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2016年9月18日日曜日

ヘルシンキビジターズ・ガイドが紹介しないミュールマキの暗い過去



フィンランドの首都ヘルシンキを旅行する際は、無料のヘルシンキビジターズ・ガイド「Hel Yeah!」を手に入れるといいでしょう。ヘルシンキ空港内のインフォ(動画1:18あたりに映っている棚)で手に入れることができます。




ヘルシンキの観光スポットを日本語で解説し、地図も入っている便利な冊子です。そんなビジターズ・ガイド2016年版の79ページには、ヘルシンキ市を少し離れてヴァンター市(空港のある地域)の観光スポットを紹介した「週末をヴァンターで」というページがあります。ページ内で目を惹くのはミュールマキ(Myyrmäki)のミューラル(英語でmural / 壁画)。「ニューヨーク」にかけて「ミュールヨーク」(Myyr York)なんて名前まで付けられています。




でもミュールマキはいったいどんなところなのでしょうか?フィンランド人に訊いてみました。

「ヘルシンキ中心よりも所得の低い人が多く住んでいて、もっと『本当のフィンランド』が見れるところ。中心とは違い家賃も安いし、ヴァンターなので中心行くにも時間もお金もかかるけど、ショッピングセンターもあるし…治安もそんなに良くなくて、15年位前には知り合いが二人別の時にロマたち**に襲われたけどね。」

*ヴァンターからヘルシンキの運賃
ヴァンターは電車の区間をまたぐため、動画9:07あたりを参照のこと

**Suomen romani(英語でもフィンランド語でも本当は「ロマニ」だが、日本語Wikipediaページでは「ロマ」表記):
元々流浪の民だったものがフィンランドに定着したもので、れっきとしたフィンランド人だが、フィンランド系フィンランド人とは異なる文化を持つ。男女ともに白黒の衣装を着用しており、女性のドレスは胴にフラフープが入っているかのような大きさ。たいてい複数人でたむろしており、チームワークで窃盗をしたり暴力を行ったりする一部のロマのせいで悪名が高くなっているが、ロマ内部からも「これはよくない」として改善しようという声も上がっているし、有名なロマの歌手やタンゴキングなども輩出している。偏見を持つのはよくないが、独特の文化や服装からひとくくりにされやすい傾向がある。私の周りにもロマに集団で暴力を振るわれたことのある友人が複数人存在する。日本では「ジプシー」と言ったら理解が早いかもしれないが、これは差別用語に当たるので使用しないように。(また、これとは別に中央駅周辺にたむろし小銭をせびるRomanian romaniもいるが、こちらは最近になってルーマニアからフィンランドに来たロマであり、上記のような白黒の衣装は着ていない。ほかにもブルガリやなど東ヨーロッパからロマも来ている。それらの国々ではロマへの差別が激しく、フィンランドのロマとは違い学校に行ったりなど基本的な人権がないためフィンランドに逃げてきたものとされる。ただ、小銭をせびるロマは人身売買されたもので、元締めが居て集めた小銭を取られるという説もある。)




ショッピングセンターは「Myyrmanni」というところでMyyrmäki駅から渡り廊下を通っていくことができますが、ここは2002年10月に爆弾事件/事故「Myyrmannin räjähdys」が起きたことでも悪名が高い場所です。これはMyyrmanniショッピングセンターの中央で起こり、爆弾を持っていた化学工学を学ぶ19歳の青年を含む7人が死亡、166人が負傷する大惨事となりました。この事件を引き起こした青年は日ごろから爆弾を作って森で爆破させたりしており、どうやら爆弾制作が趣味だったようですが、ショッピングセンターでの爆発に関しては特に犯行声明も遺書などもなく、これが意図的な爆発だったのか、それとも意図しない事故的な爆発だったのかはいまだに謎です。




また、これとは別に、同ショッピングセンターでは(上記の事件/事故とは無関係ではありますが)、事故現場の上は3階にわたる吹き抜けとなっており、時折飛び降り自殺や自殺未遂事件がおきているよう。(まあ、ヘルシンキ中心のショッピングセンターでは5階から地下1階までにわたる吹き抜けがあり、こちらでも時折飛び降りが起きるようですが。)

「10年ほど前はここはほんとに怖かった。まさにニューヨークの地下鉄みたいな雰囲気で、グラフィティだらけで麻薬の注射器の針が落ちてたり、暴れてる人がいたり、酔っぱらいが座ってたり、小便臭かったり…。たぶんヘルシンキ空港からの電車がここを通ることになったから、観光客も空港から中心までの区間の駅をみることになるので綺麗にしようと努力しているんじゃないか。」

今では駅とその周辺の壁がお洒落なグラフィティで覆われ、駅の1階部分には古いピアノが2台置かれて自由に弾けるし、アメリカ風(?)なダイナーもできています。



「いまではもうそう怖くはなくなったね」とのことですが、そんな不思議なミュールマキ。暗い過去を抱えながらも明るい未来を形作ろうと、未だ現在進行形で壁に絵が描かれていっています。勇気を出していってみるのもいいかもしれませんねー。




(abcxyz)

2015年12月19日土曜日

フィンランドで「フォースの覚醒」観てきたまとめ。フィンランドのお店ももっと盛り上がって~



フィンランドで公開初日に「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を観てきました。その様子や関連記事をギズモードジャパンに書いていますので興味のある方はどうぞ。

・いまいち盛り上がりに欠けるフィンランドで「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を公開初日に見てきた

記事中にもある通り、映画公開前にはほとんど映画そのもののポスターなどは見られず、HPやサブウェイなどのコラボ企業広告しか目につきませんでした。私はテレビはほとんど見ることがないのでテレビCMはどうか知りませんが、YouTubeでは公開開始数日ほど前からコタクジャパンでTV予告として紹介されているものと同様のものが流れだしたり、こちらの記事で書いたサブウェイのCMが流れたりしていました。

・サンドイッチ屋が遠い銀河系のカンティーナに?サブウェイとスター・ウォーズのコラボCM

なお、記事中には記していませんが、同CMの韓国版では来店するお客さんのうち、ライトセーバーを腰につけているお客さんの性別が逆転しているのも面白いところです。そもそもフィンランドを含む他国版のCMでは女性がライトセーバーを持っているというのも、「フォースの覚醒」が女性が活躍する映画になっているという視点からも興味深くあります。

『スター・ウォーズ』の旧三部作では、レイア姫を除けば女性が活躍するシーンがほとんどなく、しゃべるシーンに至ってはこちらのコタクジャパンの動画記事でお分かりいただけるように映画3本(386分)の中でたったの1分3秒しかありませんでした。

本編ではメインキャラクターであるレイは当然ながら、レイア、キャプテン・ファズマ、マズ・カナタなどの重要な位置を占めるキャラクターに女性が配役されています。それだけではなく、沢山エキストラが登場するシーンなどでもファーストオーダー側、反乱軍側共に性別、人種の多様性が見られました。

『フォースの覚醒』はまた、映画における性差別をチェックするためのテストである「ベクデルテスト」も合格しています。

そんな『フォースの覚醒』で劇中には出てこないものの活躍するフィンランド人女性の記事もギズモードジャパンに書きました。

・「フォースの覚醒」の宇宙人言語を作ったのは、「インチキ外国語」で有名なあの人

YouTubeでなんとなくそれらしく聞こえる「インチキ外国語」の動画で有名となり渡米したフィンランド人、Sara Forsbergさんの『フォースの覚醒』でのお仕事についての記事です。

そして、公開前こそ盛り上がりに欠けたフィンランドですが、公開開始後からは盛り上がりを見せてきています。その理由はもしかしたらフィンランドの「期待しない文化」にあるのではないか、ということで、フィンランド語の言い回し「Pessimisti ei pety」(悲観主義者は失望しない)、「Älä odota niin et pety」(期待しなければがっかりしない)、そして『フォースの覚醒』劇場にコスプレで来た人たちの写真を交え紹介した記事がこちら。

・「フォースの覚醒」公開されてから盛り上がってきたフィンランド、その理由とは

とはいっても日本の盛り上がりようとは比べ物になりません。新三部作を日本で観て、その時の盛り上がりを知る身として何にもましてつらいのは、グッズもオモチャもフィンランドではほとんど見かけないこと。

食料品店で見かけるのは『スター・ウォーズ』のイラストがパッケージに描かれたヨーグルトくらいなもの。R-kioskiにはイギリス製のストームトルーパーの形をしたチョコレートが置いてありましたが、その程度です。なお、イースターの時には『スター・ウォーズ』のチョコエッグが売られていましたが、そういった「おまけ/オモチャ付き」の『フォースの覚醒』関連商品は私が知る限りは売られていません。あまり物質主義ではない子育てという面ではいいことかもしれませんが、私のようなファンにとっては残念なところ。

オモチャに関しても種類の少なさと値段の高さ(これは物価によるものなのでどうしようもありませんが)は残念な感じです。10月末にトイザらスを訪れたときには、まあまあ数はあったものの、ハズブロかレゴの商品しか置いておらず。オモチャ屋さんであるBR-Lelutにも『スター・ウォーズ』のオモチャは置いてあるにはあるのですが、量もバリエーションも少なくかったです。子供のために『スター・ウォーズ』のオモチャを探しに来た親の姿はまま見かけるのですが、需要があるのに商売っ気はないのかな、と感じずにはいられませんでした。

Kamppi近くにあるHobbyPointではドイツのプラモデル会社Revellの巨大なミレニアム・ファルコン号モデルキットがショーウインドーに展示されていましたが、公開翌日に訪れると「『スター・ウォーズ』モノはもう全部売り切れちゃった」と言われました。ただ店舗によってはCitymarketなどでのRevell製のプラモデルがまだ販売されているところがあるようなのでクリスマスプレゼントに『スター・ウォーズ』モノが買いたい方は要チェックです。

同じスケールのものかわからないけどこんなの:




また、私が訪れた中でも一番豊富に『スター・ウォーズ』グッズを扱っていたのはなんと電気屋さんであるVerkkokauppaでした。TyynenmerenkatuにあるVerkkokauppaでは、他の店で扱っていない商品が多数そろっているほか、Hasbroのブラックシリーズフィギア(現在のベーシックフィギアやデラックスフィギアは肘膝関節が曲げられない80年代に先祖返りしたようなフィギアばかりだが、ブラックシリーズのものは作りも細かく関節も多いためポーズをとって遊べる)の価格はトイザらスよりも10ユーロ安く販売されていました。




なおVerkkokauppaには巨大なAT-ATもありました!

ちなみに、ベーシックフィギアはこんなの。フィンランドではこれでも15ユーロくらい:



こちらがブラックシリーズ。どちらも日本で買った方が断然安いです:



なお、ブラックシリーズは『フォースの覚醒』以前のフィギアは20ユーロほどで販売されていましたが、『フォースの覚醒』からはトイザらスでの価格が一体40ユーロ(約5300円、Verkkokauppaでは確か29ユーロ/3800円)と倍の値段になっています。やはり昨年末ごろから『アベンジャーズ』や『アイアンマン』などのオモチャも同様に、関節の数が少なくなったり、質が低下して価格が上がるなどの現象が起きています。(そのことについては「『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』の2.5インチフィギアシリーズを買ってしまった。なんだこりゃっっ」に記しています。)

まとまりがまったくないけど、以上です(笑)。


(abcxyz)