言われているようで、非常に傷つきます。

と答えています。

*実際にはVeronkieltoと言っている。VeronkiertoのWikipediaページを日本版にすると「租税回避」となるが、Veronkieltoは違法であり、「脱税」の意味となる。

Anderssonは「私はその違法な脱税の話はしていません、合法なものの話をしていました。」などと言ったそうです。

合法な税金逃れをしていると指摘され、違法な「脱税」はしていないと言い返す首相。これまでフィンランドが注目されてきた教育や福祉のお金は節約するのに、結局自らを含む金持ちには媚びを売っている

質疑応答の話に戻ると、Sipiläはほかにも「会社を売るときに、ルクセンブルグを経由して売るようアドバイスされたこともあったが、フィンランドに税金を払いたいために、そうはしなかった。僕はここ(フィンランド)で勉強して、ここは治安がいい国で、自分の税金の払い方で人々のモデルとなりたい。」なんて言ったそう。

「フィンランド人に生まれることは、それだけで宝くじに当たるようなもの」と言われてきたフィンランド。私の周りのフィンランド人たちも「これまでは不満があってもフィンランドに希望が持てたが、さすがに今の政府には希望もないかも」、「フィンランドの売りだった教育や福祉に回す予算を減らして、システムを壊して、今から昔の予算に戻したって、元に戻るには数十年かかるだろう。現政権の4年間でどれだけフィンランドが破壊されるのか」などと語っています。


翻訳: Petra@妙見星の下で

Yle, Iltalehti, [YLE]

(abcxyz)

2016年1月31日日曜日

ヘルシンキ大学で英語で無料で学びたいなら今年が最後のチャンス。来年からオックスフォード並みの学費に

ヘルシンキ大学ではEU圏外からの学生が、同大学で英語で過程を学ぶ場合も学費は無料でした。これは今年(2016年の秋)入学する学生が最後になるよう。

このたび政府はフィンランドのすべての大学で、EU圏外からの英語コースで学ぶ学生に最低でも学費を1500ユーロ/年を払わせるよう法律を変えました。これに合わせてヘルシンキ大学では2017年秋入学から、英語で行われるコースを学ぶEU圏以外からの学生からは授業料を取るようです。学科により、1万ユーロから2万5000ユーロ(約130万円~330万円)支払わないといけないそう。

これはオックスフォード大学並みなんだそう。ヘルシンキ大学に留学を考えている方は今年留学するのがいいチャンスかも?


(abcxyz)

2015年5月29日金曜日

フィンランド最大紙、現政権を「背骨がなく色を変えるイカのよう」と揶揄

フィンランドの現在の与党3等は、公約として「教育予算からは節約をしない」としていましたが、現在のところ、その公約は守られず、今後4年間の政府の方針として、教育を始め、医療、生活保護など、様々な分野の予算が削られると発表されました。

これをフィンランド最大の新聞Helsingin Sanomat(ヘルシンキ新聞)では「現在の政府は背骨がなく色を自在に変えるイカ*のようだ」と揶揄しています

*原文ではアオリイカ属のイカ、フィンランド語名:karibianseepia、英名:Caribbean reef squidが使われている。


Karibianseepia pettää aina [via Helsingin Sanomat]

監修:「妙見星の下で」のペトラさん

(abcxyz)