2015年3月23日月曜日

フィンランドの変な映画タイトルたち:『007 ロシアより愛をこめて』のフィンランド版タイトルには「ロシア」がない!?

ジェームズ・ボンドが活躍するイギリス映画『007』シリーズはフィンランドでも人気。毎年のようにシリーズの殆どの作品がテレビで放映されています。そんな中でも『007 ロシアより愛をこめて』は国際的な関係もあってか、そのフィンランド版のタイトルに「ロシア」と一文字も入っていません。その名も…

「Salainen agentti 007 Istanbulissa」

(秘密エージェント007 inイスタンブール / Secret Agent 007 in Istanbul)





まあ確かに舞台はロシアではないし、「ロシアより愛をこめて」というタイトルも本作のボンド・ガールがロシアから来ているというだけで、話の前半はイスタンブールで展開するし、納得出来ないこともないですけど。それに隣国ロシアをタイトルにつけるよりはトルコのイスタンブールをつけたほうがエキゾチックですしね。

また、『007 リビング・デイライツ』(The Living Daylights)のフィンランド語版タイトルは「007 vaaran vyöhykkeellä」、「007in危険ゾーン」なんてタイトルです。

映画のフィンランド語版でタイトルが変わることはよくあるようで、「フィンランド語版の映画タイトルを英語に訳してみた」というこんな動画も。





一部拾ってみると:

『ゴーストバスターズ』 「ゴースト・ギャング」Haamujengi

『裏切りのサーカス』「司祭、カントル、百姓、スパイ」Pappi lukkari talonpoika vakooja
(原題は『Tinker, Tailor, Soldier, Spy』 鋳掛け屋、仕立屋、兵士、スパイ)

『ボーン・アイデンティティー』シリーズの「ボーン」部分が「メデューサの / Meduusan」

『トータル・リコール』 「トータル・リコール:忘れるか死ぬか」Total Recall: Total Recall - unohda tai kuole

『ジョーズ』 「殺人鮫」Tappajahai

『悪魔の棲む家』 「頼むから逃げろ!」Luojan tähden, paetkaa!
原題『The Amityville Horror』

『沈黙の戦艦』 「海上ハイジャック」Kaappaus merellä
原題『Under Siege』

『暴走特急』 「線路上のハイジャック」Kaappaus raiteilla
原題『Under Siege 2: Dark Territory』。スティーブン・セガールものの映画はこれ以降日本では「沈黙の~」というタイトルで知られるのだが、この作品は『沈黙の戦艦』の正式な続編なのにも関わらず日本版は『暴走特急』なんてタイトルに。

『ダイ・ハード』 「ダイ・ハード:俺の屍を越えてゆけ」Die Hard - vain kuolleen ruumiini yli

『ショーシャンクの空に』 「リタ・ヘイワース 脱出への鍵」Rita Hayworth - avain pakoon
原題『The Shawshank Redemption』

『フライング・ハイ』 「ヘイ、俺たち飛んでるぜ!」Hei, me lennetään!
『Airplane!』 デヴィッド・ザッカー、ジェリー・ザッカー、ジム・エイブラハムズ監督脚本

『スパイナル・タップ』 「ヘイ俺たちロックしてるぜ!」Hei me rokataan!
クリストファー・ゲスト監督

『みんなのうた』 「ヘイ俺たちフォークしてるぜ」Hei me folkataan
『A Mighty Wind』クリストファー・ゲスト監督

『Fear of a Black Hat』 「ヘイ俺たちラップしてるぜ」N.M.H. hei me räpätään
日本未公開ラップコメディ映画

『ケンタッキー・フライド・ムービー』 「ヘイ俺たち笑ってるぜ」Hei me nauretaan
デヴィッド・ザッカー、ジェリー・ザッカー、ジム・エイブラハムズ脚本

『エイリアン』 「エイリアン - 8人目の乗員」Alien - kahdeksas matkustaja

日本でも『The Mummy』が『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』だったり、『Final Destination 2』が『デッドコースター』だったりと似たような例はたくさんありますし、関連性のない映画に他作品と似たようなタイトルをつけて観客を釣ろうとしてみたりとか(『サスペリア』とは話のつながりもないしそもそもそれよりも前に制作された『サスペリアPART2』とか)もまかり通っているので、海外映画のタイトルのローカライゼーションとしては日本もフィンランドもそう変わりないかもしれませんね。

(abcxyz)

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