2017年8月12日土曜日

旅行者ご注意!Berner交通通信大臣の国有鉄道VRの改革で月~火曜に全国鉄道スト!



去る月曜、交通通信大臣Anne Bernerがフィンランドの鉄道VRの改革計画を発表しました。VRは国有株式会社(100%の株を国が持っている)ですが、この鉄道構造改革計画をうけ、VRはこれに大反対。8月14日月曜午後6時から15日火曜日全日(0時まで)、フィンランド中の鉄道がストライキになります。水曜には通常通り運行されるとみられます。

ストライキはVRの鉄道サービスに限られるため、バスやトラム、地下鉄は走りますし、ロシア行きのAlegroは運行するとのこと。



この改革計画(「案」ではなく、法律を変える必要も無いので、現状ではこの計画が実行される予定のよう)には6つのポイントがあります。

一つ目
これまでVRが独占していた旅客鉄道事業を解放し、他の交通会社が参入できるようにするというもの。2020年から南フィンランドの通勤列車を競争にかけ、2026年には全国に適応するというものです。フィンランドでは交通局が線路を持っており、この交通局とVRの間の契約により、交通局提供の線路はVRしか使用してはいけません。これは法律ではなくただの契約なので、契約期間の2024年以降はこの契約を変更すれば他社も線路を使用できるのです。

二つ目
路線はライセンス契約することとなります。これにより一部人口の少ない地域が含まれていても、「採算がとれないから各駅停車にしない」ということにはできないようにします。
例えば東フィンランドの地域で鉄道会社をやりたいけど、でも各駅列車は割に合わないから特急しか運行しない、なんて言うことはできません。

三つ目
VRを三つに分割し、列車車両部門、管理部門、駅部門とする。こうして列車車両部門を切り離すことで、他の新規参入の鉄道会社にVRが車両を貸し出しすることが可能になるのです。

四つ目
競争が自由になることで、自治体や県も参加できるようになります。これまで地方の鉄道サービスが悪かったという場合も、自治体自ら改善可能となります。自治体のローカル鉄道も作れるというわけ。フィンランド人は家族と一緒にふるさとに住みたいという人が多く見られるのですが、田舎でも鉄道の便がよくなれば、彼らが距離は離れていてもより適した仕事に就き易くなるというわけ。電車なら車を運転して長距離通勤するよりもさらに遠くに早くいけるわけですしね。

五つ目
期待されるのはサービスの向上により、鉄道便数もよくなること。これにより乗車券も安くなるとされています。が・・・実際の事例を見るとそうとも言えず、イギリスでは元々国有化されていましたが、競争が始まってからチケット価格が上昇。スウェーデンでも同様に乗車券料金が高くなったという事例があるとのことです。

六つ目
EUの2016年12月に通った方針で、鉄道競争を増やすべしとされたのでこれに従わなくてはいけないというものがあるのでこれに従うとのこと。

Berner大臣は、「道路、海、空の交通は競争し合っているが、線路の上ではそうなっていない。EUの鉄道は自由に競争可能だ」などとしています。

ストライキを行うVR機関誌組合は「旅客鉄道を競争化したら国の資産が破壊されてしまうので、これを許すことはできない」としています。また、機関誌組合は競争がだめだと言っているわけではなく、フェアな競争になるべきだとして「列車を持つのが国有会社で、それを貸し出すのであれば、結局国の列車を使うだけで、それは競争にならない」などと語っています。


なおAnne Berner大臣は、このブログでも風刺アニメにしている人物です。


Source: YLE, YLE 2, YLE 3

(abcxyz)

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