2016年9月19日月曜日

フィンランド最大のデザインの見本市Habitare。今年はちょっと活気がないかも?


今年も行ってきました、フィンランド最大のデザインの見本市、Habitare。でもなんだか今年は少し活気が少なかったような。私が訪れたのは一般も入場できる日でしたが、過去数年と比べ、出展者も来場者も日本人が少ないように見受けられました。






しかしそんな中でも目を惹いたのは、今年のHabitareで「MIELENKIINTOISIN TUOTE \ THE MOST INTERESTING STANDS」に選ばれた、
Harni-Takahashi Ltd.のYuka Takahashiさんによる「ADB&B multifunctional furniture」。選者はNew York Timesでデザインコラムを持つAlice Rawsthornさんです。アームチェアにもベッド/ベンチにもディヴァン(背もたれのない長椅子)にもなる可変式の家具です。




毎年おなじみ寝具の展示。




皆で輪になって座れるハンギングチェア。タイミングずらさないとひざぶつけちゃうんじゃないこれ…




あのロボットは、仏Aldebaran Robotics社のNAOかな?展示内容を確認すると「Maxwell CareのZoraロボット」とされているので、NAOをベースにしたロボットなのかも。




こちらはアート展示のコーナー。先日どこかの日本のサイトでも話題になっていたような気がする、ヘルシンキの電気屋さんVerkkokauppaの脇に立って(以前はマーケットスクエア付近にあった)立ち小便をしている巨大な子供の彫刻「Bad Bad Boy」で知られるアーティスト、Tommi Toijaの作品も。




こちらは、Katja Tukiainenの新作。彼女は2014年に東京のSpiral Art Spaceで「Boutique! —ファッションって何?アートと考える、その姿。」が行われた際に、元MarimekkoデザイナーのSamu-Jussi Koskiと共に「Girl Evacuees」という展示もしていました。





「Muotojen mestari Hiort af Ornäs」(造形の天才Hiort af Ornäs)としてフィンランドの家具デザイナーHiort af Ornäsが50年代に制作した椅子の展示を行っていました。





アンティークコーナーにはNaisten Automobiiliklubi(女性の車クラブ)とVehoniemen Automuseo(Vehoniemi車博物館、タンペレの方にある)によるレトロカーの展示も。展示付近にはNaisten Automobiiliklubiの方とみられる女性たちが立っていましたが、彼女たちのドレスがまた50,60年代っぽくて素敵でした。





アンティークコーナーは相変わらずの充実具合。

でもそれとは対照に(写真は撮っていませんが)手作りのデザイン品や小物品などを販売するコーナーは寂しかったです。期待していたPolkka Jamも見当たらず、目に付くのは海外(フィンランド外)の通信販売みたいな商品ばかり。もしかしたらデザイン関係者ではない一般来場者向けにフィンランド国内では目にすることの少ないデザイン品を展示するところに注力しているのかもしれませんが、毎年かなりの場所を取って同じ製品しか出していない(イタリアかどっかの野菜すりおろし皿を売ってるとことか)ところばかり目について残念。フィンランドのレトロなハガキやポスターを販売しているところもありましたが、Cafe Jugendに行けば買えるものばかりだし。フィンランドのデザイン見本市内に存在しながらも、デザインとしてもわざわざここに出す意味が見当たらないものばかりあっては意味がないし、お土産屋さん的なものを売りたいならデザイン博物館で売ってればいいのに、と思わざるを得ませんでした。





ことしのHabitare例年に比べはちょっと元気がない感じを受けましたが、今年は若手デザイナーの出展コーナーが広めにとられていて注目が当たっているように思いました。




なお、Helsinki Design Weekとしてはこんな感じで、Stockmanの目の前にある観光名所「Kolmen sepän patsas」三人の鍛冶屋の像をバブル(中に入ることもできる)で覆ってしまう催しも。このせいで日本から観光に来た友達がこの像を見つけられませんでした。2014年にはマーケットスクエアにあるHavis Amandaの像のためのホテルとか言って日本人アーティストが閉じ込めて周りから見えなくしてたし。ヘルシンキ市は観光名所を隠すのが好きなようで、ヘルシンキに住んでる人には普段と違って面白いかもしれないけど、それを見に来ている観光客だって少なくないだろうに、解せないね。


(abcxyz)

2016年9月18日日曜日

ヘルシンキビジターズ・ガイドが紹介しないミュールマキの暗い過去



フィンランドの首都ヘルシンキを旅行する際は、無料のヘルシンキビジターズ・ガイド「Hel Yeah!」を手に入れるといいでしょう。ヘルシンキ空港内のインフォ(動画1:18あたりに映っている棚)で手に入れることができます。




ヘルシンキの観光スポットを日本語で解説し、地図も入っている便利な冊子です。そんなビジターズ・ガイド2016年版の79ページには、ヘルシンキ市を少し離れてヴァンター市(空港のある地域)の観光スポットを紹介した「週末をヴァンターで」というページがあります。ページ内で目を惹くのはミュールマキ(Myyrmäki)のミューラル(英語でmural / 壁画)。「ニューヨーク」にかけて「ミュールヨーク」(Myyr York)なんて名前まで付けられています。




でもミュールマキはいったいどんなところなのでしょうか?フィンランド人に訊いてみました。

「ヘルシンキ中心よりも所得の低い人が多く住んでいて、もっと『本当のフィンランド』が見れるところ。中心とは違い家賃も安いし、ヴァンターなので中心行くにも時間もお金もかかる*けど、ショッピングセンターもあるし…治安もそんなに良くなくて、15年位前には知り合いが二人別の時にロマたち**に襲われたけどね。」

*ヴァンターからヘルシンキの運賃:
ヴァンターは電車の区間をまたぐため、動画9:07あたりを参照のこと

**Suomen romani(英語でもフィンランド語でも本当は「ロマニ」だが、日本語Wikipediaページでは「ロマ」表記):
元々流浪の民だったものがフィンランドに定着したもので、れっきとしたフィンランド人だが、フィンランド系フィンランド人とは異なる文化を持つ。男女ともに白黒の衣装を着用しており、女性のドレスは胴にフラフープが入っているかのような大きさ。たいてい複数人でたむろしており、チームワークで窃盗をしたり暴力を行ったりする一部のロマのせいで悪名が高くなっているが、ロマ内部からも「これはよくない」として改善しようという声も上がっているし、有名なロマの歌手やタンゴキングなども輩出している。偏見を持つのはよくないが、独特の文化や服装からひとくくりにされやすい傾向がある。私の周りにもロマに集団で暴力を振るわれたことのある友人が複数人存在する。日本では「ジプシー」と言ったら理解が早いかもしれないが、これは差別用語に当たるので使用しないように。(また、これとは別に中央駅周辺にたむろし小銭をせびるRomanian romaniもいるが、こちらは最近になってルーマニアからフィンランドに来たロマであり、上記のような白黒の衣装は着ていない。ほかにもブルガリやなど東ヨーロッパからロマも来ている。それらの国々ではロマへの差別が激しく、フィンランドのロマとは違い学校に行ったりなど基本的な人権がないためフィンランドに逃げてきたものとされる。ただ、小銭をせびるロマは人身売買されたもので、元締めが居て集めた小銭を取られるという説もある。)




ショッピングセンターは「Myyrmanni」というところでMyyrmäki駅から渡り廊下を通っていくことができますが、ここは2002年10月に爆弾事件/事故「Myyrmannin räjähdys」が起きたことでも悪名が高い場所です。これはMyyrmanniショッピングセンターの中央で起こり、爆弾を持っていた化学工学を学ぶ19歳の青年を含む7人が死亡、166人が負傷する大惨事となりました。この事件を引き起こした青年は日ごろから爆弾を作って森で爆破させたりしており、どうやら爆弾制作が趣味だったようですが、ショッピングセンターでの爆発に関しては特に犯行声明も遺書などもなく、これが意図的な爆発だったのか、それとも意図しない事故的な爆発だったのかはいまだに謎です。




また、これとは別に、同ショッピングセンターでは(上記の事件/事故とは無関係ではありますが)、事故現場の上は3階にわたる吹き抜けとなっており、時折飛び降り自殺や自殺未遂事件がおきているよう。(まあ、ヘルシンキ中心のショッピングセンターでは5階から地下1階までにわたる吹き抜けがあり、こちらでも時折飛び降りが起きるようですが。)

「10年ほど前はここはほんとに怖かった。まさにニューヨークの地下鉄みたいな雰囲気で、グラフィティだらけで麻薬の注射器の針が落ちてたり、暴れてる人がいたり、酔っぱらいが座ってたり、小便臭かったり…。たぶんヘルシンキ空港からの電車がここを通ることになったから、観光客も空港から中心までの区間の駅をみることになるので綺麗にしようと努力しているんじゃないか。」

今では駅とその周辺の壁がお洒落なグラフィティで覆われ、駅の1階部分には古いピアノが2台置かれて自由に弾けるし、アメリカ風(?)なダイナーもできています。



「いまではもうそう怖くはなくなったね」とのことですが、そんな不思議なミュールマキ。暗い過去を抱えながらも明るい未来を形作ろうと、未だ現在進行形で壁に絵が描かれていっています。勇気を出していってみるのもいいかもしれませんねー。




(abcxyz)

2016年9月17日土曜日

待ちに待ったフィンランド旅行!ヘルシンキ空港に着いてからどうすれば中心に行ける?電車でヘルシンキ中央駅まで移動する方法を動画で解説



ヘルシンキ空港(Helsinki-Vantaa lentoasema)に到着して、入国審査を済ませ荷物を受け取り出てきたところから、どうすれば電車を使ってヘルシンキ中央駅(Rautatieasema)に行くことができるのかを、実際に空港内を歩き空港の電車駅から電車に乗り込み解説しています。初めてのフィンランド旅行が不安な方は是非参考にしてくださいね。

So you just arrived to Helsinki-Vantaa Airport, and want to go to Helsinki Central Railway Station. This video is showing how to head to the airport's new railway station.





(abcxyz)

2016年9月15日木曜日

päämaja パーマ屋?

päämaja (パーまや) ― 「パーマ屋」 じゃなくて 「ヘッドクオーター / (組織の)本局」!

「ヘッドクオーター」とか「(組織の)本局」という意味です。

「päämaja」は「pää」と「maja」で作られている言葉。「pää」は「頭」という意味で、「maja」だけだと「小屋」、家ではなく一時的に泊まれるところです。

「maja」は例えば子供が木の枝で作るような秘密基地みたいなところもそう呼ぶことができるほか、「majatalo」だと「旅館」(みたいなもの、ホテルより安くちゃんとしていない)。「majapaikka」では「泊まるところ」といった意味になります。また、「majakka」は「灯台」という意味になります。

しかし「päämaja」では泊まるところという意味はなく、「ヘッドクオーター」という意味合いに。


Japanese:ぱーまや paamaya
・パーマ屋(perm shop / beauty salon)

pää (head) + maja (hut)
Finnish:Headquarters (noun)

2016年8月31日水曜日

カウニステ×Stamp and Diary、フィンランドと日本のファッションブランドコラボのローンチイベントにお邪魔した



2008年にフィンランドの首都ヘルシンキに生まれたテキスタイルブランド「Kauniste」(カウニステ)。そして新しいスタートと日々の日常をテーマに名付けられた日本のブランド「Stamp and Diary」(スタンプ・アンド・ダイアリー)。遠く離れたフィンランドと日本のブランドのコラボレーションが実現しました。




そのローンチイベントが行われたのはヘルシンキ中心地にあるKaunisteのショップ(写真)。この日はTaiteiden Yö*と重なったこともあり、街中に多くの人が繰り出していました。ローンチイベントは午後7時から9時まででしたが、Kaunisteのショップがある通りFredrikinkatuはいつにも増して人通りが多く、窓の外から店内をのぞいたり、足を踏み入れる人も少なくありませんでした。

*Taiteiden Yo:芸術の夜/The Night of the Arts、街中の様々な場所に視覚芸術、舞台芸術、文芸、音楽など様々なアートがあふれだす年一夜限りのイベントで、今年28回目となる。




今回店内に並んでいたコラボレーション作品は、伊勢丹のフィーカ・デリのパッケージイラストなども手掛けるHanna KonolaによるデザインのKaunisteのテキスタイル「Konfetti」(コンフェティ、紙吹雪のようなものを意味する)を使用したStamp and Diaryによるワンピースやスカート。同じKonfetti柄でも、パステルカラーのものと、白黒のものが用意されていました。「フィンランド人はカラフルな服が好きで挑戦してみたいという気持ちを持っているが、多くの人は最終的に無難な白黒のものを選んでしまう」、ととあるヘルシンキのデザインショップオーナーが語っていましたが、それもあってなのかも。




店員さんたちもコラボモデルを着ていました。




店内にはそれ以外にもKonfetti柄の商品があります。




Stamp and Diaryからはコラボモデルではないものの出展もありました。

なお、今回のコラボはKaunisteとStamp and Diary、様々な国を飛び回る両ブランドの創設者が偶然ばったり出会って、そこからコラボまで発展したとのことでした。

フィンランドの女性のファッションは、隣国ロシアのものとは大きく違います。ロシアの女性のファッションは女性らしさを強調し、ウエストや胸を強調したり、ハイヒールを履いたりするようなものが多いですが、対してフィンランドでは着心地や履き心地、実用性を兼ね備えています。かといって洒落っ気がないわけではなく、実用性やシンプルさの中にも可愛らしい形や色、模様などがあしらわれたお洒落さのあるのがフィンランド風。

テキスタイルデザイナーと布生地の匠の合作により美しいテキスタイルを生み出すKaunisteと、着心地にこだわった服を作るStamp and Diaryのコラボもきっとフィンランドの人たちの心にも響くはずです。






トップ画像以外の写真:@petorah
写真掲載は撮影者、お店の許可、共に得ています。

(abcxyz)

2016年8月28日日曜日

kaiken 改憲?会見?

kaiken (かいけん) ― 「改憲」 じゃなくて 「すべてを / すべての」!

「kaiken」は「kaikki」(すべて)からきており、「すべての」や「すべてを」という意味です。

Kaiken aikaa.(いつも=すべての時間)
Tiedan kaiken. (私はすべて知っている)

Japanese:かいけん kaiken
・改憲(Constitutional change)
・会見(interview meeting / press conference)

Finnish:all of (genitive)


(abcxyz)

2016年7月25日月曜日

フィンランド人大興奮!あの「マンミ」のアイスバージョンが出たよ!



Pääsiäinen(復活祭/イースター、年によって時期は違うが3月もしくは4月)の時に食べる黒いカタマリこと「mämmi」(マンミ)をご存知でしょうか?ライ麦、ライ麦モルト、シロップなどでできた黒い食べ物で、クリームと砂糖をつけて食べたり、バニラアイスと一緒に食べたりするもので、その複雑な味わいはかなり人を選びます。また、見た目がまるで排泄物みたいにも見えることからフィンランド人の間でもこんな冗談にされています。

第二次世界大戦の時、連合軍のアメリカ軍トップの人が戦争で苦しんでいたフィンランド人たちを視察に来た。フィンランド人はmämmiを出した。米軍トップはすぐに本国アメリカに電話した。「すぐにフィンランドに食糧支援を送るんだ!フィンランド人たちは『食事を二度』食べている!」

そんな冗談になるほどのmämmi、個人的には好んで食べたいとは思えませんが、お味の方はぜひ一度食べてみていただきたいところ。通常pääsiäinenの時にはそのまま食べれるものが食品売り場に並びますが、そうでない時期にも冷凍のmämmiが冷凍コーナーに並んでいます。

さて、mämmiに関しての説明が済んだところで、mämmiを作り続けて50年の(herne keitto豆スープとかも作ってる)Kymppi-Maukkaatが50周年を記念して作ったのがmämmiのアイス「mämmi jäätelö」!




これを見つけたフィンランド人も「mämmiのアイスが出ればと思ってたけど、まさかホントに出たなんて!」と大興奮!





非常に簡素なパッケージで、mämmiのアイスが入った紙カップの上に、ぎりぎりアイスが隠れるか隠れないかくらいの紙蓋がのせてあります。紙蓋を開けていたずらしてから蓋をかぶせ直してもパッと見わからないであろう感じの、ある意味素朴な、ある意味安っぽいパッケージ。パッケージのカラーリングも別に普通のmämmiのパッケージに似せているわけでもなく、適当感が漂います。




でもお味の方はといえば…アイスなのにしっかりmämmiになってる!色は「カフェオレアイス」と言われても違和感がない感じの薄い茶色。味は普通のmämmiよりも食べやすいけど、ちゃんとmämmiらしさもあり、mämmi独特の下にざらつきのある感じもしっかりあります。

フィンランド人の感想は「美味しかった。また食べたい」とのこと。mämmiをまだ食べたことのない方、mämmiを試したけどムリだったという方はこのmämmijäätelöを食べてみるといいかもしれませんよ。


(abcxyz)

2016年7月20日水曜日

フィンランドでも大人気「Pokemon GO」でヘルシンキのあの公園に人だかりが



いまだ正式サービスの始まっていない日本を除き世界中で一大ブームを巻き起こしているスマホゲーム「Pokemon GO」。

「ポケモン」はもちろんフィンランドでも強く、日本で「ポケモン」が流行りだしたころからのファンはもちろんのこと、10代の若者にもファンは多くいます。日本のポップカルチャー関連のコンベンション/イベントに赴けば、「ポケモン」関連のコスプレをしている人を探すのは容易です。

そんな「ポケモン」の人気がすでに広範囲で浸透している中でリリースされた「Pokemon GO」。もちろんここフィンランドでも人気にならないわけがありません。トップ画像は7月19日(火曜日)に撮影されたRuttopuisto(正式名称Vanha kirkkopuisto、黒死病/ペストで亡くなった人たちが埋めてある公園)。そしてこちらがフィンランド正式リリース前の7月13日(水曜)時点のRuttopuistoです。





正式リリース後はご覧のとおり大騒ぎですが、すでにフィンランドでのアプリ正式リリース前から、他国のストア経由でダウンロードして遊んでいる人が大勢いました。




こちらは7月14日時点でのiOSのフィンランド版Appストアでの表示。「現在フィンランドのストアでは利用できませんが、ドイツ版ストアでは利用可能です。ストアを変更してこのアイテムをご覧ください」との記述。




Helsingin Sanomat 19.7.2016

新聞でも取り上げられています。ヘルシンキ中央駅からStockmanに抜けるところにあるKaivopihaに「Pokemon GO」をプレイするためにたむろする人々。正直じゃまですね。

「Pokemon GO」を手掛けるNiantic Labsは同様の位置情報ベースのスマホゲーム「Ingress」をだいぶ前にリリースしています。「Ingress」でも歩きながらする人が邪魔になったりすることが起きていましたが、いわゆる「元ネタ」が存在しないオリジナルゲームだった「Ingress」と違い、すでに巨大で熱狂的なファンベースのある「ポケモン」を基にしたゲームということで、開始早々Twitterのアクティブユーザー数を抜くなど、プレイ人口が半端ではありません。すでに様々な事件、事故、を含め社会現象ともいえる大騒ぎになっています。




まだ日や時間帯によってはこのようにアクセスしにくい状況であることも。


(abcxyz)

2016年7月17日日曜日

売り切れ続出!フィンランド発のオートと豆でできた代理肉「Nyhtökaura」

フィンランドでは肉の代わりとなるタンパク源が注目されています。そんな中、フィンランド国内の素材で作られた「プルドポーク」(Pulled Pork)ならぬ「Pulled Oat」こと「Nyhtökaura」が人気を集めています。




今年フィンランドで研究開発された新商品です。肉の代わりのタンパク源としては大豆や、大豆でできた大豆肉も注目を浴びていますが、暖かい国でなければ生産できない大豆と違い、フィンランド国内で生産できるソラマメ(härkäpapu)とオート(もしくはエンバク kaura)を主材料として作られているのも大きなポイントです。

「大豆アレルギーがあるとベジタリアンになるのは難しい」とよく言われるそうですが、このNyhtökauraは大豆も小麦も使っていないため、大豆アレルギーや小麦アレルギーの人でも食べられるのもうれしい点。

Nyhtökauraはフィンランドで大きな注目を集め、お店に行っても「土曜の朝入荷してその日のうちになくなる」というほど。珍しいことに「一家族につき一つのみしか買っちゃダメ」(1/Talous)なんて手書きのサインも。


今回運よく購入できたのはNyhtökauraの「Naked」(裸)味。ちょっと塩味がついているだけのもので、ほかにもしょうが味とトマト味のNyhtökauraも(お店には見当たりませんでしたが)存在するよう。




こちらがパッケージを開けたところ。生のまま食べることもできます。




こんな風にどんぶりにして食べてみたところ、肉のスジっぽい感じの食感もあり、肉だと言われてもあまり違和感がないかも。

100gあたりの栄養は:

エネルギー 204kcal
脂肪 4.9g
タンパク質 31.2g

などとなっています。パッケージには「Oat & bean based protein food」(オートとソラマメがベースのタンパク質食品)なんて書いてありますが、オーストリアの会社LivinFarmsによるミールワームはといえば100gあたり:

カロリー 500kcal
タンパク質 45.1g

なので虫食の方が断然タンパク源として優れています。「虫食?なにそれ?」という方や虫食の詳細/感想が知りたい方は「虫食は地球を救う。LivinFarmsのプロジェクト出資特典の虫を食べてみた。芋虫恐怖症だけど普通に食べれた。(動画あり)」の投稿をお読みください。



(abcxyz)

2016年7月16日土曜日

フィンランド人に訊くビルベリー、ブルーベリーの見つけ方と偽物の見分け方(動画)






小さな森でビルベリー(mustikka)を見つけたので、食べたらおなかを壊すという偽物(クロマメノキ juolukka)との見分け方を動画でご紹介!

・本物のブルーベリー(pensasmustikka)やビルベリーの葉っぱは冬に落ちる(落葉性)
・「偽物ブルーベリー」は葉っぱが落ちない(常緑性)
・「偽物ブルーベリー」の葉っぱは分厚くテカテカしている
・「偽物ブルーベリー」を食べてもおなかが痛くなる程度(とフィンランドで言われるがジュースなどには含まれ、一応食用。本物のベリーと比べおいしくない)
・本物が密集しているところに偽物はあまりない
・だからベリーがある場所で葉っぱを触って確認すべし

フィンランド人の知識と経験に基づいて紹介していますが、あんまり変なものを食べて大変なことになっても当方としては責任は負えませんので、フィンランドでベリー狩りをしようという方は知識のある人を同行させるのが確実です。


(abcxyz)

2016年7月12日火曜日

フィンランド国内の空き巣、フィンランド国籍と外国籍の空き巣犯の割合は?

近年多数難民がヨーロッパに流入することに起因して、ここフィンランドでも、一部に犯外国人的な感情を露にするひとが増えてきているようです。外国人が犯罪を犯す率が高い、などという根も葉もないウワサにより扇動される人々も少なくありません。

そんななか、Helsingin Sanomatがフィンランド国内で発生した空き巣犯の国籍に関する興味深いグラフを出しているのでご紹介します。




(青がフィンランド国籍、オレンジが外国籍)

これによれば、全国の空き巣被害のうち、68.8%がフィンランド国籍、外国籍の割合が31.2%とのこと。首都ヘルシンキが含まれるUusimaa県では60.85%がフィンランド国籍、Keski-Pohjanmaa県(中央フィンランド、例えばVaasaとか)では外国籍空き巣犯が多く78.8%。Kainuu県ではすべてフィンランド国籍、Etelä-Savo(南サヴォ県)ではバランスが取れて50%ずつとなっています。

この記事の中では、この「外国籍」の空き巣犯の多くはバルト三国と、東ヨーロッパの籍の人々。彼らはフィンランドへの移民ではなく、いろいろな国を回って空き巣をしている「旅する空き巣犯」なのです。とはいえ、全体としてみれば68.8%がフィンランド国籍の空き巣犯であるということは興味深いことでしょう。

なお、今回の記事のようにグラフで割合を示すことはできませんが、気候が良く薄着の観光客も多い夏場には、スリ犯罪も増え、「旅するスリ犯」たちもフィンランドにやってくると言われていますので、旅行の際はお気を付けください。




ヘルシンキ市内の空き巣数も掲載されていましたが、Kallio(バーが多い、最近はボヘミアンな地区として知られる)とHerttoniemi(マリメッコのアウトレットストアがあるところ)の空き巣犯罪が多く、Munkkivuori(古いマンションが多く、少し所得の高めの高齢者が多いが、駅はない)は空き巣犯罪がないという興味深い結果になっています。


image : Helsingin Sanomat 11.7.2016

[via Helsingin Sanomat 11.7.2016]

(abcxyz)

2016年6月26日日曜日

フィンランド語の挨拶「モイ」の語源は?

フィンランド語の挨拶といえば「Moi」。このほかにも「Moikka」、「Moro」、「Morjens」など様々に音を変化させ挨拶に使っていますが、そもそもこの言葉はどこから来たのでしょうか?

「Moi」の起源については二つの説が一般的なようです。

一説によれば、北ドイツ、ハンブルグでは「Morgen」(朝)がその地方の方言では、発音が「Moin」(モイン)に聞こえ、そこからフィンランドに貿易に来た人たちから伝わったそう。北ドイツではこの本来は「おはよう」という意味の「Morgen」を一日のいつでも使っていたそうで、「Moin dag」が「良い日」という意味に。そこから転じてオランダでは「mooi」(モーイ)が「きれい」という意味になり今でも使われており、スウェーデン語でも「Moj」(モイ)は同じく「きれい」という形容詞で使われています。

もう一つの説では、スウェーデン語の朝の挨拶「God morgon」(ぐ・もろん)から「Moro」(今でもタンペレでは「Moi」よりも「Moro」を使う場合が多い)になり、そこから転じて「Moi」になったんだとか。つまり、前述の説ではフィンランドに入ってきた時点で言葉の意味は「朝の挨拶」ではなく「何時でも使える挨拶」だったわけですが、こちらの説ではフィンランドに入ってきた「朝の挨拶」の言葉がフィンランドで「何時でも使える挨拶」へと意味を変えたというわけ。

これらの説を裏付けるものとして、「Moi」はもともとはフィンランドの港町の言葉遣いに多く、中央フィンランドでは「Moi」という言葉は使われなかったことが挙げられます。両方から伝わった可能性もありますが、どちらにせよこれらの説からすれば、フィンランド語の「Moi」はゲルマン系の語源を持った言葉のようです。

なお、「Moi」を二つつなげ、「Moi moi」などとして別れの挨拶として使うのはフィンランドだけのようです。


[via Kotimaisten kielten keskus / フィンランド国語センター]

(abcxyz)

2016年6月9日木曜日

汚職が低いはずのフィンランドのトンデモ文部大臣。教育節約のGrahn-Laasonenが委員会を通さず運動施設に巨額出資

Sanni Grahn-Laasonen文部大臣(Kokoomus/国民連合党)は、大学からお金を節約させたことで悪名高い人物です。

そんな節約政治で有名なGrahn-Laasonenが、なんとスポーツ委員会を通すこともなく誰にも相談せずにTampereのスポーツホールを立てるお金として1800万ユーロの国の予算を使う決断を下しました。特別大臣権限(特別な理由があれば大臣が勝手にできる)だという理由ですが、実際に特別な理由は見当たらない…。

国のスポーツ委員会(スポーツ施設と支援の必要を判断する専門家を有する委員会)はTampereの施設は400万ユーロ程度の支援があれば作れるという判断を下していました。一方Tampereの市議会議員はTampereの負担を決め、政府からの支援がなくても(400万ユーロなしでも)建てれると決定していました。そんな中での1800万ユーロの出資。

なんでもGrahn-Laasonenが大臣になれたのは友達であるKokoomus党首で財務大臣のAlexander Stubb(「Hyvä veli」)のおかげ。一方でKokoomusの先輩たちは「こんなバカな人を大臣にすべきでなかった」とGrahn-Laasonenを抜擢したStubbを嫌っているよう。それもあってKokoomusの党首選挙ではStubbが落ちそう、でもStubbが落とされたら後ろ盾を失ったGrahn-Laasonenも大臣から落ちるかも…。そんなStubbの支援者はTampereのKokoomusにたくさんいるらしく、なのでTampereにお金を出したらStubbが選ばれてGrahn-Laasonenの首もつながるかも?という見方をフィンランドの夕刊紙Iltalehtiが報じています。

1500万を超えるスポーツ施設への出資は欧州委員会からの許可が必要。なので今年末には欧州委員会でこの出資が審議されるということ。ただ、今年末というのは党首選挙の後。なので「Tampereにはお金をだそうとした」という印象を植え付け選挙では成功しながらも、実際には欧州委員会により出資は止めさせられることを狙っているのではという憶測も。

[via Iltalehti]

(abcxyz)

2016年5月31日火曜日

そのとき歴史が動いた:フィンランド、ソ連、ケッコネン。いちばん有名な「Hyvä veli」話

いちばん有名な「Hyvä veli」の例はソ連時代60年代の話。当時のフィンランドの大統領Urho Kekkonenは、大統領選が近づき再当選したかったものの、Kekkonenの相手の方が勝機がありそうな状況でした。

フィンランドはロシアとYYA契約(ソ連とフィンランドの間の安全保障条約みたいなもので「友情、協力、相互援助」の合意)を結んでおり、ソ連の敵国を手伝ってはいけないという状況でした。当時の西ドイツはソ連の敵であり、その当時バルト海で西ドイツの軍隊活動が急に活発化していました。

Kekkonenがハワイに行っていたときに、ソ連から急にモスクワのフィンランド大使にフィンランドに向けたメッセージが届きます。その内容は、「西ドイツの軍隊活動についてフィンランドの軍隊と話がしたい」というもの。フィンランドとしては中立の立場をとりたいために軍隊をこのことに巻き込みたくなく、Kekkonenは軍隊と相談せずにどうにかできないかとソ連に尋ねます。それに対してソ連は「フィンランドの今の外務政治家たち(大統領であるKekkonenと、Kekkonen側であった外務大臣)を信頼している」などというやり取りがあったそう。

結局皆がソ連を恐れ、Kekkonenの相手の大統領候補が途中で大統領戦を降りたためにKekkonenが当選。

その後、Kekkonenはソ連の人に会った時に「メッセージは私のためになりました」、「計画はうまくいっていました」などとあいまいなことを言っていたそう。

Kekkonenは、ビールや家具の絵柄にもなったりと、ある意味現代ではキャラクター化されてもいますが、結局Kekkonenは32年間も大統領でおり、今でもフィンランドでは「彼のせいでソ連とうまくいった」という声も、「彼は最悪の独裁政治家」という声も聴かれます。ちなみにこれを受けて今のフィンランドでは12年(2回選出)より長い間大統領の座に居座ることができなくなっています。

Kekkonenはソ連のトップの人たちと仲が良く、一緒にサウナに行ったりスキーに行ったりしていた=Hyvä veliだったため、説としては「Kekkonenがソ連にメッセージを送るよう頼んだ」という説が今でも一番信じられています。


(abcxyz)

2016年5月17日火曜日

連載・さらば教育立国 好調な日芬関係を無視した節約でアアルト大学の日本語教育も終焉か

これまでは何度もヘルシンキ大学の「節約」を紹介してきましたが、今度はアアルト大学(Aalto yliopisto)の「節約」を紹介しましょう。

フィンランドの有名な建築家 Alvar Aaltoの名を冠したアアルト大学では、現在居る日本語の教授が退職後、新たに日本語の教授を雇わないことに決定しました。

アアルト大学では日本語は、英語、ドイツ語に次いで3番目に人気の外国語だそうです。

もともとヘルシンキ工科大学、ヘルシンキ経済大学、ヘルシンキ工業デザイン大学が合併してできたのが「アアルト大学」で、日本との協力も盛ん。工業、ビジネス、デザインの大学なので、将来のキャリアが日本とつながる学生も少なくありません。

アアルト大学はこれからも学生は日本語を勉強することはできるとしています。しかしこれはほかの大学を通じて、ということなんです。例えば、ヘルシンキ大学の外国語センターで。外国語センターでは学生の専攻を問わず言語を学ぶことができます。

ヘルシンキ大学は、アアルト大学の学生がここで日本語を学ぶのもかまわないが、ヘルシンキ大学でも日本語は人気があり、ヘルシンキ大学の学生を優先するから学びたくても学べないようになるかも…と考えているよう。

しかも、ヘルシンキ大学の外国語センターでは、日本語は中級までしか学べません。日本語の上級コースは、より専門性の高い日本語学科でのみ学べるようになっています。アアルトの外国語センターでは上級日本語まで勉強可能でした。

フィンランド国会の日本友好協会の社会民主党(sd)Ville Skinnari国会議員は今回のアアルト大学の決断を「非常にばかげたことだ」と述べています。

それもそのはず、フィンランドと日本との留学プログラムも増えているし、日本とフィンランドとをつなぐ直行便も増えています。アジアからの投資では日本からのものが最大だし、日本への輸出も昨年10億ユーロ(約1.25兆円)を上回り、ビジネス関係もますます好調なところ。しかしビジネスをするには上級日本語が必要とも言われています。

木以外にほとんど資源もなく、代わりに教育に力を入れ、「脳力」をその力として活躍してきたフィンランド。しかし今の政権はそれを理解せず、目先の支出削減だけを見て教育の投資性を無視し、しかも酷いことに公約も無視して教育からも予算を節約。そしてその「節約」政治を受けて、現時点での重要性も、未来性も持ち合わせている日本との関係協力を弱めるような今回のアアルト大学の決断も理解に苦しむところです。


[via Helsingin Sanomat]

(abcxyz)

2016年5月13日金曜日

フィンランドで菜食主義の人に会ったら言ってはいけないこと

「肉も食べなよ」、「好き嫌いするなよ」

フィンランドでベジタリアン(kasvissyöjä)やヴィーガン(Vegaani)の人に会っても、そんなことを言ってはいけません。理由を聞けば喜んで答えてくれる人もいるでしょうが、あなたの持つ価値観で相手の価値観を判断したり、価値観を押し付けてはいけません。これはフィンランドだからではなく、どの国のどんな価値観の人に会っても同じことが言えるでしょう。

ヴィーガンとは完全菜食主義のことで、これは動物由来のものは食べないという主義。ベジタリアンはある意味広義の菜食主義でもあるが、肉を食べないという意味でも使われており、中には「魚は」、「卵は」、「牛乳は食べる」などの人もいます。フィンランドでは私の周りにベジタリアンもヴィーガンもどちらも普通に存在します。

日本での菜食主義の扱いやとらえられ方があまりにも偏っていると思うので書いておきましょう。日本では菜食主義に対して、「動物愛護」とか「健康のため」という、どちらかといえば「彼らは利己的な理由で菜食主義をしている」という見方や報道が多いように見受けられます。それらが事実である場合ももちろんあります。

しかし、フィンランドで私の周りに多く見られるのはなによりも「環境のため」の菜食主義という人たちです。

これがどういうことかというと、日本の高校の生物の教科書にも書いてある通り(少なくとも私の持っている東京書籍だったかの教科書には)、「ある量のコーンを人が食べれば100人分の食料となるが、同じ量を牛に食べさせて、その牛を人が食べると24人分にしかならない」(数値はうろ覚え)。つまり、肉食をするには多くの食料を必要とし、そのためには膨大なエネルギーが使われる、ということです。世界的に食糧が足りていない状況だといわれる中で、肉食という非効率な食生活を続けることは、人類にとって良くない、ということです。

でも、それは人間にだけ悪いわけではありません。上で述べた「エネルギー」には、家畜を育てるための施設の温度管理や(忘れられがちなことですが、季節外れの植物を育てるにも膨大なエネルギーがかかっていることも頭の片隅に入れるべきです)、食肉処理、運搬なども含まれます。そして人間に食べられるために育てられている動物は(そうでない我々人間も同じですが)温室効果ガスであるメタンガスを発生させます。もちろん動物の糞尿からメタンガスを集めて発電するなどをしているところもありますが、現在それをやっているところは限られているでしょう。

また、「健康のために菜食主義」といっても、大きく分けてふたつがあると思います。日本での報道が多いのは「食物繊維やビタミンなどが豊富で野菜が健康的」だから菜食というもの。でもよく忘れられているのは、「肉食の危険性」です。WHOが発表している通り(BBCの記事)、ソーセージやベーコンといった加工肉にはアスベストやアルコール、プルトニウムと同じレベルの発がんリスクがあり、赤肉もまた、加工肉に次いで発がんリスクが高いとされています。

そしてもう一つ重要なのは、人に食べられる家畜がどんな注射を受けているのかです。大きく育てるための成長ホルモン注射、病気にならないようにするための抗生物質。これらはそれを食べる人間にも影響があるわけです。

生物濃縮の問題もあります。環境内に存在する有害物質を植物が吸収し、それを動物が食べ、それを人間が食べる。この食物連鎖の過程で、有害物質の濃度は連鎖の上に行くにつれて濃くなります。環境ホルモン(内分泌攪乱物質)や重金属などといった有害物質が生物の体内に蓄積されていき、それを食べる人間の体の中へと入ることになるわけです。(これは魚の場合もまた肉食魚のほうが有害物質が多いということでもあります。)

以上の事柄以外にも、もちろん宗教的なことから肉食をしなかったり、文化的な背景から食べなかったり、アレルギーがあるなど、一概に草食主義といっても様々な理由が考えられます。冒頭で述べたような軽はずみな言葉はハラスメント、侮辱、ケンカを売っている、などとも捉えられかねません。もちろんあなた自身の価値観も尊敬されるべきでしょうが、相手である菜食主義の価値観への理解をも示し、互いに尊重しながら生きていきましょう。


(abcxyz)

2016年5月12日木曜日

連載・さらば福祉国家 「Hyvä veli」ようこそ汚職国家フィンランドへ

Transparency.orgの発表する世界汚職度指数では、2015年には168か国中2番目に汚職度の低い「キレイな」国とされているフィンランドですが、クリーンなイメージは上っ面だけかもしれません。

前回の政府の途中から福祉健康担当大臣であり、今日までヘルシンキ市の福祉健康担当副市長Laura Ra:ty(Kansallinen kokoomus / 国民連合党)だった人が急に辞職。そして複数の私立病院チェーンを所有する巨大企業Terveystaloの代表取締役に就任することを今日発表しました。Terveystaloはフィンランドのたくさんの会社と労働者への健康サービスの提供契約を結んでいる民間企業。

今のフィンランドの医療システムはよくない、というのはどの政党も合意しているところで、前々回の政府の時からこれを変えようという動きが続いていました。現在のSipilä政権は医療も民間化しようとしています。こうすることで競争が生まれて医療サービスの質が高まるのではないか、ということです。

しかし、だからこそ民間化にかかわる政治家が医療企業に急に転職するのは異常なのです。つまり、政府の中で福祉健康を担当して、後で自分がつく役職を自分に都合いい状況に変えていから転職したというわけ。まだ公になっていない情報も持っていることでしょう。これが汚職でないとすれば一体なんだというのでしょうか?

しかもKokoomusはなんと去年も似たようなことがありました。ヘルシンキ市のKokoomus委員会の委員長であったLasse Männistöが途中で自ら辞職、Mehiläinen(これもやっぱりTerveystaloのように巨大で似たような医療系の民間企業です。税金回避の疑いも取り上げられている)に就職したのです。



フィンランドには「Hyvä veli」(良い兄弟)という言葉があります。これはいわゆる「コネ」であり、学歴や経験が重視される、と言われるフィンランドでも、実は一番就職その他、またクビにならないためにも重要な要素がこれです。大学で知り合った友達や後輩をどこかに紹介して雇ってもらうようなものもこれに含まれるのですが、会社の中で仕事の後に飲みに行ったりサウナに行ったりして仲のよくなった人たちの間で、実績などを見ることなしに仲のいい人を昇格させたり、小さな自治体で、友達が持っている経済的に損失を出している工場を自治体が買い取ったり、なども「Hyvä veli」の例として挙げられます。ただし、昔はあったようではありますが、今の時代は大学にHyvä veliで裏口入学をするなどはできないようです。



企業間でのこういった転職では、辞職後に同じ業界の他の企業に入る場合には何か月か時間を空けてからでないと入れないという仕組みがありますが、今回の件を受けてこの仕組みが今回のようなケースにも当てはめられるべきだという声も上がっています。


[via Helsingin Sanomat]

(abcxyz)

2016年5月1日日曜日

連載・さらば福祉国家 ヘルシンキ大学でクビにならないために必要なのは実績よりも「政治や家族」の力

ヘルシンキ大学でクビを宣告された生物学のHeikki Hänninen教授が、なぜ自分がクビになったのかといろんなところに聞いてみた。その人は皆から好まれているようだし、彼のおかげでお金も入ってきているそう。環境学科長は、学部トップの話し合いの中でこういう話が出てきたと:「あなたより成功していないけれども、政治/家族・親戚的な力がある人をクビにすることができず、あなたをクビにしました」と。教授としての実績は低くても、力のある家族を持つ教授はクビにならなかった。学生が困るとか大学が困るのではなく、クビにしても大学のトップが一番困らない選択がなされたとのことだ。

だがこの人は中国の大学からすぐに働かないかとお声がかかったそう。

ヘルシンキ大学からクビになったのは合計570人。それでもその多くは事務職で、クビになる教授は総数からするとだいぶ少ないようだ。ヘルシンキ大学の学生が言うには、スウェーデン語学科の成績を登録する職員がクビになり、学生たちが困ったりなどの混乱が生じているようだ。

なおここまで酷いやり方で「節約」して批判されているのはフィンランドの中でもヘルシンキ大学くらいなもの。トゥルク大学はあまり使われていない建物を売却するなどして、「節約政治」に対処しているし、他の大学でも退職した人の後に新規に雇わないことなど、より人間的な方法で節約している。

*ヘルシンキ大学全職員は8000人ほど、うち4000人ほどが教員だそうだ。学生数は1万9000人。2012年における数値。


[via HS]

(abcxyz)